2014年 04月 27日
25日(金) GCSE 口頭試験 MKで。
新緑の萌える、さわやかなこの季節に、若者たちが机と本にかじりついて、あらんかぎりの脳細胞を駆使してテストという巨大な怪物と戦わなければなりません。
写真は グーグルイメージよりお借りしました。
かつては私も試験を受ける立場の一人で、本来エンジョイできるはずの周囲の新緑をエンジョイするどころの話ではなかった日々があったことを、心の片隅に思い出します。
あらためて、GCSE (General Certificate of Secondary Education) とは、イギリスの「中等教育修得証明」、平たく言えば中学卒業資格試験です。日本と違うのは、義務教育といっても、英語、数学、理科(生物、化学、物理を含む)以外は選択科目となっていて、どの科目でこの試験を受けるかは個人個人で決められるという点です。生徒によっては13科目、14科目も受けられるし、10科目以下でも、中学卒業資格はもらえます。
日本語はマイナーな科目で、イギリス中で1000人ちょっとしか受けていないとか。その中に、何人ぐらい日系の生徒が含まれているのでしょうか。そういう数字は発表されていないと思います。日本人の子供たちがこのGCSE日本語試験を受けるのは、ほんとうに簡単。目をつむっていてもできるくらい。でも試験は全部英語で行われるので、英語ができないと、長文読解を英語で答えたりするときにちょっと大変かな。
とまあ、ここまでは一般論。
去年のMKでの試験官をした記事は こちら。 でした。
3月20日に準備レッスンに行った記事は こちら。
今年は4人でした。ミルトン・キーンズという町のいくつかの学校から、日本語を受ける人が一か所に集められて、GCSE日本語のスピーキングテストがありました。4人とも、お母さんが日本人のようでした。だから、日本語がとても上手。おしゃべりかどうかは別として、ぜんぜん問題なく日本語でコミュニケーションができる受験生たちでした。一応試験なので、緊張しているみたいでしたし、試験のスケジュールにのっとって、録音も書類もきちんと形式をととのえなければなりませんから、やっぱり気を使いました。こちらの質問も頓珍漢にならないようにしなければなりませんでした。
とはいえ、採点をする人は、一人10分の録音を50も100もたくさん聞いて採点をしなければならないので、受験生がネイティブ(日本人)だとわかると、全部聞かなくてもさっと満点(20点)をつける(こともありうる)、という話を聞いたことがあります。(これはだいぶ前の話。昔(!?、3-4年前まで)毎年全部の試験が終わった後で、GCSE日本語の試験のフィードバック&ガイダンス・デー(講評会)で話されていました。
ゴルフ、サッカー、スポーツ、音楽(とくにロック音楽)、バンド、映画、スタジオ・ジブリ、ハリー・ポッター などが話題にあがりました。ティーチャー・イグザミナー(試験官)としては、受験生との会話を楽しませてもらう気分になれました。
そのほか、過去問をご覧になりたい方は こちら(↓)へどうぞ。
右往左往のイギリス大学受験記
私もイギリスで日本語を教えたりしています。実は昨日GCSE日本語のスピーキングの試験官をしてほしいととある学校から頼まれたのですが、私のほうで準備しておく事ってどのようなものがありますか?いまいろいろネットで情報を集めているのですが、生徒が用意してきた事に対して質問したりして10分録音する・・・ということでいいのでしょうか。
大事な試験ですからおかしなことはしたくないので・・・もし教えていただければ幸いです。
ご自身が教えた生徒さんでなくて、ほかの先生から日本語を勉強してGCSEを受ける生徒さんでしょうか? だとすると、受験生の力とか、レベルがわかりにくくて、質問を出しにくいですね。(私は自分の生徒でない場合、一度事前に面接をしておきます。そのほうが試験がやりやすからです。)GCSEのスピーキングテストの場合、とにかく受験生に何かをしゃべらせることが試験官の役目のような気がします。あと、上の記事の一番下のサイト(右往左往の、、)でGCSEの「スペック解説 (41ページ~ 文法・漢字リスト)」というところをクリックすると、スピーキングテストの要領とか、質問文例集(見本)のようなものが出ています。(25ページから36ページぐらいまで)。そういう文例や文体を使って質問をいくつか考えておかれたら、やりやすいかもしれませんね。それから 受験生が何についての2分間スピーチをするのかも、前もって知っておくと、それに続く2分間の質問も出しやすいと思います。いずれにせよ、ケースバイケースで、その受験生と Bunnyさんとのやりとりによって評価が決まるわけですから、必ずしもむずかしくする必要はなく、またやさしすぎるのもあまりプラスにはならないでしょうから、受験生の力を見ながら、できるだけいろいろ受験生にしゃべらせられるように仕向けていくこと、そう考えながらご準備を進めていかれたらどうでしょうか。お答えになりましたでしょうか?
風邪が治らなくってお返事が遅くなってしまいました。3日も声が出ないんです、、、。
GCSEの過去問のスピーキングの箇所を見てみました。二つのタスクをやるということでpictured based discussion or presentationというのがいわゆるスピーチで、2分ほど生徒に語ってもらって、その後に内容に関する質問を私がしてそのやりとりがまた2分ほどということで良いのでしょうか。もう一つのタスクはGeneral conversation related to a chosen themeとありますが、これは単に二人でしゃべるのですか?その際のテーマは前もって決めておく、ということでそれをまた4〜5分するということで良いのでしょうか?
前回のお返事から日が経っているのにレベルの低い質問で申し訳有りませんが何だか全体像がつかめないのでまたお返事いただけると幸いです。頼まれた副校長先生に面接を設けるお願いをして、「もちろんハーフターム明けにしましょう」と言って頂いています。(私の教えている生徒ではないのです。アドバイス有り難うございます。)
Specificationのスピーキングに関するページ(5ページ目)で、This unit is externally assessed.とありますが、これは私がexternal examinerということになるのでしょうか?アセスメントまで私がやるということでしょうか、それともアセスメントというのは普通examinerとは別の人がやるものですか?また、録音の際に何を言うかというのはspecificationのどこにあるのでしょうか。一通り見たのですが見当たらなくて、、、。
モックテストといった練習が出来るんですね。どんな生徒か知らないのでやったほうがいいでしょうね。副校長先生に提案してみます。
あと、録音機材って普通は当日まで使えないものなんでしょうか?録音しての練習はできないということで、、、。
いろいろ教えて頂いてとても助かります。お忙しいところ申し訳有りませんがまたよろしくお願いします。
2)録音の際に試験官が言うべきことは、Specificationの中にはなくて、当日学校の試験部長(Exam Officer?)のような方から直接手渡される Teacher-Examiner's Handbook と呼ばれる小冊子の中に書いてあります。できればこれを前もって学校のExam Officer から見せてもらえるといいですね。以前は質問トピックが受験生に知られないようにこのハンドブックはとても厳密に扱われていたのですが、毎年同じようなものなので、はじめて試験官をされる場合、過去のハンドブックを見せておいてもらうととても助かるはずです。またそこにある LT3 というフォームに受験生と試験官のサインをしたり、トピックを書き込んだりしなければならないのですが、これもExam Officerが準備してくれるはずです。(他の言語のオラル・テストもみんなそうしているので、イグザム・オフィサーはこれになれているはずです。)
4)Bunnyさんが担当される生徒さんはもしかして日本人家庭のお子さんでしょうか。だとしたら、なにも心配する必要もなく、普通の会話を楽しむつもりで録音すればいいのではないでしょうか。そうでなくて、ゼロから日本語を勉強したノン・ジャパニーズの受験生の場合は、やはり、GCSEレベルの文型や語彙から大きくはずれないように、やさしい基本的な文型で質問をしてあげるといいと思います。
アセスメントはしなくていいのなら安心しました。
メモ用紙のことはspecificationにちょっとだけ書いてありましたね。冊子の中のページで14ページ目の真ん中にStudents may refer to an A5 sheet of paper with billeted notes (30 words maximum).とあります。30字ってキーワードをならべるくらいでしょうね。絵文字もOKということですね。試験後回収することは覚えておきます。
生徒についてはよく知らないのですが、その学校は日本語の授業は設けていないので、それでGCSEを受けるならやはり日本人の親御さんがいるご家庭かと思います。そういうのも含めてミーティングでお話する必要がありますね。まずは副校長先生とその調整を進めていこうと思います。また何かありましたら質問させていただくかもしれません、、、。どうぞよろしくお願いします。
詳しく教えて頂いたお礼に近くにお住まいでしたらケーキと紅茶でもご馳走させて頂きたいくらいですが。ロンドンにいらっしゃることがあれば是非、、、。
私はロンドンから北1時間ぐらいのところです。
スピーキングテストが無事終えられましたら、ぜひまたお知らせください。私のほうは今年は5月11日(月)を予定しています。まだまだ準備できてなくて、大変です。
上のSpecification の14ページを読みました。(これまで全然読んでなくて、気が付きませんでした。)ありがとうございました。これで生徒にはっきり30語と言えます。ただし、日本語は 一語をどう数えるか問題があるのですよね、これはGCSEのチーフ・イグザミナーのMG先生もおっしゃってましたけど・・・。とにかく、どうかうまく行きますように。無事に終えられることを祈ってます。
昨日思いがけなくその生徒に会うこととなりました。なんでもご両親は二人とも日本人だそうです。GCSEの試験で何するのか知ってるか聞いたところ「何も知らない」そうです。大丈夫なのかな。
そのためedexelのspecification で何のテーマについてスピーチをするのか見ておいてもらって来週また会うことにしました。予定外で会ったので私の方でも何も見せるものを持ってなかったので。
ひとつ質問させて頂きたいのは試験日って学校の先生ともうすでに決めておくものなのでしょうか?そうするとあと何回練習やモックテストの機会が設けられると逆算できますよね。
私はその学校でlanguage club とsix formers にenrichment という選択科目としての日本語を教えていて、副校長先生とは初対面ではありません。その学校はyear 7に9月からまず5言語を5レッスンずつTasterとして受けさせ、どの言語を選択したいか決めさせます。選んだ言語を上の学年でも勉強していくのですが、日本語は選べないことになっており、続けたい生徒はお昼休みのlanguage clubに来ることになっています。まあ試験に関係ないので教える私も気が楽と言えばそうなのですが。
でそれが昨日で、その時にその生徒がいきなり現れたんです。「副校長先生に行けって言われた」って言ってました。そう言えば彼女I'll send her (the student) to youって前に言ってたような、、、。
副校長先生から頼まれたのは試験官をやることですけど、生徒はGCSEについて何も知らないようだし、スピーキング以外の分野も見てあげた方が良いのかと心配になってきました。とりあえずスピーチですが、内容で気をつけたほうが良いことって何かありますか?テーマという意味ではなく、起承転結があるように、とかそんな感じです。
(1)2分間スピーチの内容について、気をつけたほうがいいこと。 特にないです。「こんにちは」とか「おはようございます、私は〇〇です。XX学校のX年生です。」のような短い自己紹介で始まってもいいし、いきなり、「去年の夏私はパリに行きました」みたいな話に入ってもいいのです。文章の構成について、よほど支離滅裂でない限り、それによって減点されたという話は聞いたことありません。とにかく(おそらく日本人家庭のお子さんなら)スラスラ、ぺらぺらと話ができるはずで、なるべくしゃべったほうがいい。出来事でも、家族や学校の紹介でも、好きな音楽や友達のことでも、どんどんしゃべるのがいいと思います。もしも下書きを書いておいたりして、それを覚えきれなくて、2分間スピーチの時につっかえがちになって、すらすらスピーチができないのはとても残念なことです。なぜなら記憶とスピーキング能力は別物だから。そういう意味で、メモ用紙は大事だと思います。(2は下に続く)
う〜ん、ペイを度外視してヘルプはしないかなと思います(笑)。まあできるだけ生徒のためになることはしてあげたいですが、コントラクトにもない内容ですし、私もGCSEの指導に自信あり!というわけではないので(というか知らない)、こちらからあれこれ「やりますやります」と言い出さないほうが良いように思いますね。ちょっと話した感じではイギリスの学校にずっと通っていたのかなという印象を生徒から持ちました。いきなり会ったのでいろいろ質問し忘れて聞いてはいないのですが、今週も来てくれるように言ってあるので、その時英語力についても確認しておこうと思います。あと試験日については副校長先生にメールを出して聞いてみます。
本当に色々教えて頂き有り難うございます!お礼はいつか必ず、、、。(^^)
GCSEの日本語テストで検索してたら、こちらにたどり着きました。
我が家の娘がこの度、GCSE Japaneseを受けることになったのですが、スピーキングテストの試験官?を私がすることになりました。他の日本人の方が見つかれば、その必要はないのですが。。。。
そこで、スピーキングテストの経験がないもので、どういう風に話し始めて録音すれば良いのか、全くわからず困ってしまってます。 録音開始したらまず初めに何を喋るのか、試験官?が何か開始の言葉を言うのか? タスク1と2では、話す前に「タスク1始めます」のような事を言うのか? 終わりにも何か言うのか?
初めてでいきなり質問たくさんで、すみません。誰に聞いたら良いのかわからず、困り果ててしまってました。よろしくお願いします。
まほろと申します。
昨年4月から家族でロンドンに住み始め、この4~6月に、Year11 の娘がGCSE を受けます。
Japanese も受験するのですが、娘の通う学校では日本語を教えておらず、「受けるのはいいけれど、自分で準備をして下さい」というスタンスで、個人的に調べる必要がありました。
こちらで具体的に語られていたので、大変に参考になりました。
試験内容のイメージが湧きました。
貴重な記録を読ませていただき、ありがとうございます。
前記の生徒と練習を一度イースター前にしたのですが、何だか「談笑」のような感じになってしまい、いいのか疑問に思っています。「なるほど」みたいな相槌をしてしまったり、お互いにちょっと笑ったり、です。きっちり試験官と受験者としてそのような要素はなるべく減らしたほうが良いのでしょうか?
ちなみに試験日は5月6日に決まり、あと2,3回練習の機会があります。
お時間のあるときお返事いいただければ幸いです。
自然な会話ができているということだから、笑い声やあいづちがはいっても問題ないとおもいますよ。とはいっても私は採点官をしたことがないので、100%鵜呑みにしないでくださいね。だいたいネイティブ(日本語母国語話者)の場合、採点官は厳密な採点をする必要はないと判断されて、まよわずトップマーク(20/20) をつけたりすると、ある講習会で聞いたことがあります。そもそもGCSEという試験はネイティブのために作られていないし、イロハのイも知らない生徒らが2年間+アルファの授業時間で四苦八苦して覚えた日本語のテストですから、(さながら日本の英検を中学3年生がうけるようなものを、英語ネイティブの生徒が受ければストレスもハードルも全くないはず。)ということで、お気軽にお考えになっていいと思います。あまり練習し過ぎると、本番の質問で緊張感が失われる恐れはないでしょうか。生徒はどんな質問をされるのか前もって知らされてはいけないのですから、気を付けてくださいね。あくまでも生徒(受験生)の日本語能力が十分に発揮できるような質問、会話を誘導してあげることが大事だと思います。
練習したのはスピーチと質問の方だったので、その質問と答えの際に談笑のようになってしまうのがカジュアルすぎるかなあと疑問に思ったんです。
練習のしすぎもよくないですね。ただ、今がカジュアルすぎるのではないかと思ってもいます。つぎは多分会話の方を練習します。でも練習する必要もないかな〜、、、。
生徒とは試験の時のテーマは決めました。今の練習では私はメモを取りながら聞いて質問しています。
私も生徒にとっての大事な試験だからと色々気にしすぎなのかもしれませんね。生徒が滞りなく話せるようにすることを一番に考えてやっていこうと思います。
昨日テストが終わりました。一応無事に、、、。メモは持って来なかったというので、あ、そうなの、と思っていたのですが、スピーチの途中で言うことをちょっと忘れて一瞬より長い間の滞りがありました。「えっと、、、」といった感じで。他にもちょっと表現としてどうかなと思う箇所もあり、、、。終わった後でAスター取れますかね?と聞かれたのですが、それはassessorが判断するからなんとも言えないと言っておきましたが、つっかえちゃったからね〜。何でもAスター取れたらディズニーランドに連れて行ってもらえることになってるそうです。そんなご褒美があるなら私も口うるさくメモを持ってくるように言ったのに、、、。「ネイティヴだから楽勝」とタカをくくってしまったようです。あとは運良くネイティヴだからといい点をつけてくれるassessorに当たることを祈るしかないですね。まあそれもそもそも噂ということですが、、、。
とりあえず初体験終了で私もほっとしました。何事も経験しておくと後々役立つでしょうし。いろいろ教えて頂いて本当にありがとうございました!
わたしの試験の試験官をやってくださいませんか?良い返事お待ちしています!
先週突然、GCSEの試験管を頼まれて困っていたブッチです。初めまして。
あちらこちらに聞いたり、エデクセルで調べたりしても不安だらけだったのですが、このページをたった今読ませて頂いて本当に気が楽になりました。
本当にありがとうございました。沢山メモをさせて頂きました。頑張ります!