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紅茶国C村の日々

バイバ パス その4

話はまだまだ続けようと思えば延々と続けることができそうですが、そうしていると、続けることに何の意味があるのか、ダラダラと長いむかしばなしを続ける必要がほんとうにあるのか、という気持が心の片隅にわいてくるのもウソではありません。

ま、今回はいちおう、当日の出来事を時間を追って書いておきますね。

朝9時10分ぐらいにC村を出発しました。

いつも私メは、車を運転している時はカーラジオでFMクラシックを聞くのが楽しみなのですが、この日は、気持を引き締めておくために、カーラジオのスイッチはつけないで、ゆっくりと運転しながら、予想される質問を一つ、二つ、自分に課して、運転中、声を出して試しに答えてみる、ということをやってみました。

でも、(これはあとで書きますが、前夜の風呂場でのトラブルと同様)、自分で質問を選んで、自分で答えてみようとすると、いいたいことがいいっぱいでてきて、うまく整理して自分の答を最後まで言い終えることができず、だめだめ、そういう説明の袋小路に入り込んだらだめ、といってとちゅうで自分の答を中断せざるを得ない、ということが何度も何度も起こってしまいました。

きっとこれは英語で考えることがへたなので、説明が最後まで脈絡をとって続けられないのだろう、と思ったので、じゃあ、日本語だったらどうだろうか、と考えて、運転中、何度も日本語でしゃべってみました。

あなたの論文の要旨を述べてください。
あなたの研究の成果はなんですか?
弱点はなんですか?

こういう質問に、日本語で答えるなら答えられるはず、答は頭の中に入っている、と思っていても、なかなか実際はきっちりといいたいことをまとめて要領よく、十分に答えることが、日本語でもできないことがわかりました。これは、言うべきことがはっきり心の中で決まっていないせいか、あるいは目の前に質問する相手がいないことがこちらの態度をあまくしているせいかもしれない、とおもいました。どれ一つ、仮の質問に満足する答を自分で答えられないまま、キャンパスに到着しました。

当たって砕ける、運は天にまかせる、ケセラセラ、ハクナマタタ、なるようにしかならない、い、な、お、る、・・・


とにかく車からおりて、一歩ずつ歩いて行くべきところへ行かなければなりません。
バイバ パス その4_e0010856_2011615.jpg


めざすは 、10時半、指導教官、10年間スーパーバイザーをしてくれたまぎー先生のお部屋。

しばらく雑談。11時5分前ぐらいに、学内試験官のじぇーん先生が、まぎー先生のお部屋のドアをノック。
笑顔で握手。とってもソフトな手。全然握らない、ただ手をさしのべただけでした。握手というよりは、お互いの手をタッチさせたという感じ。いえ、私のほうはすこし握りすぎたかも・・・。

そして、このキャンパス独特の細くて長い廊下を3人が縦になってあるいてコーナーを2度ほどまがり、10年間一度も行ったことのないボードルーム(会議室)というところに案内されました。

昨日の記事に書いたように、しっかりと用意された部屋。ドアを開けると暗い控え室があり、カウンターの上にはサンドイッチがすでに届けられていました。

11時、入室。カバンの中から書類を出したり、コートをイスの背中にかけたり、ふだんは肩からはずしたことのないポシェットもはずして椅子の背にかけ、その間数十秒、この部屋のミチ以外の5人の女性達はミチのこの一挙手一投足をじっとだまって凝視していました。この5人の視線をちょっと重く感じたので、手元のカバンは足元の床にに無造作に放り出して、荷物のことは程ほどにして椅子に腰をかけました。

すると
すぐ正面のまーりん先生が、やさしく笑顔もうかべて、「今からヴァイヴァをはじめます。あなたはリラックスしていいのですよ。とちゅうで水を飲んだり、机にひじをついてもいいです。質問が分からなかったら、もう一度言ってください と聞き返してもいいのですよ、」と受験生の緊張を解きほぐすように、でもフォーマルな言葉で試験開始を宣言されました。そして、最初に試験官が自己紹介をします、といった後、じぇーん、みしぇる、いぼんぬの各先生がただお名前だけ名乗って自己紹介をしてくれました。

そして、試験開始。といっても、やさしく会話を始めてくれたので、実は試験というより、おしゃべりをしている気分になりかけてしまいました。

質問はじぇーん先生が最初にして、それからみしぇる、いぼんぬ、じぇーん、みしぇる、いぼんぬ、じぇーん、みしぇる、いぼんぬ,という順番で、目の前の厚さ5センチ、368ページのはじめから順番を追って、ミチに問いかけられました。
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一番最初の質問は「あなたはどういう経緯をたどって、この論文のテーマにたどりつき、これを始めたのですか?」というものでした。

じつはこれはガッツポーズに値する質問でした。前もって用意しておいた想定問答集その1に、もしも、最初に自己紹介のスピーチをするチャンスが与えられたら何を言うか、ということで、しっかりと長い答を練習してあったのです。東京の大学で英語、英文学を勉強し、修士論文は英文学の山のイメージでした、英語の教師をしているうちに英語教授法の勉強をしたくなり、ロンドンのIOEで二つ目のMA(修士号)をとりました。そのときのテーマは日本人の英語の間違い、語用論的エラーアナリシス、というようなものでした。そして、私自身がハンディキャップをいっぱいもった留学生であること、年齢、分野、自費留学という経済的な困難、家族(娘の学費)の仕送り、言葉(英語)、どれもみな私のストレス要因でした。そして、英文学から、言語学をやり、今度はすこし社会科学的な方向をやってみたくて・・・・

そして、先行研究について、方法論について、データの分析について、今後の研究の方向について、延々と質問が続けられました。質問されて答えるのは難しいことではなくて、いいたいことが言えたのですが、それに対する、反応が聞けないのが、奇妙な感じでした。そういう答でよかったのかな、と何度か不安になりました。でも、質問がすべてこちらの土俵の中味についてなので、全然知らないよその世界のことを知ってるかどうかと聞かれるのではないので、気は楽でした。自分はこう思った、こういう事情でそうした、というように、過去形で説明すればよかったのですから。

・・・・・

とちゅうで1,2度腕時計をのぞいてしまいました。水も2-3度手元のコップから飲みました。12時近くになり、そろそろ頭も疲れてきたなあという自覚もありました。質問は、論文の流れに沿っていましたから、最後の結びの方へ移って行ったときはあと何問の質問が残っているのだろうか、とちらっと思いました。

ほぼ12時を少しまわったころ、ではしばらく席をはずしてください、とじぇーん先生からいわれました。
まぎー先生とふたりで、まぎー先生のへやで待っていたら、12時15-20分ごろまたじぇーん先生がお迎えにきてくれました。

そしてまた会議室にもどり、もとの席にもどると、じぇーん先生が、「バイバ、パスその1」の記事で書いたようなことを伝えてくれたのでした。

ただし、その前にまーりん先生が、これから結果をじぇーん先生から伝えてもらいますが、同じ内容を2週間以内に文書で郵送しますから、その指示に従ってください、いいですね。と形式どおりのごあいさつをなさったのでした。




Commented by 大崎繁子 at 2010-02-16 11:21
ミチさん!おめでとう!!
ミチさんの興奮が伝わってきました。
もう一度『バイバ、バス』ではありません『バイバ、パスその1』を読み直しました~~頑張りましたね~~根性。さすがイノシシ(笑)
私は頭では頑張れないので、体で頑張ります。体力づくり頑張ります
Commented by agsmatters05 at 2010-02-16 16:57
繁子さん、興奮(?)が伝わったんですか?あ、大きな文字にしたからでしょう。イノシシはイノシシでも、還暦を過ぎたイノシシは、あんまり頑張れないのがよくわかってます。てか、頑張らないでやるように頑張りました(笑)。頭も体もほどほどに鍛えていくことが大事みたいですね。私も繁子さんの真似をしたいといつも思ってるんですよ。
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by agsmatters05 | 2010-02-15 20:29 | Comments(2)

紅茶国で(元)日本語教師(今は退職)。身の回りのいろんなことを気ままにつづっていきます。日常の出来事、イギリス風景、たまには料理や本やニュースや出会った人々のことや、家族のことなど。