2011年 07月 12日
亜蘭くん(3)
その日、亜蘭くんとお父さんは、ロンドンの叔母さんの家に行ったのだそうです。亡くなったお母さんを偲ぶための命日に、お呼ばれしたとか。
とまあ、これは、7月に入ってから、G校のメイトロン(養護)を担当しているヘイゼルさんに、教えてもらったことです。「あのう、教えていただけますか?こういうことを聞いてもいいですか? Am I allowed to ask about J・・・・・・・」と丁寧にお尋ねしました。廊下での立ち話でしたけどー。興味本位でゴシップトークをしたがっているのではないということ、好奇心からの質問ではないことを証明するのは、こういうとき、とてもむずかしいです。事情を詳しく尋ねても、私に何かができるかどうか不明だからです。プライバシーの観念の違う異国(紅茶国)で、こういうことを知ろうとするのは、ほんとうに要注意。でも、ヘイゼルさんは、なんのこだわりもなく、知っていることを一通り話してくれました。
夜、亜蘭くんは一足先に、自宅に帰ったのだそうです。ロンドンから、A市の駅までは1時間以上かかるのですが・・・。お父さんは、なにしろ、お母さん(つまり、妻)亡き後、生業につくことができず、ほとんどショック状態を引きずって、毎日お酒を飲み続けては無為の日を送っている、と言われていました。これは、去年、亜蘭くんが弁論大会に参加するための準備中にもすでにヘイゼルさんから聞いていました。父親が立ち直れなくて、亜蘭くんの学校での出来事や態度についても亜蘭くんに手紙をもたせて親に伝えることはできない、のでした。
お父さんは、亡くなった妻の妹(シスター)の家で、遅くなるまで飲み続けていたようです。そして、帰りの電車で、乗り換えのとき、よっばらっていたので、足を踏み外してしまい、電車にはさまれたのか、引きずられたのか・・・
このあと数日後、スタッフルームでキャロライン先生を見かけたので、あらためて、亜蘭くんのことを教えてもらいました。叔母さんなど親戚と、ソーシアルワーカーと、学校の責任者たちとのあいだで会合が開かれたこと。そして、本人の希望で、できるだけ今のままの状態を続けたい、今までどおり学校に通う生活を続けたいとのことなので、週の5日間は学校の近くのある家庭にお世話になり、週末や休みのときは、ロンドンの叔母さんの家にいくことに決まったとか。そして、亜蘭くんを引き取って、週5日、世話をしてくれることになったのは、去年、亜蘭くんがスピーチのレコーディングをするときに、場所を提供してくださり、弁論大会の当日も大使館に来て応援してくださったあのアリスンさんだって。
本当にいい方達に恵まれて、よかった。キャロライン先生も、そういってました。叔母さんという人もとてもいい人 very nice で、、、とも、キャロライン先生は言っていました。A市にある家は、14歳の子どもは一人では住めない(法律上)ので、18歳になったら、その家は亜蘭くんのものになるのだそうです。
ここまでしか、今のところ事情はわからないのです。このあと、一度だけ、授業中の亜蘭くんをある教室で見かけたことがあり、ヤア先生、あら、亜蘭くん、ハーイ、元気?と声を掛け合うだけですれ違ってしまいました。この続きは、おそらく、9月の新学期後、亜蘭くんが11年生になって学校にもどってきたときになにか様子が分かったら、また書きたいと思います。

日本語の好きなアラン君のために何かできることはないかな~~
でも、そのような方々のお蔭で、今まで通りの生活が出来る事恵まれていますね。
男性は立ち直りが出来ませんね。このように酒びたりになったり職場放棄したり。
その点母親は一人でしっかり子育てをしていくようです。女は強し!
でも、お父様寂しかったのでしょうね。今頃は愛する人とめぐり合えて良かったかも!私はそのように考えるのよ。
アラン君に幸多かれと祈っています。
亜蘭くんのこと、ありがとうございます。みんなから祈られて、守ってもらっていることが彼を支えているのでは、と思います。友達も少なくはないようです。ちょっと気になる友達グループではありますが・・・(シー、これも内緒。)
如何にも沈んでいたり、助けを求めていたりする子だと、教師としても色々手助けしやすいのですが、表面明るくしている子だと、妙にアドバイスしたりすると反発をかったりしかねないので難しいですね。こちらの人は"patronising"というのを非常に嫌うし。でも機会があれば、「君は私にとって特別な生徒だ、滅多にない才能がある、それを無駄して欲しくない」と言ってあげたい気がします。男の子は照れるから表面に出さなくても、そうした一言をいつまでも覚えていて、励みになると思います。 Yoshi
(遅くなりました。先日コメントを書いたつもりが、上手く入らなかったようで、再投稿です。)
本当に痛ましいことですよね。表面的にふるまっている亜蘭くんと、心の奥底で考えていることとは、必ずしも一致しないでしょう、しね。才能がないわけではないと思う気持ちが本人にプラスになっているかどうかも分からない。やさしい性格なのですが、本当の苦難を感じたときにどう立ち向かえるか。やはり周囲の大人が見守ってやるよりほかないですよね。叔母さんというかたがとてもいい方で、とキャロライン先生が言っていたことが、いまのところ救われる感じです。


