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紅茶国C村の日々

ロレンちゃんのスピーチ(その六)

そろそろ、このお話も終わりに近づいてます、じゃなくて、終わりにしたくなりました。(笑)

なんだかんだで、当日、電車に乗っておのぼりさんをしてきました。マリルボーンという駅に近づくと、壁の落書きがいっぱい。読めないのですが、これが異国的じゃなくて、いかにもロンドンらしいところ。つまり多文化社会の典型だから、なんでしょうね。

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地下鉄を一回乗り換えて、グリーンパークに到着。
大使館と、罰金ガムおっと、バッキンガムパレスの間には、みごとなグリーン(緑)の公園が。

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こういう通りに面した鉄のベンチに5人の生徒達と一緒に並んでこしかけて、持参したランチをたべました。
だいたい12時半ごろでした。この、お弁当というのが、てんでんばらばら。サンドイッチの子もいれば、テスコで買ったお寿司パックの子もいるし、りんごとばななとチョコレートバーのおやつだけの子も。

このとき私の弁当は田舎風肉まん(自家製)でしたが、みんなで分けて食べようと思って差し出したチェリー。洗って、ビニール袋に入れて、そっと、隣のカレンちゃんに渡しました。ところがどっこい、隣から隣へ手渡すものの、誰一人、これをいただきますといって食べる人がいなかった!!!ある子は、今サンドイッチを食べたばかりだから、と言い訳けし、ある子はチェリーは食べにくいと言い・・・

結局このさくらんぼはそのまま持ち帰りとなってしまったのでした。うーん、人に食べさせるのって、むずかしい。好意なんて全然通じない。

そのうちに雨がちらほら。去年はこの同じ場所で、最後の最後まで亜蘭君のスピーチで躍起になっていたのを思い出していました。

目の前の公園を突き抜けると、あのウイル(ス)とケイト(今ではケンブリッジ公爵、と公爵夫人)が瞬間的にキッスを二回したバルコニーのある、あの宮殿がある場所です。

歩いてみる?とみんなに聞くと、 Why not? いいじゃない、っていうようなノリで、6人で公園を横切って歩いてみました。反対側は、こんな(↓)感じでした。
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そしてもう一枚。
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そして、この公園を抜けたら、

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ちょうど衛兵交代の時間でした。
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お弁当を食べていたときにポツリポツリと空から落ちてくるものがあったのに、あれはにわか雨だったのでしょう。つかの間の晴れ間もあって、紅茶の国の王室は、「観光産業」の大事な、大事な資源なのですよね。

そしてちょっと急いでまたグリーンパークを突っ切って、ピカデリー通りへもどりました。ジャッカン一名、メンバーの中でパスポートを持ってこなかった人がいたのが、次の心配事でした。

サムちゃん(女生徒)は、この夏休みに、青少年活動団体ワールドチャレンジというプログラムでモンゴルに行くことになっていて、パスポートを送ったので、手元にない。11年生なので、自動車免許もない。写真入のID(身分証明書)といっても、2-3年前の違う顔をしたふるいIDしかない。というわけで、もうこうなったら当たって砕けろ、正直に事情を話して、中に入れてもらうよりほかないじゃん、と覚悟を決めました。お母さんの、トリップ承諾書と、学校のプラナー(あゆみ)と、リディア先生に最終的に送った引率者リストを書いたメールのコピーを見せて、入り口で何とか入館をゆるしてもらうことにしました。

結果的には、案ずるより産むが安し。二言三言の説明で、OKをくれましたので、ホ。

持ち物を全部レントゲンにかけて厳重なカメラチェックを受けたあと、全員中に入ったのは1時をすこしまわった頃でした。そこで、ロレンちゃんご一家とご対面。みんなでそろって階段を上がリ、スピーチの会場に行きました。

大使館内はもちろん撮影禁止です。

1時半、いろいろなフォーマリティー、儀礼的な挨拶、紹介、写真撮影と、ちょっと堅苦しげな雰囲気ではじまりますが、司会のアン先生(日本語の先生)がとても上手に進行されるので、どんどん時間がすぎていきました。

キーステージ3の6人、キーステージ4の6人。そして、この日、プログラムをもらって最初にビックリしたこと、ロレンちゃんと前もって二人で予想していたことが大はずれの出来事がありました。

去年、亜蘭君は、A学校で、名前(苗字)もアランだったので、どう考えても Aからはじまるトップバッターなのは、まえもって覚悟しておいたことでした。しかも、彼はキーステージ3(若年組)のエントリーでしたから、文字通り最初のコンテスタント(出場者)でした。

それがなんと、今年、ロレンちゃんと予想していたこのスピーチの順番は、彼女の苗字が Pで始まるので、なんとなんと、最後の最後なのでした。これは予想外でした。でもまあそれもよし、ロレンちゃんは相当念入りに練習をつんだみたいで、はらはらどきどきはしていましたけど、覚悟もかなりできているとおもいました。

心配なのは、彼女が、GCSE(中学レベル)の日本語しか履修してないのに、 Aレベル(高校程度)のグループのエントリーをしたことでした。質問が難しくて何も分からなかったら本当に大勢の聴衆の前でつらい思いを味わわせたことになり、その責任の一端はわたしにもある、のは分かっていました。

お母さんは、ロレンちゃんがよく練習した、と私に話してくれていました。台所へ行ってもメモ(スピーチの)、トイレにいってもメモ、ベッドにもメモ、という具合に、とにかく家のなかの行く先々でスピーチの練習をしていた、とお母さん。私も、前もって、練習のてつだいをしてあげたいなあ、電話しようかなあ、という気持ちはちらほらあったのですが、ロレンちゃんの場合、そんなことをしなくても自分でしっかり練習してるのはわかってるし、いらん不安をあおるようなことはよくないし、仮にあたらしいアドバイスをしたところで、もう本人は十分するべきことを心得ているとおもったので、あえて、私は前もって練習を誘うようなことは控えておいたのでした。

ジャジャーン

運命のときの鐘が鳴ったなんていったら大げさですよね。たんたんと、ひたすら当日の進行表にのっとって、ロレンちゃんの番がまわってきました。

スピーチは本当に上出来でした。自信たっぷりに、よどみなく、すらすらと、そして、聴衆に心から語りかける口調で、ロレンちゃんのスピーチは語られました。

そして、そのあとで、ほかのキーステージ5のスピーカーと同じように、質問の時間がやってきました。次回、この日、ロレンちゃんはどんなことを質問者から尋ねられたか、ちょっとテープ起こしをしてみたいと思っています。
Commented by Yoshi at 2011-06-30 19:14 x
凄い迫力のドキュメンタリーですね!読んでいてはらはら、どきどきします。これはミチさんのはらはら、どきどきがそのまま伝わるからだと思います(^_^)。Yoshi
Commented by agsmatters05 at 2011-07-01 01:50
Yoshiさん、それはちょっと大げさでしょう(笑)。スリラーでも、ミステリーでも、サスペンスでもないですからね。でも、うれしいです。ありがとうございます。ではそのときのことを今から、その七で、どうぞ。^-^
Commented by marri at 2011-07-01 08:12 x
Yoshiさんのおっしゃるとおりだわ!
ミチさんのお話の進め方が、とってもドラマチックなんです。ハラハラどきどき!

先日行った、皇居前広場の芝生のグリーンを思い起こさせて呉れました。こちらの国の場合、植えられているのは「松」だけなんです。数千本の松の芝生の緑は「ワンダフル」の一語でした!

サクランボ、私大好きです。ワンパック、抱え込んでパクリと頂きます。
この国の人々は、要らなくても1~2個、お愛想で戴きますね。最近の若い子は平気で拒否するかもしれません。ハッキリしていますね。私の性格は後者の方です^^;てへへ^^♪
Commented by agsmatters05 at 2011-07-01 20:47
marriさん、緑はイギリスの売り物、「イングランドグリーン」という言葉は、ダイアナさんを弔うエルトン・ジョンの葬送歌にも使われている言葉、イギリス人が自慢にしているもの、なんですね。一年中を通して緑色を保つことのできる芝生がその大きな要因なのでしょう。ま、人口密度も低いし、それに、だだっ広い牧草地を見れば、緑以外の何ものでもないですからね。
さくらんぼが食べ慣れないものだから、かも知れませんね。チョコレートなら全員きっと飛びついてあっという間になくなってかも、と、思います。
by agsmatters05 | 2011-06-30 01:39 | Comments(4)

紅茶国で(元)日本語教師(今もちょっとだけ)。身の回りのいろんなことを気ままにつづっていきます。日本語教育のほかに、イギリス風景、たまには映画や料理や本やニュースや旅や、家族のことなど。

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