2010年 02月 16日
バイバ、パス その5
ところで、ルイ・パパもこの ヴァイヴァ経験者なので、あるとき彼の体験談を聞いたことがあります。免疫学の分野だそうですが、毎日顕微鏡ばかりのぞいていて、とてもボアリングな(つまらん)テーマだったと、(多分、謙遜して)言っていました。 ヴァイヴァの前の夜はどんな受験生でも緊張してぐっすりは眠れないはずだ、とルイパパは言っていました。ただし、彼のヴァイヴァそのものは。あまりタイヘンではなかったとか、とちゅうで2人の試験官(内部と外部のイグザミナー)の意見が対立して、ルイパパは、高みの見物をしたとか。こういうのもあり、なんですね。
さてワタクシメの前夜。
これが一番大変でした。
当日のヴァイヴァそのものは、臨場感あふれてリアリティーの中で時間が流れていきますから、相手に合わせて答えたり、相づちをうったり、行動すればいいわけです。でもその前夜は、これまでの準備の集大成、最後の追い込みと最終調整をしっかりしておかなければなりません。自分の書いたものをもう一度ずっと読み直そうと思っても、10万語、13章あるので、一晩中かけても全体を読みきれるはずはありません。最後の結論の章ぐらいは読めても、それだけで足りるかどうか。するべきことのリストをあげて、そわそわすることのないように過ごさなければなりません。
当日着ていくものをそろえたり、図書館に返す本をカバンに入れて、ドアのところに出しておいたり、とバタバタし始めると、なかなか落ち着いて本読みなんてできるわけありません。ふだん木曜日の夜入浴なんてしたことはないのですが、最近髪が肩に届くほどになり、まとまりにくいので、洗髪をしたいと思いました。
紅茶国のお風呂は、洗い場がありません。そしてもちろん、細長い バスタブです。お湯をためて、中にはいると脚をまっすぐ伸ばして、まるで棺おけに入る状態で(笑)、お湯の中で寝転ぶことができます。メグなんかこの状態でよく本をよんだりしてました。
試験前夜って、気ガ気ではないので、ワタクシメも紙切れをもって入浴しました。一人っきりの風呂場。よし、ここで自分ひとりでモックヴァイヴァ(模擬口述試験)をやってみよう、と思いました。
ではあなたの論文の要旨をのべてください。
はい、この論文は序論と結論の間が大きく分けて三つに分かれています。1、先行研究レビュー、2、方法論、そして3、データ分析とその考察となっています。これがこの論文のストラクチャーです。
ここまでは一言で簡単にしゃべれます。ただこれだけでは答が短すぎる。素っ気なくて、味気なさすぎる。どんな論文だって同じ様な構造をとっているのだから、これだけでは答にならない。落第でしょう。このあとをどう続けるか。風呂場で声を出してこのあとの説明を試しにやってみようとして、ウへ、ハタ、グッ、と来てしまいました。細かいことを要領よく説明するのって、なんと大変なことか。
だめだこりや。やり直し。また最初から試してみました。でも、ていねいに詳しく答えようとすると、どんな想定質問にたいしても、用意しておいた答がうまく説明しきれないことに気がつきました。ウ。どうしよう。困った。急に髪を洗う手がいそがしく動き出しました。コンナコトシテラレナイ。これじゃ明日、答につまってしどろもどろのトンチンカンになっちまうよ。パニクルのが目に見えてきました。わあああ、落ちるよ、これじゃあ、という気がしてきました。
この時が一番大変といえば、大変でした。 用意したつもりでも用意ができてない!言いたいことはいっぱいある、と思っていたのに、言いたいことが何も言えない口述試験(ヴァイヴァ)なんて、みじめな結末が降りかかる怖れ大! そして、そして、どんな質問が浴びせられるのか分からない。これも大きな不安材料でした。あまりよく読んでない本について聞かれたらどうしよう。これも相当ハラハラものでした。
その後はもう何をやっても気分を落ち着かせることはできないような気がしました。さいわいなことに、ちょっと飲んだり食べたりしたせいか、12時近くになると眠気を覚えました。準備不足は目に見えていても、とうてい一晩でやり切れるようなものじゃなし、今から何をどれだけ頭のなかにつめこんだところで、それが、試験官の質問に含まれるかどうかもわからないことだし。
半分すてばち、あきらめ状態で、とにかく寝ることにしました。どんな受験生だって、ヴァイヴァの前はみんな緊張して良く眠れない夜を過ごすはずだ、と言っていたルイ・パパの言葉を思い出しましたが、どうやら少しは眠れるかも、でした。
あまり深い眠りだったとは思えないけれど、とにかく一眠りして、目がさめたのは、目覚ましより1時間早い7時ごろのことでした。これには自分でもちょっとビックリ。へえ、アタシってやっぱり緊張してるんだ。なるべく平静をよそおうつもりで、なにがあってもふつうが一番をキモに銘じていようとおもっていたのですが・・・。

胡蝶蘭三鉢育てています。ルイ・ママのお母さんの病室から引っ越してきたものです。
三つ目の鉢の最初のつぼみがふくらみはじめました。これはなんと紫色でした。三鉢のなかで一番大きい鉢なので、最盛期にはおそらく相当数の花を咲かせることでしょう。育てるったって、時おり水をやるだけですけどね(笑)。
胡蝶蘭って、ほんとうに開花期が長いんですよね。白いのなんか、かれこれ3ヶ月目に入ってもまだ咲き続けています(↓)。



