2012年 03月 06日
2月28日(火曜日)泣く子もだまるオフステッド様(その一)
まず最初にお時間のある方は こちら のサイトを ごらんになってください、な。
「旬のイギリス」というブログで、上の記事は2006年2月28日に書かれたもの。(ワ、偶然、同じ日付けだ!)でも、このブログは残念ながら、2008年9月7日の記事で止まったまま。
ほかに、オフステッド について参考になるのは、 こちらでしょうか。
以前(2-3年前まで)は「いついつ訪問しますよ」というおおやけの予告があったのに、最近はこれがなくなって、いつ、突然、この査察官がやってくるのかわからない、ということになってきていました。
ちょっと話がそれますが、2週間ほど前の火曜日のこと。午前中の長い休み時間(20分間)はいつもスタッフ連絡集会(フォーラム)があるのですが、このときエル校長(男性、仮名)があるゲストを紹介しました。Bさんという初老の紳士。今から40年ぐらい前にこのG男子校で学んだ卒業生でした。かれがオフステッドの査察官(視学官)となって、今回は学校のあり方や、運営や、なにやらを実地研修するために2-3日この学校に滞在していろんなところを観察したり、研修したりさせてもらいたい、ということで来たのだとか。Bさんが自己紹介して、昔の在学中と今のこの学校がどんな風に変わったか、そしてあまり変わってないか、なつかしそうに話した後で、スピーチの最後に、「ここにいる間どうぞなんでも気軽に話しかけてください。どんなことでも聞いてください。ただし、ただ一つ、、いつ次の査察がこの学校に来るか、という質問にはお答えできませんからね、それだけは承知しておいてください。」といってスピーチを締めくくったので、一同大爆笑となったのでした。
そのくらい、オフステッド(さま)はコワイもので、いざ来ると分かったら、学校中、上を下への大さわぎになるのは、上のブログサイトにもあるとおり。(確か、過去にも一度正式な査察があって、このときのことは過去ログにも書いたはず。)
それからまもなく、Bさんがいなくなって1週間もたたないうちに、それは先週の木曜日のことでした。朝の1時間目の授業のあと、私は昼休みの1時半まで自由時間なので、スタッフルーム横のPC室でPC相手にメールや採点をしていました。すると隣のPCにやってきて、席に座った言語学科のラボ・アシスタント、フランス人のマダムVが「ミチ、知ってる?オフステッドが来るんだって、来週に。フランス語もスペイン語もドイツ語も、おおあわてで準備はじめてるわよ。」
えええ?ほんと?きゃあ、困るううう。私、教案(指導餡 ←ハハハ、案という字が出てこない。正しくは指導案。最近使ったのは餡という字だから :D 。) 出してないもん。どうしよう・・・。
と、マダムVには言いませんでしたが、そのあとすぐ事務室に行き、学校備え付けの教案書き込み用紙をちょっとまとめてもらってきました。そもそもレッスンプランというのは、原則として、届け出ておくべきものなのですが、毎回の授業を1年分、全科目の全教員から集めたらものすごい分量になるので、出せといわれるまでは出さないのが実状。もちろん、授業参観とか、勤務評定 (これは、別の言葉で言えば、パフォーマンス・マネジメントといって、直接の上司と毎年仕事の成果や課題や次の目標などを話し合って、上司の評価で給料にも影響がある、というもの。)の時には、この教案を作って提出するのですが。
そのあと、金、土の週末に、キャ先生からメールがあり、翌週の火、水(28,29)の二日間、インスペクター(視学官)の査察が入ることが伝えられました。なんと今回のインスペクションは MFL(モダン フォリン ラングエッジ)つまり言語学部だけを対象におこなわれるのだそうです。どうやら視学官は一人で、女性で、エレーヌさんとか言う名前のひとらしいです。なにしろ常日ごろ英国全体の学校を見て回っている人ですから、点検箇所(チェックポイント)はしっかりとマスターしている人にちがいありません。女性といって安心するなかれ、プロはプロなのですから、インスペクター(視学官)というのは、本当に怖いものなのです。水戸の黄門様のようなものでしょう。その査察の結果によって、学校が(今回は言語学科だけですが)格付けされて、全国的にどの水準にある学校か、すぐに全国に知れ渡ることになるのですから。
この週末、キャ先生からの2度目のメールがきて、このインスペクターの二日間の行動予定がわかりました。それによると、ミチの授業が関係するのは、火曜日の4時間目(のみ)。13年生の授業の前半30分、イタリア語と半分わけのオブザベーション(授業観察)だと。なにしろ言語学科といっても、7年生から13年生までの7学年(1学年は180人、6クラス)が、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ラテン語を勉強し、一クラスは必修科目なら30人と、生徒の数も多く、教員数も多いわけです。イタリア語と日本語だけが、12,13年生(高校にあたる)の選択科目にはいっていて、少人数の授業もあり、なのでした。
この知らせは、本当にありがたい知らせでした。かなりホットできました。
この週末は、頭のかたすみで、授業の内容と進め方をどうしようとおもいめぐらせ続けたことでした。というとちょっと大げさですが、とにかく、2月28日火曜日、4時間目の日本語のレッスンは、心引き締めて特別念入りに準備した授業をしないといけない。日ごろから全てのクラスにこういう意気込みで望むべきなのでしょうが、ついつい、そこは、手抜きとなりがちで・・・・
(さてまた余談)日本語教師ミチの最大の弱点(それはひっくり返せば強みにもなるのですが)は、1年間の授業計画をしっかりと文書で作成したものがないことなのです。大まかな進め方が頭の中にあって、あとは生徒の反応を見ながら臨機応変、フィーリングで授業を進めていく、というやり方。(悪く言えば、いきあたりばったり。) もちろん、ターゲット(目標)はGCSEという日本語の試験を生徒に受けさせることですから、その試験レベルに生徒を引き上げなければならないので、全ては「時間との闘い」なのですが、それを2年間(1年間の授業回数は、55回~85回、学年によってちがう。)で全部教え込むというのは、たいへんなことです。まったく日本語の「に」の字も知らない白紙の状態から始まって、ひらがな、カタカナを覚えるのも最初の1ヶ月ぐらいはかかります。そのあと、「こそあど」、「です、ではありません、でした」、「あります、います」、形容詞(ない、なくない、なかった)、動詞の変化形、(いく、いきます、いってください、いきました、いった)、そして英語にない「て、に、を、は、へ、で、は、が、の、から、まで、だけ、しか、も・・・」(助詞)。これらに加えて漢字200字。そしてなにより大事な語彙(ボキャブラリー、約2000語はあるでしょうか?数えたことない。トロさん、サソさん、誰か、日本語の先生、ここフォローしてくださーい。←って書いても、いそがしくて、ヒトのブログなんか読んでるヒマないですよね、紅茶国の日本語教師は本当にたいへんなんですよね。ブログなんか書いてる暇ない、ってサソさんからしかられちゃった。)
なんとか、焦点を定めて、パワーポイントファイルを作り、教案も下書きを1-2度して、28日火曜日の早朝に清書して、30分の「晴れ舞台」(!?)にそなえました。
この時間の13年生のクラスは、ふだんは生徒3人。とてもいい学生たちで、3人とも立派な青年です。日本語は3年目。一人はすでに天下の名門「ケンブリッジ大学」から合格内定をもらっているほど。この時間の授業が査察の対象になって、本当にラッキーでした。正直言って、11年生のクラスだったら、本当に苦しんだことでしょうから。あの子らは、何を教えても、あたらしく何かを学ぶことを拒否する方法を考え出したがる子達なので・・・・。
ーーーー
ワタクシ的には、この日作った発表用のファイルが ブルーの地で、色よくできたのでちょっと気をよくして授業をすることができたのでした。
週明けの月曜日。エル校長と、リラ副校長から、言語科教員全員にメールが送信されました。
それによると、視察の項目は次の4っつだったのだそうです。
そのどれもすべて、一番トップの評価だったそうで。
outstanding(抜群、特優), good(良し、良好), satisfactory(まずまず及第、OK), bad(悪い)
Outstanding をもらうということは、ほんとうにむずかしいです。キャ先生がミチの授業観察をしたとき、私は一度もOutstanding (抜群) をもらったことはありません。かなりいい授業ができたと思っても、せいぜい Good です。Outstanding というのは とにかく人に感銘を与えるほどに、文句なしにずば抜けて優れていないともらえない評価なのです。
でもこれはまだコンフィデンシャル(内密に)ということでした。来週、正式の文書がきたら、新聞に発表するのだそうです。そして、火曜日の放課後、関係者、語学関係の先生たちがあつまって打ち上げ会だとか。
でもって、ここまで書いてきて、その日使った PPT(パワープレゼンテーションファイル)の画面をここに載せてみたくなってしまいました。よって、長くなりますので、ここまでをその一、続きはその二に載せますね。
「旬のイギリス」というブログで、上の記事は2006年2月28日に書かれたもの。(ワ、偶然、同じ日付けだ!)でも、このブログは残念ながら、2008年9月7日の記事で止まったまま。
ほかに、オフステッド について参考になるのは、 こちらでしょうか。
16号(2007年7月)掲載 - OFSTEDは,1992年に設立されたイギリスの第三者による学校評価機関のことで,「教育水準監査院」と訳す。英語でOffice For Standards in Educationの頭文字をとった名称である。弁護士,会計士,教職経験者,学識経験者などで構成する視学官(Inspector)が,通常四人でチームを組んで学校を訪問し,学校評価を行う。その上で公教育の成果と質を高めるための報告とアドバイスを行う。必要があると認められるときには一定の教育予算を投入することもある。
以前(2-3年前まで)は「いついつ訪問しますよ」というおおやけの予告があったのに、最近はこれがなくなって、いつ、突然、この査察官がやってくるのかわからない、ということになってきていました。
ちょっと話がそれますが、2週間ほど前の火曜日のこと。午前中の長い休み時間(20分間)はいつもスタッフ連絡集会(フォーラム)があるのですが、このときエル校長(男性、仮名)があるゲストを紹介しました。Bさんという初老の紳士。今から40年ぐらい前にこのG男子校で学んだ卒業生でした。かれがオフステッドの査察官(視学官)となって、今回は学校のあり方や、運営や、なにやらを実地研修するために2-3日この学校に滞在していろんなところを観察したり、研修したりさせてもらいたい、ということで来たのだとか。Bさんが自己紹介して、昔の在学中と今のこの学校がどんな風に変わったか、そしてあまり変わってないか、なつかしそうに話した後で、スピーチの最後に、「ここにいる間どうぞなんでも気軽に話しかけてください。どんなことでも聞いてください。ただし、ただ一つ、、いつ次の査察がこの学校に来るか、という質問にはお答えできませんからね、それだけは承知しておいてください。」といってスピーチを締めくくったので、一同大爆笑となったのでした。
そのくらい、オフステッド(さま)はコワイもので、いざ来ると分かったら、学校中、上を下への大さわぎになるのは、上のブログサイトにもあるとおり。(確か、過去にも一度正式な査察があって、このときのことは過去ログにも書いたはず。)
それからまもなく、Bさんがいなくなって1週間もたたないうちに、それは先週の木曜日のことでした。朝の1時間目の授業のあと、私は昼休みの1時半まで自由時間なので、スタッフルーム横のPC室でPC相手にメールや採点をしていました。すると隣のPCにやってきて、席に座った言語学科のラボ・アシスタント、フランス人のマダムVが「ミチ、知ってる?オフステッドが来るんだって、来週に。フランス語もスペイン語もドイツ語も、おおあわてで準備はじめてるわよ。」
えええ?ほんと?きゃあ、困るううう。私、教案(指導餡 ←ハハハ、案という字が出てこない。正しくは指導案。最近使ったのは餡という字だから :D 。) 出してないもん。どうしよう・・・。
と、マダムVには言いませんでしたが、そのあとすぐ事務室に行き、学校備え付けの教案書き込み用紙をちょっとまとめてもらってきました。そもそもレッスンプランというのは、原則として、届け出ておくべきものなのですが、毎回の授業を1年分、全科目の全教員から集めたらものすごい分量になるので、出せといわれるまでは出さないのが実状。もちろん、授業参観とか、勤務評定 (これは、別の言葉で言えば、パフォーマンス・マネジメントといって、直接の上司と毎年仕事の成果や課題や次の目標などを話し合って、上司の評価で給料にも影響がある、というもの。)の時には、この教案を作って提出するのですが。
そのあと、金、土の週末に、キャ先生からメールがあり、翌週の火、水(28,29)の二日間、インスペクター(視学官)の査察が入ることが伝えられました。なんと今回のインスペクションは MFL(モダン フォリン ラングエッジ)つまり言語学部だけを対象におこなわれるのだそうです。どうやら視学官は一人で、女性で、エレーヌさんとか言う名前のひとらしいです。なにしろ常日ごろ英国全体の学校を見て回っている人ですから、点検箇所(チェックポイント)はしっかりとマスターしている人にちがいありません。女性といって安心するなかれ、プロはプロなのですから、インスペクター(視学官)というのは、本当に怖いものなのです。水戸の黄門様のようなものでしょう。その査察の結果によって、学校が(今回は言語学科だけですが)格付けされて、全国的にどの水準にある学校か、すぐに全国に知れ渡ることになるのですから。
この週末、キャ先生からの2度目のメールがきて、このインスペクターの二日間の行動予定がわかりました。それによると、ミチの授業が関係するのは、火曜日の4時間目(のみ)。13年生の授業の前半30分、イタリア語と半分わけのオブザベーション(授業観察)だと。なにしろ言語学科といっても、7年生から13年生までの7学年(1学年は180人、6クラス)が、フランス語、ドイツ語、スペイン語、ラテン語を勉強し、一クラスは必修科目なら30人と、生徒の数も多く、教員数も多いわけです。イタリア語と日本語だけが、12,13年生(高校にあたる)の選択科目にはいっていて、少人数の授業もあり、なのでした。
この知らせは、本当にありがたい知らせでした。かなりホットできました。
この週末は、頭のかたすみで、授業の内容と進め方をどうしようとおもいめぐらせ続けたことでした。というとちょっと大げさですが、とにかく、2月28日火曜日、4時間目の日本語のレッスンは、心引き締めて特別念入りに準備した授業をしないといけない。日ごろから全てのクラスにこういう意気込みで望むべきなのでしょうが、ついつい、そこは、手抜きとなりがちで・・・・
(さてまた余談)日本語教師ミチの最大の弱点(それはひっくり返せば強みにもなるのですが)は、1年間の授業計画をしっかりと文書で作成したものがないことなのです。大まかな進め方が頭の中にあって、あとは生徒の反応を見ながら臨機応変、フィーリングで授業を進めていく、というやり方。(悪く言えば、いきあたりばったり。) もちろん、ターゲット(目標)はGCSEという日本語の試験を生徒に受けさせることですから、その試験レベルに生徒を引き上げなければならないので、全ては「時間との闘い」なのですが、それを2年間(1年間の授業回数は、55回~85回、学年によってちがう。)で全部教え込むというのは、たいへんなことです。まったく日本語の「に」の字も知らない白紙の状態から始まって、ひらがな、カタカナを覚えるのも最初の1ヶ月ぐらいはかかります。そのあと、「こそあど」、「です、ではありません、でした」、「あります、います」、形容詞(ない、なくない、なかった)、動詞の変化形、(いく、いきます、いってください、いきました、いった)、そして英語にない「て、に、を、は、へ、で、は、が、の、から、まで、だけ、しか、も・・・」(助詞)。これらに加えて漢字200字。そしてなにより大事な語彙(ボキャブラリー、約2000語はあるでしょうか?数えたことない。トロさん、サソさん、誰か、日本語の先生、ここフォローしてくださーい。←って書いても、いそがしくて、ヒトのブログなんか読んでるヒマないですよね、紅茶国の日本語教師は本当にたいへんなんですよね。ブログなんか書いてる暇ない、ってサソさんからしかられちゃった。)
なんとか、焦点を定めて、パワーポイントファイルを作り、教案も下書きを1-2度して、28日火曜日の早朝に清書して、30分の「晴れ舞台」(!?)にそなえました。
この時間の13年生のクラスは、ふだんは生徒3人。とてもいい学生たちで、3人とも立派な青年です。日本語は3年目。一人はすでに天下の名門「ケンブリッジ大学」から合格内定をもらっているほど。この時間の授業が査察の対象になって、本当にラッキーでした。正直言って、11年生のクラスだったら、本当に苦しんだことでしょうから。あの子らは、何を教えても、あたらしく何かを学ぶことを拒否する方法を考え出したがる子達なので・・・・。
ーーーー
ワタクシ的には、この日作った発表用のファイルが ブルーの地で、色よくできたのでちょっと気をよくして授業をすることができたのでした。
週明けの月曜日。エル校長と、リラ副校長から、言語科教員全員にメールが送信されました。
それによると、視察の項目は次の4っつだったのだそうです。
Achievement (成績) ーこれは、主にGCSEやAレベルなどの国家試験の成績A,A*などの割合(80%がAとか)
Teaching (指導) - 教えかた、
Curriculum (カリキュラム) - どんな科目を何時間、どういう時間割で?(紅茶国の学校のカリキュラムは各学校ごとに作るものだからです。開講科目も、受講人数も、開講時間も、各学校次第だからです。)
Leadership (リーダーシップ) - 校長から始まって、その部下、言語学科のヘッド、その下で働く平の教員達。逆に言えば、一人一人の教員をまとめる上司、その上司をまとめるその上の上司、というように、学校中の指令系統がうまく機能しているかどうか、というようなことではないかとおもうのですが・・・。
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Overall
そのどれもすべて、一番トップの評価だったそうで。
outstanding(抜群、特優), good(良し、良好), satisfactory(まずまず及第、OK), bad(悪い)
Outstanding をもらうということは、ほんとうにむずかしいです。キャ先生がミチの授業観察をしたとき、私は一度もOutstanding (抜群) をもらったことはありません。かなりいい授業ができたと思っても、せいぜい Good です。Outstanding というのは とにかく人に感銘を与えるほどに、文句なしにずば抜けて優れていないともらえない評価なのです。
でもこれはまだコンフィデンシャル(内密に)ということでした。来週、正式の文書がきたら、新聞に発表するのだそうです。そして、火曜日の放課後、関係者、語学関係の先生たちがあつまって打ち上げ会だとか。
でもって、ここまで書いてきて、その日使った PPT(パワープレゼンテーションファイル)の画面をここに載せてみたくなってしまいました。よって、長くなりますので、ここまでをその一、続きはその二に載せますね。
by agsmatters05
| 2012-03-06 10:44
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