2011年 08月 10日
カンブリアン・ホリデー(その四)

とまあ、かなり 思索に満ちた日々を過ごしたようなことを書きましたが、実は、今年も、去年も、おととしも、山を歩きながらいつも同じことを考えていました。それは:

日本の友達、家族、親戚、ブログ友、知り合い、イギリスのカンブリアで山歩きをしてみたい人、山の景色を見たい人、とにかく誰でも、誰かを、ここに連れてきてこの景色を見せてあげたい、ということでした。

そうはいっても、招待するほどの力がない私のこと、精一杯ガイドを勤めさせていただきますから、ぜひレイク・ディストリクトにきませんか、と。別の言葉でいうと、わたし湖水地方ツアーコンダクターになろうかな、、、、

そこで計算、開始。 --- とにかく、日本からヒースローまでの飛行機切符は本人にかってもらわないといけません。今頃だったら、いくらぐらいなのでしょうか。仕事がオフになる人、飛行機の空席切符を調べてみてください。ヒースローまで迎えに行きます。それから、湖水地方まで、マイシルバー・オンボロ・トヨカロちゃんで。301マイル(=482キロ)、もっともC村からヒースローまでが45.6マイル=73キロ、約1時間です。合計、550キロ、ガソリン代は おおよそ65ポンド(130円として、8500円)、仮に1万円とみても、二人、三人、四人となればそれを2,3,4で割ればいいから、ずいぶん安くなる。

B&Bは およそ一泊30ポンド(3900円)もちろん朝食付きです。ただし、4-5人以上のグループで、長期滞在するとなったら、一人分ずつの部屋代を払うB&Bよりも、ホリデーコッテージ、つまり家を丸ごと借りるほうがずっと安上がり。でも、その場合は、朝食、昼食、夜食をみんなでお金を出し合って、材料調達して、みんなで作る。これだとずっと安くなるはずです。電気釜ならC村の5合炊きをもっていけばいいし、、、とか。その際は、重い重い変圧器を忘れないようにしなければ、とか。

そういうことを考えているうちに、当然、翌朝みんなで山登りをはじめる様子まで考え始めてしまいました。一応、天気と、メンバーの調子を考えて、どの山のどのコースにするかを決める。それはいいとしても、うーん、メンバーのみんなにあらかじめ言っておかなければならないことがあるのです。それは何かというと、このカンブリア地方の山歩きで、気をつけなければいけないことの一つ、それは実は、トイレなのです。

だだっ広い山並みなので、とてもとても、トイレする場所が近くにないのです。ああ、でもそれで山登りはできないなんて、思わないでくださいね。だいじょうぶ、何とかなりますよ。そういう不便さをのりこえて、山の頂きに立つ至福の気持ちを、だれかと分かち合いたい、

とまあ、そういうことでした。さしあたって、そこのあなた(あなたって、誰よ、てなもんですが。 (ベジダイニング、ブログ作者、izumimirinさんの口癖を拝借しました。(笑)、あなたは、どこから、はじめますか?貯金?足腰を鍛える?仕事を休める日を数える?そうだ、パスポート、まだの人は、まずパスポートをとってもらわなければなりません。
かなり、本気でこういうことを考えながら歩いてました。
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草枕
夏目漱石
+目次
一
山路(やまみち)を登りながら、こう考えた。
智(ち)に働けば角(かど)が立つ。情(じょう)に棹(さお)させば流される。意地を通(とお)せば窮屈(きゅうくつ)だ。とかくに人の世は住みにくい。
住みにくさが高(こう)じると、安い所へ引き越したくなる。どこへ越しても住みにくいと悟(さと)った時、詩が生れて、画(え)が出来る。
人の世を作ったものは神でもなければ鬼でもない。やはり向う三軒両隣(りょうどな)りにちらちらするただの人である。ただの人が作った人の世が住みにくいからとて、越す国はあるまい。あれば人でなしの国へ行くばかりだ。人でなしの国は人の世よりもなお住みにくかろう。
越す事のならぬ世が住みにくければ、住みにくい所をどれほどか、寛容(くつろげ)て、束(つか)の間(ま)の命を、束の間でも住みよくせねばならぬ。ここに詩人という天職が出来て、ここに画家という使命が降(くだ)る。あらゆる芸術の士は人の世を長閑(のどか)にし、人の心を豊かにするが故(ゆえ)に尊(たっ)とい。
住みにくき世から、住みにくき煩(わずら)いを引き抜いて、ありがたい世界をまのあたりに写すのが詩である、画(え)である。あるは音楽と彫刻である。こまかに云(い)えば写さないでもよい。ただまのあたりに見れば、そこに詩も生き、歌も湧(わ)く。着想を紙に落さぬとも※(「王+膠のつくり」、第3水準1-88-22)鏘(きゅうそう)の音(おん)は胸裏(きょうり)に起(おこ)る。丹青(たんせい)は画架(がか)に向って塗抹(とまつ)せんでも五彩(ごさい)の絢爛(けんらん)は自(おのず)から心眼(しんがん)に映る。ただおのが住む世を、かく観(かん)じ得て、霊台方寸(れいだいほうすん)のカメラに澆季溷濁(ぎょうきこんだく)の俗界を清くうららかに収め得(う)れば足(た)る。この故に無声(むせい)の詩人には一句なく、無色(むしょく)の画家には尺※(「糸+賺のつくり」、第3水準1-90-17)(せっけん)なきも、かく人世(じんせい)を観じ得るの点において、かく煩悩(ぼんのう)を解脱(げだつ)するの点において、かく清浄界(しょうじょうかい)に出入(しゅつにゅう)し得るの点において、またこの不同不二(ふどうふじ)の乾坤(けんこん)を建立(こんりゅう)し得るの点において、我利私慾(がりしよく)の覊絆(きはん)を掃蕩(そうとう)するの点において、――千金(せんきん)の子よりも、万乗(ばんじょう)の君よりも、あらゆる俗界の寵児(ちょうじ)よりも幸福である。
世に住むこと二十年にして、住むに甲斐(かい)ある世と知った。二十五年にして明暗は表裏(ひょうり)のごとく、日のあたる所にはきっと影がさすと悟った。三十の今日(こんにち)はこう思うている。――喜びの深きとき憂(うれい)いよいよ深く、楽(たのし)みの大いなるほど苦しみも大きい。これを切り放そうとすると身が持てぬ。片(かた)づけようとすれば世が立たぬ。金は大事だ、大事なものが殖(ふ)えれば寝(ね)る間(ま)も心配だろう。恋はうれしい、嬉しい恋が積もれば、恋をせぬ昔がかえって恋しかろ。閣僚の肩は数百万人の足を支(ささ)えている。背中(せなか)には重い天下がおぶさっている。うまい物も食わねば惜しい。少し食えば飽(あ)き足(た)らぬ。存分食えばあとが不愉快だ。……
未来の素敵なホリデーのためにも修士論文と、私にとっては少ーしストレスフルな日本社会で頑張ってみます、なんて。
コメントありがとうございました。イギリス滞在の日数が限られてきているのでしょうか。「散歩道」などのブログ記事、興味深く拝見させていただいています。コメントできませんでしたが、「お気に入り」からしょっちゅうのぞかせてもらっています。ぜひ、いつの日か湖水地方の山も妹さんといっしょに体験できる機会がu さんに訪れますように祈っています。
こういった書き方、お話をこれまで毎年待っていたのです。
訳もなく、しぃ~んと、数日経って。それからポツポツ・・・ほんの数枚
湖水地方の写真が載ったりして。ところが、今回は!
なんとまぁ~、写真の素晴しいこと。しかも風景も、スケジュールも共有してくださってる。
事を追って事細かくお話してくださるなんて。まるで私の心を見すかして居るかのような!
でも、時間が無い。夏のこの時期で掛けられない。これまでの16年間は無理だった。
でも、来年当たりは考えを変えようかな?あ・いえ・・・やっぱり!
まぁ、しっかり貴方のお話聞かせてもらいましょうっと!
遠いし、ばかでかいから、どうしても移動に時間がかかります。行きたいところはいっぱいあっても、そのなかの一つ、二つ、三つ、と、ごくごく絞って予定をたてないと、でしょう。ま、いつの日か実現できる夢というより、プランということで・・・・


