2012年 08月 23日
(2)「わたしのロンドン・オリンピック2012」 - 前編
2012ロンドンオリンピックのこと、始まる前はいっぱい書きたいと思っていました。
でも、実際はあまり記事が書けなかった。(トルコ子育てのミキさん、一度もオリンピックのこと、かいてないヨ !笑)
でもって、ここでは、極々私的(ごくごくしてき)なオリンピック雑感。
そもそもこれは、今から7年前の2005年7月2日から7月9日までシンガポールで行われた国際オリンピック委員会総会(第117次IOC総会)で決まったことなのでした。あのときの紅茶国の興奮っぷりは相当なものでした。みんなびっくりしてました。投票は4回行われて、最後に4票差でフランス(パリ)を抑えこんだのでした。
http://ja.wikipedia.org/wiki/第117次IOC総会(出典)
これってすごいドラマチックですよね。モスクワ、ニューヨーク、マドリード、パリ、という大都市とならんで、候補都市が一つずつ落とされていき、ニューヨークの16票のうち、12票がロンドンにまわり、最後の決選投票でスペインのマドリードの票が半分(15票)イギリスに回ったのが、決め手だったんですよね。
これについて、当時パリで、ECの保険調査機関で働いていた わが友人、ルイパパは、パリの落胆ぶりがすごくて、「気の毒で話しかけられないほどだった」と言ってたほどでした。
あれから7年。当事者でない、しかもノン・ブリティッシュな紅茶国住人としては、かなり勝手に知らん顔をしてきていました。というかホンネは「大丈夫か、イギリス、ちゃんとやれるのォ?」 というところでした。なんでもアバウト(いいかげん、またはオウヨウ)な国のことだから、チャイナのような国家的スケールのオリンピックの後では、何をするにしてもまねができないのでは、、、という感じでした。
今年の正月のタイムズ新聞で、今年注目すべき50人という特集がありました。もちろん英王室のメンバーも結婚だの即位記念だのでかなり高いランキングに入り込んでいました。50番目からはじまって、だんだん順位が上がっていき、一番注目されるべき人というところに、ダニ・ーボイルという名前がでていました。大きな写真とともに。(あの新聞をどこかに保存しておいたはずなのに、今、見つからなくて、残念。)
でもって、話はいきなり、オープニングセレモ二ーに飛びます。
開会式の前の日、ダニー・ボイルのインタビューがありました。「自分はそんなにナーバスになってない。実際に演技をするのは、ボランティアの出場者達なんだから、その人たちのほうがナーバスになってるだろうけど。」なんて言ってました。
これ(↑)は翌日の新聞タイムズに出ていたダニーボイルの記事からとりました。オリンピックの開会式の総監督、演出責任者です。
だいたい「秘密主義」が功を奏した企画でしたネエ。もしも開会式の中味を事前に発表していたら、あれほどのインパクトはなかったでしょう。
開会式については、すでに一度記事を書きましたが、びっくりすることは多かったですねえ。式場のど真ん中に緑の牧場が出てきて、いかにもイギリスらしくていい感じでした。そして、イギリスの過去の歴史をたどる(らしい)ストーリーの中に、炭鉱労働者や婦人参政権活動家、いわゆる初期のフェミニスト達、を出してきたのは意外でした。王室、貴族、エリート、上流階級、セレブに目を向けず、耳の聞こえない子供たちに国歌を歌わせたり、全盲の女性パーカッショニストに演奏してもらったり、何よりNHS (ナショナル・ヘルス・サービス)の病院の看護婦さんと子供たちによるセッションもびっくりでした。世界中でだれがオリンピックの開会式で病気の子供たちとその世話をする看護婦さんたちに焦点をあてたストーリーを予想できたでしょうか?
もちろん、ミスタービーンも、ジェームズボンドが女王を宮殿に呼びにいって、一緒にヘリコプターで落下という寸劇も、面白かった。(でも、開会式のときの女王の表情は渋かったですね。もしも私に86歳のおばあちゃんがいて、夜中の12時に家から連れ出されて何が起こるかわからないエンターテインメントの現場に座らされても、きっとブツブツ言われたんじゃないか、とおもったりしました。年寄りって、夜更かしは体にこたえますものね。)
ところが、開会式後、カンブリアのホリデーに行ったとき、夕食の時間に相席した中年のカップル。私に「開会式をどうおもいましたか?」とご下問。
もちろん、私は即座に言いました。
「気に入りましたよ。 I liked it. 感動的でさえありましたワ。 It was even moving.]と。
するとその中年カップル。いや旦那は60になってたみたいだから、初老のカップル。
「あんな左翼の開会式は、いかがなものか。」と言うではありませんか。
左翼? レフティスト? Leftist?
そうくるか、と思いましたねえ。
人さまざまだ。さらにこのミセスが言うには、イギリスの中流階級(ミドルクラス)では、スポーツは馬とテニスしか価値を認められていない、と言うではありませんか。フットボールも、ラグビーも、ましてや女性ボクシングや重量挙げなど、紳士淑女のたしなむべきスポーツではない、という。なんと「お高く」とまった考え方であることよ、と思わずにはいられませんでした。 (どうせ、私は庶民。)
ところで、開会式は、やっぱり本当に感動ものだったと思うのですが、そのあと、いざフタを開けて見ると、なんとも興ざめ。テレビも新聞もみんな 「ティームGB」 のことばかり。日本選手の試合や結果がどうにも伝わってこない。もどかしかったです。
もっとも、オリンピックの競技の全日程表をちゃんと調べて、しかるべき参加、応援の態勢をとっていれば、これほど欲求不満にはならなかったかもしれません。勝手にロンドンオリンピック競技場からはるばる北の国へ離れ去ってホリデーなんぞをしながら、あのスポーツを見たい、この選手を見たい、というのが勝手すぎる、というものでしょうか。
(続く)
でも、実際はあまり記事が書けなかった。(トルコ子育てのミキさん、一度もオリンピックのこと、かいてないヨ !笑)
でもって、ここでは、極々私的(ごくごくしてき)なオリンピック雑感。
そもそもこれは、今から7年前の2005年7月2日から7月9日までシンガポールで行われた国際オリンピック委員会総会(第117次IOC総会)で決まったことなのでした。あのときの紅茶国の興奮っぷりは相当なものでした。みんなびっくりしてました。投票は4回行われて、最後に4票差でフランス(パリ)を抑えこんだのでした。
2012年夏季五輪開催地決定投票 — 投票結果
都市 国 (NOC) 1回目 - 2回目 - 3回目 - 4回目
ロンドン - イギリス - 22 - 27 - 39 - 54
パリ - フランス - 21 - 25 - 33 - 50
マドリード - スペイン - 20 - 32 - 31 - -
ニューヨーク - アメリカ - 19 - 16 - -
モスクワ - ロシア - 15 - - -
http://ja.wikipedia.org/wiki/第117次IOC総会(出典)
これってすごいドラマチックですよね。モスクワ、ニューヨーク、マドリード、パリ、という大都市とならんで、候補都市が一つずつ落とされていき、ニューヨークの16票のうち、12票がロンドンにまわり、最後の決選投票でスペインのマドリードの票が半分(15票)イギリスに回ったのが、決め手だったんですよね。
これについて、当時パリで、ECの保険調査機関で働いていた わが友人、ルイパパは、パリの落胆ぶりがすごくて、「気の毒で話しかけられないほどだった」と言ってたほどでした。
あれから7年。当事者でない、しかもノン・ブリティッシュな紅茶国住人としては、かなり勝手に知らん顔をしてきていました。というかホンネは「大丈夫か、イギリス、ちゃんとやれるのォ?」 というところでした。なんでもアバウト(いいかげん、またはオウヨウ)な国のことだから、チャイナのような国家的スケールのオリンピックの後では、何をするにしてもまねができないのでは、、、という感じでした。
今年の正月のタイムズ新聞で、今年注目すべき50人という特集がありました。もちろん英王室のメンバーも結婚だの即位記念だのでかなり高いランキングに入り込んでいました。50番目からはじまって、だんだん順位が上がっていき、一番注目されるべき人というところに、ダニ・ーボイルという名前がでていました。大きな写真とともに。(あの新聞をどこかに保存しておいたはずなのに、今、見つからなくて、残念。)
でもって、話はいきなり、オープニングセレモ二ーに飛びます。
開会式の前の日、ダニー・ボイルのインタビューがありました。「自分はそんなにナーバスになってない。実際に演技をするのは、ボランティアの出場者達なんだから、その人たちのほうがナーバスになってるだろうけど。」なんて言ってました。
だいたい「秘密主義」が功を奏した企画でしたネエ。もしも開会式の中味を事前に発表していたら、あれほどのインパクトはなかったでしょう。
開会式については、すでに一度記事を書きましたが、びっくりすることは多かったですねえ。式場のど真ん中に緑の牧場が出てきて、いかにもイギリスらしくていい感じでした。そして、イギリスの過去の歴史をたどる(らしい)ストーリーの中に、炭鉱労働者や婦人参政権活動家、いわゆる初期のフェミニスト達、を出してきたのは意外でした。王室、貴族、エリート、上流階級、セレブに目を向けず、耳の聞こえない子供たちに国歌を歌わせたり、全盲の女性パーカッショニストに演奏してもらったり、何よりNHS (ナショナル・ヘルス・サービス)の病院の看護婦さんと子供たちによるセッションもびっくりでした。世界中でだれがオリンピックの開会式で病気の子供たちとその世話をする看護婦さんたちに焦点をあてたストーリーを予想できたでしょうか?
もちろん、ミスタービーンも、ジェームズボンドが女王を宮殿に呼びにいって、一緒にヘリコプターで落下という寸劇も、面白かった。(でも、開会式のときの女王の表情は渋かったですね。もしも私に86歳のおばあちゃんがいて、夜中の12時に家から連れ出されて何が起こるかわからないエンターテインメントの現場に座らされても、きっとブツブツ言われたんじゃないか、とおもったりしました。年寄りって、夜更かしは体にこたえますものね。)
ところが、開会式後、カンブリアのホリデーに行ったとき、夕食の時間に相席した中年のカップル。私に「開会式をどうおもいましたか?」とご下問。
もちろん、私は即座に言いました。
「気に入りましたよ。 I liked it. 感動的でさえありましたワ。 It was even moving.]と。
するとその中年カップル。いや旦那は60になってたみたいだから、初老のカップル。
「あんな左翼の開会式は、いかがなものか。」と言うではありませんか。
左翼? レフティスト? Leftist?
そうくるか、と思いましたねえ。
人さまざまだ。さらにこのミセスが言うには、イギリスの中流階級(ミドルクラス)では、スポーツは馬とテニスしか価値を認められていない、と言うではありませんか。フットボールも、ラグビーも、ましてや女性ボクシングや重量挙げなど、紳士淑女のたしなむべきスポーツではない、という。なんと「お高く」とまった考え方であることよ、と思わずにはいられませんでした。 (
ところで、開会式は、やっぱり本当に感動ものだったと思うのですが、そのあと、いざフタを開けて見ると、なんとも興ざめ。テレビも新聞もみんな 「ティームGB」 のことばかり。日本選手の試合や結果がどうにも伝わってこない。もどかしかったです。
もっとも、オリンピックの競技の全日程表をちゃんと調べて、しかるべき参加、応援の態勢をとっていれば、これほど欲求不満にはならなかったかもしれません。勝手にロンドンオリンピック競技場からはるばる北の国へ離れ去ってホリデーなんぞをしながら、あのスポーツを見たい、この選手を見たい、というのが勝手すぎる、というものでしょうか。
(続く)
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konatum at 2012-08-24 16:25
良い開会式だと、 これまた庶民の小夏も思いましたよ。花弁の炎(表現、変?)も素晴らしいな~と思いましたし。
わが緑茶国の選手の事、ちっとも話題になっていませんでしたか。
それは残念ですねえ。
そういえば、こちらのテレビで話題になってましたけれど、メダルをとっても そちらのお国では、賞金無いらしいですねえ。
日本では金300万らしいのですが、それでも少ない!との意見が多かったのに。
そういえば、今日は、プリンスの話題で盛り上がっていたようでしたよ。
わが緑茶国の選手の事、ちっとも話題になっていませんでしたか。
それは残念ですねえ。
そういえば、こちらのテレビで話題になってましたけれど、メダルをとっても そちらのお国では、賞金無いらしいですねえ。
日本では金300万らしいのですが、それでも少ない!との意見が多かったのに。
そういえば、今日は、プリンスの話題で盛り上がっていたようでしたよ。
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agsmatters05 at 2012-08-25 21:21
小夏さん、話題が絶えない紅茶国ですね。
日本では、日本選手の試合は(夜中とか、明け方とかご不便はあったでしょうが)それも全部見ることができたんでしょうねえ。これからは、本当にテレビでなくて、インターネットでニュースを見るようになるでしょうね。
こちらのプリンス2号のスキャンダル、ほんとうに困ったものですね。そそのかす人と、かくれて写真を撮る人と、それで大もうけをする人と、ほとんど「マフィア?」がらみじゃないかとうたがいたくなりませんか。
日本では、日本選手の試合は(夜中とか、明け方とかご不便はあったでしょうが)それも全部見ることができたんでしょうねえ。これからは、本当にテレビでなくて、インターネットでニュースを見るようになるでしょうね。
こちらのプリンス2号のスキャンダル、ほんとうに困ったものですね。そそのかす人と、かくれて写真を撮る人と、それで大もうけをする人と、ほとんど「マフィア?」がらみじゃないかとうたがいたくなりませんか。
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at 2012-08-26 17:56
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ブログの持ち主だけに見える非公開コメントです。
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agsmatters05 at 2012-08-27 08:45
鍵コメさん、メッセージ拝見しました。ありがとうございました。いろいろお聞きしたいこともたくさんありますが、コメント欄はこちらからは鍵コメにできないので、またいつかお目にかかることができるときまで、待つことにします。残暑厳しい毎日とおもいます。お元気でおすごしくださいますように。
開会式、吃驚しながら、感動しながら
初めから終わりまでしっかり見させていただきました。英国の歴史を
分かりやすく語ってくれたように思います。その出演者の数の多さ!
後から知りました。あの式典に33億円かかったということを。
それなのに・・・閉会式は見てないです。ヤッパリすごかったのでしょうね!
今年は国を挙げての行事の多いお国ですね!活動的でいいなぁ~♪
こういった表現、まるで会ってないけど。経済的効果が多かったかと!
初めから終わりまでしっかり見させていただきました。英国の歴史を
分かりやすく語ってくれたように思います。その出演者の数の多さ!
後から知りました。あの式典に33億円かかったということを。
それなのに・・・閉会式は見てないです。ヤッパリすごかったのでしょうね!
今年は国を挙げての行事の多いお国ですね!活動的でいいなぁ~♪
こういった表現、まるで会ってないけど。経済的効果が多かったかと!
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agsmatters05 at 2012-09-07 03:13
marri さん、上のコメントいただいてたのに、お返事書いていませんでしたね。今、気がつきました。ごめんなさい。失礼をばお許しくださいね。marri さんとこも、行事の多い、忙しい夏でしたよね。ワタシントコも、なんやかんやで落ち着きませんでした。もう9月5日。学校(つとめ)が始まっちゃった。ためておいた写真や話題、せっせと放出しなくっちゃ。閉会式は、見たんですけど、ポップスにうとい世代に属するものには、十分楽しめたかどうか。。。わたし的にはまだ締めくくりの言葉を書いてないので、「わたしのオリンピック」は奥歯に物がはさまった感じです。
経済的効果? 直接入場券やお土産代での貢献はできませんでしたけど、なんやら出費の多い月(8月)でした。こういうの、オリンピック景気って言うんでしょうか。つられてみんなが財布の紐をゆるめだす、って。(笑)
経済的効果? 直接入場券やお土産代での貢献はできませんでしたけど、なんやら出費の多い月(8月)でした。こういうの、オリンピック景気って言うんでしょうか。つられてみんなが財布の紐をゆるめだす、って。(笑)
by agsmatters05
| 2012-08-23 19:52
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