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紅茶国C村の日々

オッ君の試験(3)

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はい、これ(↑)が今年のAレベル(A2,または GCE)日本語試験の問題用紙です。
歯医者のあと、学校に行き、コンピューターのスタッフに、いらないプログラムの削除をしてもらった後、イグザムオフィス(試験部長室)に行って、あまった試験問題をもらってきました。

そもそもイギリスのセカンダリースクール(中、高)には、どの学校でもこの試験を専門に担当するイグザム・オフィサーと呼ばれる職員がいます。授業などを担当する教員ではなくて、スタッフの一人ですが、その学校の全生徒が毎年受ける全試験の申し込みから、当日の監督手配から、結果の発表(一人一人に渡すものも含めて)まで、なにもかもまとめて取り仕切る人です。毎年5月、6月のセカンダリースクールでは、このイグザムオフィサーは、戦々恐々として、走り回らなければならなくて、大変そうです。H女子校のカリータさんなど、この時期はいつもぴりぴりしていて、話しかけるのがためらわれるほど、緊張の毎日がつづくようです。だって、2-3日や一週間程度で終わる試験ではなくて、11,12,13年生の3学年(G男子校、H女子校、どちらの学校も1学年は180人X3=540人)が受ける全科目の全試験日程は、かれこれ2ヶ月間ぐらいにわたるわけです。11年生は一人平均10-12科目、12,13年生は一人平均3-4科目を受け、しかもその一つ一つの科目の試験日程は、学校が決めるのではなく、紅茶国内にいくつかある大きな試験団体(=イグザムボードと呼ばれる会社)が決めるわけです。

たとえば日本語はエデクセルという会社が作って売っている!(注)試験を受ける、しかも、GCSEレベルでは、聞き取りと、読解と、筆記は別々の試験問題になっているので、1日で1科目が全部終わるというわけでもないのです。一人一人の生徒が、5月中旬から6月の終わりごろまで、この日の何時になんという科目の試験をどこどこの教室(場所)で受けるように、というカレンダーのようなものを前もって渡されています。そして、授業は完全休業状態となり、生徒らは自宅待機、または自宅学習期間に入って、試験を受けるときだけ、学校にくるわけです。(それゆえ、この頃の学校の静かなこと。ほとんど全校生の半分はいませんからねえ。)

(注)   売っている!
こういう試験問題は、生徒一人につきいくら、ということで、学校や教育委員会や、私立学校なら、個人がお金を払って受けるのですが、かといって、お金さえ払えばだれにでも売ってくれるかというと、そういうものではないです。問題が漏れたりしたら、試験は台無しになってしまいますから、こういう管理はとても厳重です。オッ君がAS(去年ひどい点数だった試験)の再試験を受けたとき、彼は個人でたしか45とか46ポンド(およそ6000円ぐらい)払わなければならないと言っていました。

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オッ君は、6月8日に上の写真にあるような Aレベル(A2)日本語の試験を、午前中3時間にわたって受けたのでした。いつもの年なら、あまった試験問題をその日のうちにイグザムオフィスにもらいに行くほど、熱心なわたしではなかった、つまり、生徒が試験を受けてしまえばもうこっちのすることは何もない、あとは新学期の新しい生徒をまつばかり、というような気の抜けたビールみたいな気分になる私なのですが、今年のオッ君の試験は、そういうものではありませんでした。どんな問題だろう、彼はどれだけ答えただろう、と気になって、気になって・・・

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では、その(4)で、試験問題をいっしょに読者のみなさんと開けてみることにいたしましょう、か。ここで、いったん投稿します。
Commented by Yoshi at 2011-06-16 00:00 x
ミチさん、
 どこの国でも試験の民間企業への外注が進んでいるようですね。日本の私大も外注が多いようですから。先生がすべてやるとなると本業の教える方がおろそかになりますからやむを得ないんでしょうね。

ところで、あまり学校の事や生徒さんの事をブログに書きすぎて、お仕事上まずいことにならない様にお気をつけ下さい。今のインターネット・ブラウザーは(不正確ではありますが)外国語でもどんどん自動的に翻訳するように出来ていますから、日本語で書いても、誰が読んでいるか分かりません。 Yoshi
by agsmatters05 | 2011-06-15 22:55 | Comments(1)

紅茶国で(元)日本語教師(今もちょっとだけ)。身の回りのいろんなことを気ままにつづっていきます。日本語教育のほかに、イギリス風景、たまには映画や料理や本やニュースや旅や、家族のことなど。

by dekobokoミチ