2010年 06月 24日
当日のようす(その二)
大使館の前のグリーンパークで、ピングーのピクニックシートを敷いて、それぞれが持参した昼食を食べていたのは、ミチ、ジラ君(13年生)、Nくん(9年生)、ジェリくん(9年生)、そして、女子校から参加した8年生(12歳)のドミちゃんの合計5人でした。12時半ごろだったかな。昼ごはんも一通り食べ終わったので、時間つぶしにみんなで歩いて、グリーンパークを突っ切って、大使館と反対側にあるバッキンガム宮殿でも見に行こうか、という話になりました。ピクニックシートをたたんでいたとき、
「やあ、みんなっ!」
といういつもの亜蘭君の陽気な声が聞こえてきました。(亜蘭君はいつも、日本語であいさつ、です。)
なんと、なんとビックリ。亜蘭君の服装ときたら、白黒のギンガムチェックのYシャツに、同じ模様の蝶ネクタイをしてるじゃありませんか。開いた口がふさがらないところを、わざと平静を装って、亜蘭君、制服はどうしたの?セイフク着ないとだめって言ったでしょ、と私。
亜蘭君から少し遅れてやってきた、アリスさん(4月4日の記事参照)が、「あら、フォーマルって聞いたものだから。」と助け船(!?)。聞くと、黒いブレザーは、アリスさんの長男のニコラス君から借りた上着だとか。ギンガムチェックのシャツと蝶ネクタイはわざわざ買ったのかどうか。
誰言うともなく、とにかくネクタイだけは、G男子校のネクタイに変えてもらおう、ということになり、ジェリ君のネクタイをはずしてもらい、亜蘭君の首に。亜蘭君も他人のネクタイだから、うまく結べないというので、アリスさんにお願いして、締めてもらいました。セイフクには胸に学校のロゴがしっかりとくっつけられているのですが、それは割愛。なんとかネクタイだけでもいちおうセイフクらしい格好はつきました。
亜蘭君はそこで
「先生、聞いて、聞いて。ちゃんとバッチリ、ぼく、完全に覚えてきたから、練習、練習。」と言うじゃありませんか。いつも、亜蘭君は調子いいのです。
ほかの子たちだけで、バッキンガム宮殿まで歩いていってもらうことにして、私と亜蘭君だけ、グリーンパークの一角で、皆さん、こんにちは。ぼくの名前はXX.亜蘭です。ぼくは A..に住んでいます。A グラマースクールの9年生です。ぼくのかぞくは二人です。ぼくと父です。ぼくは母がいません。ぼくの母は3年前になくなりました、。。。。
すらすらすらと、かなりバッチリ、でした。
ところどころ、あまりにも早くしゃべるので、「てにをは」が抜けるところもありました。たとえば、
「ハルヒはこうべのこうこうせい,がっこうでクラブをつくりました」というような具合でした。
あんまり丸覚えしすぎて少し調子がハイになりすぎていると思ったので、
「うん、なかなかよかった。これまでに最高の出来栄えだわ。でもね、ところどころでパーティクル(助詞、てにをは)が抜けてしまうから、じゃあ今度は、思いっきりゆっくり、できるだけゆっくり一度やってみて。」
ゆっくりやると、なかなか味のあるスピーチになりました。でも、あまりゆっくりだと、今度は覚えたことが逃げていきそうだと。というわけで、じゃあ、中位のスピードで行くことにしようよ。
そしてもう一、二度、公園の緑の芝生の上で二人っきりで、予行演習をしました。そろそろ一時。バッキンガムパレスを見に行った子達もちょうど戻ってきました。待ち合わせの予定だった女子校のニコちゃん(12年生)も、すたすた歩いて私達の横を歩いているのが見つかりました。みんなで大声で呼んでも、どんどん先へ行ってしまうので、呼び戻すのに大変でした。
とにもかくにも、みんなそろったので、じゃあ大使館へ入りましょうということになりました。
その時の横断歩道を渡る前の写真がこれ(下)です。

大使館の中にはいるためのキュー(行列)ができていて、パスポートを見せたり、名前のチェックを受けたりして、ようやく中に入れたら、いっさいカメラは使えないといわれていました。
大使館の3階。ボールルーム(舞踏会会場)。細長くて大きい部屋でした。前回とは反対側がステージになっていました。
招待者や協賛会社代表や、主催者などの紹介のあと、ある程度の手続きを一通り済ませて、さあ、スピーチの始まりです。亜蘭君は、A市の Aグラマースクールの、あらん(Allan)なので、いの1番にスピーチをすることになるよね、とはとうから想像がついていたことでした。案の定、いの1番でした。
キーステージ3(7,8,9年生)が6人、キーステージ4(10,11年生)が6人、そして、最後のキーステージ5(12,13年生)が6人。どの子も最終選考にのこっただけあって、しっかりと練習してきて、みんな立派でした。
ただ、キーステージ3の亜蘭君のグループで、亜蘭君がきっと優勝するだろうな、という予想をつけるのは、難しいことではありませんでした。亜蘭君のスピーチは、キーステージ3のレベルで習う日本語のレベルを飛び越えていて、語彙も文体も、ずっとふつうの日本語のスピーチに近い、自然なスピーチになっていました。そしてほかの子達よりも、発音や抑揚が、とっても日本語らしく、なめらかに、自然にしゃべれていました。
こんなにスムーズに、なめらかに、日本語らしく日本語をしゃべれるスピーカーはめずらしい、というべきでしょう。大きな間違いや、トチリもなかったので、おそらく亜蘭君の優勝は間違いなかろう、と誰もが思ったようでした。ジェリ君も、休憩時間に亜蘭君のところにきて、「おまえが一番うまかったぞ」みたいなことを言っていました。
4時過ぎまで、6X3=18人のスピーチを聞き、いよいよ結果発表。
亜蘭君は、ラップトップのコンピューターとメダルとカップをもらってそれはそれは大喜び、でした。
このとき、とってもうれしいことがありました。前もってブログでこの日の大使館行きの記事を書いておいたので、それを読んでくださったトロ先生が、なんと「おくりびと」のDVDを持ってきてくださって。まえから、見たい、見たいと思っていたDVDでした。うれしかった!トロ先生、本当にうれしかったです。ありがとうございました。今度、見たら、泣きますね(笑)。そして、記事に書きますね。
そしてそのあと、恒例のリフレッシュメント。これがとっても豪華で、好評で、おいしいものでした。
お寿司、いなり、肉団子、えびフライ、枝豆、焼き鮭、唐揚げ、等々、日本のお弁当に付き物のめぼしいおかずの数々。とっても美味しかったんです。このリフレッシュメントがこの日のハイライトだと思った参加者は多かったようです。ジェリ君も、ドミちゃんもそう言っていました。
ビュッフェ式のおゴチソウを二度、三度とお皿にとっていただいてから、大使館を後にしたのは5時ごろだったかな。亜蘭君とアリスさんとニコラス君はこのあとオックスフォードストリートに買い物に行くんだと行って、先に分かれました。残るミチのグループ、ニコちゃんも加えて6人。グリーンパークから地下鉄でピカデリーサーカスへ。大英博物館へ行きたいというニコちゃんを別にして、みんなジャパンセンターに行きたいと異口同音。三越地下の日本書店にまず寄って、それからジャパンセンターへ。
この三越の地下の書店ではじめて、この日、南アW杯、日本ーオランダ戦が 1-0 で負けたということを店員さんから教えてもらいました。うーん、残念。でも、やっぱり妥当な結果なのかなあ、とか思ってしまったことでした。
知日派のジェリ君は、オロナミンCを見つけて、それを買うんだって。ドミちゃんと、ジラくんは、カルピコとメロンパン。ミチは大根2本(1本は1.6ポンド、約240円を2本と、爽健美茶。Nくんは、夏みかんのジュース。というわけで、飲み物1本ずつは私が払ってあげるから、というと、けっこうみんな喜んでくれました。
それからマリルボーン、マリルボーンからA市へ。A市に着いたのはちょうど予定通りの8時(7時58分)でした。電車の中では、行きながらとちがって、けっこうみんな仲良くおしゃべりしてました。
可笑しかったこと。
ジラ君と亜蘭君のケンカ。(帰り道のことじゃないけど、この二人は「しりとり」ライバルなんです。)
ドミちゃんと、N君のかけ合い・・・
北海道ハイウエイブルースという本のこと・・・・
とにかく、亜蘭君のN杯ゲットという、ありがたい結果となって、いくらか気分も軽く、ほっと一安心、という思いで、帰りの車を走らせてC村に帰ってきたことでした。とちゅう、ジェリ君と、ジラ君を車に乗せて、それぞれの家の近くでおろしてさよなら、しました。
以上、当日のようす、その二、でした。その三はありません。(笑)
でも、亜蘭君物語はまだ続くんですよお。
今回のポスト、最高に面白かったし、心温まるものでした。亜蘭くん、ラップトップ獲得とは凄い!それにこういうauthorityのある賞を取ると、進学などにも絶対プラスでしょう!日本という(ほとんどの子にとっては行ったこともない)遠くの国の文化を共通の関心として、彼ら同士の友情も生まれると良いですね。
日本では語学というと、関心があるのも得意なのも圧倒的に女性が多いんですけど、こういう熱心な日本語好きの中に男の子が多いのも面白いと思いました。やはりアニメの影響かな。
当日頂いた、バナナマフィンも美味しくいただきました!こちらこそ、ご馳走様でした。また、来年、Nカップでお会いできるといいですね!なんて。
男子校、女子校で教えていますがk、一長一短、どちらにも、リングイストがしっかりと存在してくれているので、楽しみです。


