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紅茶国C村の日々

切り替えできない日々(5)

これは8月27日(木)のことです。

切り替えできないとは、「心が切り替えできない」という意味です。

明日から授業(仕事)が始まるのに、困ったもんです。楽しかったリユニオン旅行、NOBU文部・厚生ダイジン(兼任)から 「47年目の奇跡」というタイトルのメールをいただきました。それほどに楽しくて大きな出来事でしたから、このブログから外すわけにはいきません。現実は、9月に入り、新しい出来事がどんどん出没しているというのに、このブログは8月と9月を彷徨うしかない、つまり「切り替えができないのです。

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この国(イギリス)で英雄扱いされているウインストン・チャーチルにゆかりのある場所がこの朝の第一の訪問先でした。オックスフォードからおよそ30分、あの音楽祭で有名なウッドストック村にある名所。

Blenheim Palace。 これを日本語で ブレナイム宮殿とか、ブレナイム・パレスと言いたい人はドイツ語の勉強を多少なりともかじった人でしょうか。 HEIM をハイムと読んでどこがわるいかとおもうのですが、実際はこの場所の「正しい発音?」は、 ブレナム なんだそうです。 英語の単語がスペルと発音と一致しないことがしょっちゅうあるのは、有名すぎる話。ついでに、この宮殿に住んでいる第12代侯爵の名前が Duke of Marlborough で、スペルはともかく発音は マールバラ というのだそうです。この名前をアメリカのタバコ会社に売ったので、そちらのほうはマールボロ―という発音でいいのだとか。

というようなことを朝ごはんの時にわれらが水先案内人、ビッグ・ブラザー・クリスから教えられ、見学オープニングタイムの10時に間に合わせるべく2台の車でオックスフォード大学、ウルフソンカレッジを出たのですが。ちょっとハプニングがあって、遅れたのはもちろん私のほう。ビッグブラザーへの感謝状を寄せ書きしたり、トムトム(サテナビ)が出口と入り口を認識できずに入れないゲートから入れというので、同じところを何度も行ったり来たりして、ずいぶん遅れてしまいました。先発隊にはご迷惑ご心配をかけてしまいました。

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それでも全員シニア(コンセッション)の切符を買ってなんとか無事、中に入ることができました。とにかく、広い。

入ってすぐのあたりの部屋で、チャーチルが結婚を申し込むところの説明の部屋があった。3人ぐらいの女性にプロポーズをすることを考えたらしい。その3番目の女性にプロポーズをしたことが、「わが生涯の最良の功績」と言ったとか。
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学校の成績も、スポーツも、人間関係も、とくに優れていたわけでもなく、ただ戦争の時代に生まれてきて、政治家となり、国を守るためにそういう道を歩まざるを得なかったというような人生。チャーチルが英雄になれたのはヒットラーがいたからだ、なんていう人もいるほど。それにしても見事な調度品でした。宮殿とかお城などの豪華な調度品で飾り立てるだけの部屋から部屋への移動は、庶民には面白味がないなあ、などと思いながら、宮殿の中を歩いていきました。

ぐるっとまわってロングライブラリーと呼ばれる部屋に入って、この城が最初に建てられた(送られた)のは、アン女王のときで、初代マールバラ公爵が戦争の功績でこの城を女王から頂戴したのだとか。

ふと何気なしに撮ったカメラのフラッシュが光ったために、この部屋にいた学芸員の方に注意されてしまった。と、と、ところがこの学芸員さん、二言目に日本語がぺらぺらぺらと飛び出したのでした。なんと日本人のかただったのでした。

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それでついついこの方との話がおもしろくて、私は一人ここで長居をしてしまいました。相当いろいろ面白い話をきかせてもらったのですが、残念なガラここに細かく書き出す時間がない。

ここですっかり仲間と離れてしまいました。

ファミリーチャペルで(↓)
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この彫刻(↑)は家族の一員を失った時、その代わりにこういう像をつくらせたのだとか。そういういわれを聞くと(読むと)なんだかしんみりしてしまいました。

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ミロのヴィーナス像は ♫ツタの絡まるチャペルで…を思い出させられて、しばらく眺めておりました。
これ(↓)はミロのヴィーナス像がその一角に立っているイタリアンガーデン。
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そうして午後1時半の予約時間に合わせて、宮殿をあとにして2台の車はオックスフォードのハイストリートにむかったのでした。ここで、駐車場を探すのに一苦労して、かなり遅れてしまった。ほとんど2時ごろ、二艘の船をくっつけて一人のショーファーによるパンティング。
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七人仲良く座り込んで、イケメンショーファーの兄ちゃんの棹さばきに任せて、のんびりと一時間。
持っていたアイパッドでちょっとした動画も撮影できました。でもまだここに載せる力はありません。
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舟の行く先はこんな感じで(↓)
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とにかく天気に恵まれて、美しい緑に囲まれて、ゆったりと舟遊びができたのでした。「みんなで命の洗濯をしています」って言ったら、横でザイムのTAさんが「うまい!」なんて言う声が録音されてました。

舟遊びのあとまた二台の車で一路C村へ。でも先発隊はわれらが水先案内人、クリス邸に案内されたそうで、そのお宅に広さと庭の大きさ、見事さに圧倒されたとのことでした。私のトヨカロと、Nobuさん、Yutaさんは、C村に直行したので、クリス邸は見ずじまい。

C村では感謝状送呈式(?!)
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レイトンバザードという駅。(↓)
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今度は二グループともクリス氏のBMWに運ばれて、このあとは正味六人。この国の不思議な鉄道の切符の仕組み。片道切符より往復切符のほうが安いというおかしな仕組みに首をひねらされながらも、とにかくめざすはロンドン・ユーストン。


この後のユーストン到着後、地下鉄でレスタースクエア乗り換えでサウスケンジントンへ。
ベイトホールにいったんチェックインした後、またサウスケンジントン駅近くへ繰り出して、夕食。
この次の日はまた朝早くから起きて、湖水地方日帰りツアーの日なのでした。
Commented by けい at 2015-09-07 19:58 x
ミチさん

往復切符のほうが安い、私たちも往復で買いました。でも窓口の説明のreturn ticketの意味がわからず何度も聞き返してしまいました。イギリスでは平日だったので普通の割引でしたが、ベルギーでは日曜日の割引もあったような気がします。もうずいぶん前のことなのでうろ覚えですが…。
Commented by 異人館 at 2015-09-08 13:09 x
チャーチル首相は名門の貴族と歴史では習いましたが、その壮大な宮殿に驚きました!

凄い!です。天皇家の沼津の御用邸を見たときに、あまりの質素さに何だか涙が出そうになったことを思い出しました。

世界中を手に入れた国の豊かさには目をはりますね。

私は何を言っているのでしょう(笑)。生まれ変わるならば英国の貴族の娘に生まれ、1日何回も洋服を着替えたい!そうとうダウントンアビーに毒されていますね(笑)。


物質の充実が図れないならば、精神の充実を図らねばならないのに、お腹周りのみ何やら充実する昨今でございます。
Commented by agsmatters05 at 2015-09-09 02:19
けいさん、
いろいろ楽しまれたのですね。お嬢さんと一緒とは、思い出も格別貴重なことでしょう。
その時は苦労したり、困ったなあと心配したりしても、旅はあとから思い出すと
良かったこと、楽しかったことのほうがやっぱり記憶に残りやすいですよね。
あと2-3日分を書かないと、このシリーズは終われません。
Commented by agsmatters05 at 2015-09-09 02:26
異人館さん、
チャーチルはこの宮殿内で生まれたけれど、後継ぎ(長男)の子供ではなかったために、あまりこの宮殿に長く住みついたわけでもないとか。それでも今はこの宮殿はチャーチルで持っているようなものでしょうか。ナショナルトラストに委ねると、税金はいらないけど、資産の売却その他一切の資産管理に自由がなくなるのだそうです。それで、世界遺産として、営業努力をしっかりとしている気配は表れています。一回入場(シニア料金は18.30ポンド)すれば、中に入ってそれを一年間有効の無料パスに換えてくれるとか。ま、一年に何回も行けるほど近くではないのですけどね。
Commented by agsmatters05 at 2015-09-09 02:35
異人館さん、
こういう宏大なお屋敷を見ると私はそれを維持することがどんなに大変なことだろうかとすぐ想像してしまいます。自分で家一軒を管理しきれなくて(自分の部屋一部屋さえも思い通りにきれいにできない)、ましてや使用人がいたら、そのことのやりくりで自分の自由がなくなりそうな気がして、あまり「うらやましい」という気が起こらないのです。ここで出会った説明係りの日本人のかたは、年に一回タキシードを着て、使用人全員がマルバラ侯爵主催の宴会に招かれると話していました。先代の侯爵は恐れ多くて目も合わせられないほどの態度だったとのことですが、今の侯爵は通り過ぎるときに「やあ」といって肩をたたいていかれるとか。そのほかいろいろ面白い内輪話を聞かせてくれました。いつかブレナム宮殿に行かれる時には、このロングライブラリーのTERUIさんという方をお探しになってくださいな。(笑)
by agsmatters05 | 2015-09-07 07:21 | Comments(5)

紅茶国で(元)日本語教師(今もちょっとだけ)。身の回りのいろんなことを気ままにつづっていきます。日本語教育のほかに、イギリス風景、たまには映画や料理や本やニュースや旅や、家族のことなど。

by dekobokoミチ