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紅茶国C村の日々

ホットメール受難記(その4)

5月24日(木曜日)

重い課題を抱いて、学校へ出かけました。

いさんで真っ先にコンピューター室へ行ったけど、だれも人がいなくて、すごすごとスタッフルームに戻ってきました。そこで見かけた人、たしか彼はコンピューターの先生!! ミスターT.(ファーストネームを知らない。汗。)

T先生とは、2-3度話をしたことがありました。一度は、レクチャーシアター〈階段教室〉で。ジャパンクラブが「3丁目の夕日」を上映したとき、なぜか見に来ていた。二度目は、たしかスタッフルームで日本のお弁当箱に日本風のお弁当をつめて、お箸でお弁当を食べていた。わあ、日本のお弁当箱だぁーというと、日本へ帰国する友達からもらった、と。三度目は、学内で VLE〈ヴァーチャルラーニングエンバイロンメント)というウエブサイトの利用について、アンケートを送ってきて、それに返事をしたあと、VLEの使い方を教えてくれる、ということで授業のないときにラップトップで、教材などをアップロードする方法を手ほどきしてもらったのでした。でも、まだ ファーストネームを知らなかった。

溺れるものは藁をもつかむ。 T 先生を呼び止めて、聞いてみました。「ホットメールがハイジャックされちゃって、画面がアラビア語になっちゃったんです。どうやって変えたらいいか、先生分かります?」

T 先生は、比較的笑顔がこぼれやすい30代(?)の男の先生です。どうやら、たぶん、独身みたい。なぜかというと、今年の夏休み、2ヶ月日本に行く予定だと。友達に会いに行くって。ああ、あのお弁当箱をかれにプレゼントして、日本に帰国して行った女性友だちのところに行くのでしょうよ。こういうことはプライベートなことなので、話題の深入りは控えました。〈←慎み深い私。)あまりあからさまにこういう話題をだすもんじゃない、というのが、紅茶国での、そしてこの学校での、私のスタンスです。でも、T 先生のほうから、「ボクは今から日本語を習いたい。日本のエチケットも知りたい。友達のお父さんにも挨拶をしなくてはならないし」とオープンに話してくれたのです。「じゃ、その女友達の方とご婚約を?」と聞きたいところをグッと抑えて、なるべく、余計な会話を交わさないように、つとめました。でも私:「前に生徒が日本へホームステイに行ったとき、マナー集とか必要な語録とかをまとめたファイルがあるから、それを送ってあげましょうか」というと、「ぜひぜひ」というお返事でした。

とまあ、話が前後、脱線しましたが、とにかく職員室のコンピュータールームで隣り合って、コンピューターに向かってすわり、T先生は自分のふだん使ってないホットメールを開き、私は私でアラビア語になっているホットメールを開きました。

聞くところによると、T 先生は ホットメールアカウントを持ってはいるけれど、ふだんは使ってない。ほとんどジャンクメールばっかりだと。学校のオフィシャルなメールと、Gメールと、いくつかのイーメールを使い分けると、ホットメールまで手がまわらないとか。宣伝、広告のたぐいでしょうか、T 先生がホットメールを開いたとき、確か未開封イーメールが3000通以上とか、って出てきてました。

とにもかくにも、T 先生のおかげで、このトシになってはじめて、ホットメールの画面をどんな言語にも変えることが自分でできる、ということを知りました。

ホットメール受難記(その4)_e0010856_9194360.jpg
〈写真は本文と関係ありません。)

そうして日本語のホットメール画面に戻って、ミチ・YAA@ホットメールドットコムを開けて、まず第一に山梨の甥にメールを書きました。

電話のメッセージをありがとうございました。たいへん心配をかけてすみませんでした。私はスペイン(バルセロナ)にも行ってないし、「お金を送って」というメールもだしていません。私のホットメールのパスワードが盗まれて、勝手に私の名前で私のアドレスからみんなにメールを書かれてしまいました。今はパスワードを変えて、できる限りの対応をしています。どなたにも実害がないことを願っています。たいへんご迷惑をおかけしてしまいました。ご心配ありがとうございました。皆様によろしくお伝えください。ミチ

すると甥から、すぐに返事。
諸事情了解しました。恐らく、詐欺メールだろうと思っていましたが、いきさつがわかって良かったです。ところで、ness_messi@ヤフードットコムというアドレスがおばさんのメールにくっついて来ますが、怪しいものではないですか? 〈署名〉


ここではじめて前の夜の姪へのイーメールが勝手にアドレスを変更されていたことに思い至りました。

慎重に宛名を選んで、もう一度甥に、「今度はどうですか?」
すると5分もたたないうちに「まだついています」  と。

メールが全部ほかのアドレスにいってしまう。ほかのアドレスがくっついている。=  ファーミング Pharming 

引き続き T 先生を隣につかまえたまま、この 余計な、いやらしい 「ネスメッシーヤフウ」のアドレスをどうしようと、しばらくホットメール画面とにらめっこしました。

アカウントのプロフィールというところに入り、アカウント保有者の詳細をみてました。

そこで、ギョ、ギョ、ギョ、

私は、なんと生まれた年が1960年、住んでいる国は イエメン になっていたのでした。

他人のパスワードを盗めば こういうことができるのか、なるほど、(って感心してる場合じゃないですよね。)1960年生まれというのは、ちょっと若返ることができて、悪くないとはおもいましたけど〈苦笑〉、いまさらイエメン人にされても、ねえ・・・・。

隣の席の T 先生に聞きました。こういう偽のプロフィールって、どこの国でも勝手に選んで、アイデンティティーを変えることができるんでしょうか?

T 先生は、「どこの国でもでたらめの国名を入力することは、できるけど、あんまり詐欺師の得にならない。お金を騙し取るためには、現実の〈実際の〉国名を入力しておくほうが、便利なことが多い。だから、やっぱり、この犯罪はイエメンで行われたんじゃないかな」というコメントでした。イエメンが事実にせよ、架空にせよ、私にとってはビックリ仰天。どうりで、夕べ〈前の夜〉、新しいパスワードを使ってわがホットメールに入ったとき、出てきた画面がすっかりアラビア語だったわけが、今ここで判明。

私これまでに、タイ人、フィリピン人、中国人、韓国人などに間違われたことはあるけど、 イエメン人の偽アイデンティティをもらったのは、まったく寝耳に水でした。〈感慨深い。

でもって、ひととおり情報の詳細を元の自分自身の詳細に変更し、これでかなり本来の「ミチYAAアットマークドットコム」の所有者に近づいたと思い込んで、しまいました。←この段階でかなり気分が楽になってきた私。

このあと授業などで、アドレスを保存してある生徒たちに聞いてまわりました。「からの私のメールが届いてる? 詐欺メール、受け取ってない?」 と。 どうやら全員に送りつけたのではなさそう。 Help Needed のメールをもらってないという人も何人かいました。〈生徒ははずしたのかなあ???) とにかく、いっせいにお詫びメールを出すことの是非について、迷ってしまいました。←まだ事後処理が完全に終わってないと思っている私。

その夜、家に帰り、とりあえず、今日の御礼ということで、T 先生にメールを書きました。アラビア語から日本語に変えることができて感謝でいっぱいだということ。日本行きの参考になればということで、添付ファイル。それから、いちばん最初に フィッシング(Physhing) を働いて私のパスワードを聞いてきたメールのコピー、ほかの人がそういうメールに引っかからないように、とくに7年生、8年生、9年生〈12,13,14歳〉の子供たちがメールを使い始めてこういう詐欺に引っかからないように、という参考になればとおもって、T 先生にメールを送りました。

これが、実はまた次の日にわかったことですが、その夜 T 先生が私に返事を書いたとき、返事のあて先は、「ミチYAA@ホットメールドットコム」 ではなくて、なんと なおも、「ネスメッシー@ヤフウドットコム」になっていたのだと。 つまり、ついに、T 先生の返事を私は受け取ることができなかった、というわけです。

おそらく同じようにして、私にメールをくださった方がほかにもいらしたのだ、という気がします。その方々のメールは全部 「ネスメッシー@ヤフウドットコム」 へ行ってしまった!!!  なくしたメールの勿体なさ。取り返しのつかない虚しさ。そして、どうかどうか、もうこれ以上被害が大きくなりませんようにと、ひたすら願うのみなのでした。

ホットメール受難記(その4)_e0010856_9284718.jpg

Commented by 大崎繁子 at 2012-06-03 21:05 x
ミチさん!なんだか凄い事になっているんですね。
私はあまり、理解できていませんが。とにかくT先生は頼りになりますね。早く解決したいですね。
by agsmatters05 | 2012-06-02 17:54 | Comments(1)

紅茶国で(元)日本語教師(今もちょっとだけ)。身の回りのいろんなことを気ままにつづっていきます。日本語教育のほかに、イギリス風景、たまには映画や料理や本やニュースや旅や、家族のことなど。

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