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紅茶国C村の日々

ロンドンの一日(その三、もう一つの会話。6月11日水)

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引き続き、ロンドンのクラブでジャズ・コンサートを聞いたあとの食事会の話です。↑の写真は関係ありません。食事の写真は遠慮して撮らなかったし、カメラがこの頃調子が良くないし。この夜のメニューはコッド(タラ)。ちょっとパサついていたような気がしました。面白かったのは、さやいんげんを同じ幅にして束ねて、大根の薄切りを帯のように白くまいてあったこと。大根は生ではなくて、軽くゆでてあったような・・・。デザートは全員クリーム・ブリュレ(プリン)。それからコーヒーにチョコレート。
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同じくクラブの建物の前の道路端に置かれていた停め石。1830年にウエリントン公爵の願いによって建てられたものと書かれていましたが。 それとは関係なく、隣席のバリー・グリーンが向こう側の隣席の女性とか、テーブルの向かい側の女性と話したりしている間、一人黙々と料理を食べるというのもどうかとおもわれる、ここは社交の場。私のお向かいにマイケルなんとかという老年の紳士がおられました。食事の途中でこちらに話し相手役をむけられました。マイケル氏は 出版関係のお仕事をしているようでした。あんまりダイレクトに聞けることと聞けないことがありますから、私は日本語教師であること、日本人であることはもちろん名乗りますがあとは尋ねられたら自己紹介をするに限ります。子供の数とかを聞いてくる人はいますが、子供の年などは聞いてきませんし、ましてやこういう場面でダンナのことなど聞いてくる人は、この国にはいません。日本だったら、子供の話をすれば当然ダンナの話にはいっていくのでしょうが。この辺がこちらの人は節度があるというか、プライバシーの垣根を高くみつもって、お互いの懐にはいらないところで会話をする人が多いような気がします。もっとも、女性同士だとすぐ身内の話になりやすいってことはあるとおもうのですが。

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マイケル氏は面白いことを聞いてきました。日本で英語、英文学を勉強したことと、イギリスに住んでわかったことはどう違うかと。日本で英語、英文学を勉強した学生時代はかれこれ半世紀も前の話となってしまいました。何を覚えているか、思い出すのに一苦労でした。英文学を読んでイギリス人がわかるか、ってとんでもないと思いました。同じく、外国人が日本文学を読んで日本人がわかるかって、やはり文学に描かれた人間と生身の人間は、雲泥の差がありますね。文学の人間像は固定的で、抽象的で、動き出さないけど、生身の人間はどうにもつかみどころがない場合が多いし、もっともっと複雑だと。シェークスピアもブロンテ姉妹も、作品をエンジョイすることはできたけど、それで紅茶国人がわかったかというと、それはないと言わねばなりますまい。

という会話を交わすうち、一つだけ思い出そうとして苦労した作品がありました。なかなか思い出せなくて、ちょっとほかの人の話を聞いているふりして、考え込んでしまいました。双子、そうだ ツインズ というようなタイトルじゃなかったかな。あれはドリス・レッシングだったっけ?だんだん忘れかけていたことを思い出して、遠い昔に読んだイギリスの女性作家の短編小説。夫婦のキビというか、食い違いというか。似たもの夫婦なのに、お互いに陰で言ってることがちがう、という話。

例えば 一人称の語り手(私)がこの友人夫婦の家に泊まり客として訪ねて行ったとき、私の部屋にビスケットをそっと用意しておいてくれた女友達。ところが次の日(だったかな)その夫が、私にこっそりと、家内はベッドルームでビスケットを食べられるのが嫌なんだと言ってくる、というような話。昔々読んだ本なので、すっかり記憶がぼやけていますが、その話を、マイケル氏の質問をきっかけにしておもいだしてしまった、というわけです。ああいう裏腹な面を持っている人間たちとか人間関係の描写。陰にまわって別のことを言う。これはなにも紅茶国人に限ったことじゃないわけですが、日本でこの短編小説を読んだとき狐につままれた思いだったけど、この国に住んでこの国の人たちを見ていると、あっちでああ言い、こっちでこう言うということがいっぱいあるもんだと思われて、あの小説はなかなかだったと、一人でしばし回顧のひと時を持ってしまったのでした。

これを書くにあたってグーグルしてみたら、ドリス・レッシングじゃなくて、ミュリエル・スパークという女性作家でした。

ウイキ様の説明は こちら
デイム・ミュリエル・スパーク DBEDame Muriel Spark, DBE, 1918年2月1日 - 2006年4月13日)は、スコットランド小説家



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Commented by skuna@docomo.ne.jp at 2014-06-22 13:49 x
えっとこちらのブログすごいびっくりして…

なんだか自分のことを言い当てられてる気がするくらい、思わずブックマークしちゃいました!

共感もしたし、本当にウチの中で大切なことが書き込まれてるブログだと思ったんです。こんなにも素敵なブログを書く方ってどんなひとなんだろう?って思って

興味津々で初めて書き込みさせてもらいました!

なのでできれば直接お話ししたいと思って、名前の部分にウチの連絡を入れておいたのでよかったら連絡してくださいね。待っていますです!

※もし面倒ならこの書き込みも抹消しちゃって構わないので気にせずにお願いします。

いっぱいお話ししたいことだらけです!
Commented by agsmatters05 at 2014-06-23 02:51
skuna@docomo.ne.jp  さん、または Skuna さん (かな)
はじめまして。コメントありがとうございました。
上のようなコメントをくださる Skuna さんって、逆に、私も
「どんなひとなんだろう?って思って 」
しまいましたよ。(笑)。お互いにブログで交流できるといいのですが、とりあえず docomo.ne.jp のほうへ軽くお返事させていただきますね。
by agsmatters05 | 2014-06-21 09:45 | Trackback | Comments(2)

紅茶国で(元)日本語教師(今もちょっとだけ)。身の回りのいろんなことを気ままにつづっていきます。日本語教育のほかに、イギリス風景、たまには映画や料理や本やニュースや旅や、家族のことなど。
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