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紅茶国C村+E街の日々

極夜行 角幡唯介著 (2019年度本屋大賞、ノンフィクション部門)


2018年11月8日のことだそうです。

角幡唯介『極夜行』が受賞 本屋大賞とYahoo!による「ノンフィクション本大賞」が決定


受賞後、約半年たっての読了。外地暮らしの浦島花子みたいな私にしてはかなり早い出会いだったという気がします。
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ノンフィクションは、やっぱり身につまされますね。本屋大賞はミステリーものが多いので、作品の中に本気で入っていくまでに時間がかかるような気がしますが、その点、ドキュメンタリーでは最初からある種の幕が取り払われていて直接著者の声が聞こえている感じです。それだけに、怖かった!
探検(冒険)が終わったあとでこの本を書いているのだから、著者がこの冒険のさなかに死ぬことはないとわかってはいても、やっぱり死と隣り合わせの危険がいっぱいの真っ暗闇の旅(移動)で、上手に臨場感を盛り込んで書いてくれているので、かなりスリルがありました。


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後日談としての脚色エレメントはないとは言えないと思うのですが、事実を淡々とありのままに、そして思いのままに時間軸をずらしつつ過去や現在の補足、引用、参照を盛り込んで、何を書いても筋書きが先に進んでいくという面白さを味わいました。


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とにかく無事生きて帰ってきてくれてよかった。
そして、極夜ってやっぱり怖い、ですよね。

ただあえて一言言わせてもらえば、人間が胎児として母親の羊水の中にいるとき、それは極夜と同じ暗闇かもしれないけど、この時にはこういう怖さってのはないはず。


というわけで、「安全」を保証されたうえで、著者が体験したような「極夜体験」をド素人でも味わってみたいという野次馬根性を持つ人はわたしだけじゃあないでしょうね。

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怖い冒険談、探検旅行でしたけど、どころどころクスっと笑わせられる箇所があって、本の間に小さな紙をはさみながら読みました。

「まぎれもなく、そこはアウンナットだった。完全に、完璧に、百パーセント、アウンナットじゃなかったら死んでもいいぐらいアウンナットだった。」145ページ


雪原はどこまでも奥につづき、闇の向こうで朧気に消えている。それは壮絶なまでに美しい、美しすぎる、美しすぎる八戸市議みたいな光景だった。あまりに幻想的かつ幻惑的な様子に私はしばし見とれた。」214ページ  
(こんなところでこんな比喩ありなの?と浦島花子は思う、笑。)

「月は極夜の絶対支配者として、あたかも次のような言葉を発するかのごとく煌々と照っていた。
『うふふ。あなたは極夜を探検するとか言っていたのに、人様のデポなんか当てにして、それで悠々のんびり旅をしようったってそうはいかないわ。そう、デポは全部白熊に命じて私がぶっ壊したのよ。悔しかったらこの極夜世界の底をはいずりまわって生き抜いてみなさい。こんなところでデポを食ってごろごろしてたって極夜の闇の奥の最奥には行けないわよ。自力で行きぬいて暗黒の深淵に到達してみなさいよ。
それがあなたの言う極夜の探検ってやつなんじゃないの。おほほほほ」
月はそのように私のことを嘲笑っているかのようだった。」185ページ


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とここまでは、昨日の日曜日に書いて保存しておきました。

6月17日(月)の今夜、ストークマンデビル・BCでのゲームを終えて真夜中近く、E街に着いたのは真夜中直前11時40分ごろでした。
もちろんううチャン一家はすっかり寝静まっていました。

明日一日だけ、ううママがパリに出張ということで、グランマの出番。

夜な夜なゲームの後、道路は空いていて運転はしやすかったけど、やっぱり暗闇の運転は緊張します。
ところが空に煌々と、あの角幡さんの旅を導いたのと同じ月が、かなり満月に近いぐらいの大きさで輝いていました。

極夜というものが懐かしく、同時に暗闇のなかを移動するときどんなにか月明かりが助けになるか、ということを実感しながらE街にやってきました。その時の写真一枚を載せておきます。

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なお、この本をタイミングよく贈ってくれた四女のよっちゃん、メールしたけど、おあとをよろしくね。

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by agsmatters05 | 2019-06-18 08:42 | 本を読んで | Trackback | Comments(0)

紅茶国で(元)日本語教師(今もちょっとだけ)。身の回りのいろんなことを気ままにつづっていきます。日本語教育のほかに、イギリス風景、たまには映画や料理や本やニュースや旅や、家族のことなど。
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