カテゴリ:本を読んで( 24 )

柳澤桂子さんの本

作品名いのちの始まりと終わりに
作者名柳澤桂子

草思社   2001年6月
e0010856_22382065.jpg


メグがC村のトイレにおいていった本です。とても興味深い情報がたくさん盛り込まれている本です。科学的な知識にうとい私でも読み進められるように、わかりやすく語りかける口調で書いてあります。

以下、MORE に第一回目の講話の最初の部分を数ページにわたって、写しとらせていただきました。赤ちゃん(ひとつのいのち)が生まれるまでの仕組みをこれほどていねいに分かりやすく書かれたものを今まで私は読んだことがありませんでした。最後に作者が言っているように、ほんとうに神秘的な話だとおもいました。ぜひシェアしたいと思って、時間をかけてタイプしました。お時間のある方はどうぞ。ない方はあとから戻ってきてまた一度じっくりとお読みくださいませんか。

Warning   警告   長いですよおおお。

More
[PR]
by agsmatters05 | 2013-04-05 08:03 | 本を読んで | Trackback | Comments(0)
おなかをかかえて笑い転げるように面白いことではないのですが、最近興味深く読んだ日本語の本2冊についてメモっておこうとおもいます。

しばらく前にインターネットで購入して読み続けている英語の本(In the Midst of Life, ジェニファー・ワース著)が、とてもいい本なのですが、やっぱり英語の本をよむのは時間がかかる。そこへいくと飛び入りでもすぐ読めてしまう日本語の本。両方とも、ブリストルのメグのところから、オアガリというか、オサガリというか、読み終わったと聞いて、もらってきました。

実はどちらも、去年の姉妹会のとき、山梨の長姉がどうしてもメグに読ませたい、といって持ってきてくれた本でした。

まず、一冊目。
e0010856_21551535.jpg


「猿橋賞」という女性の科学者を表彰する賞を創設された方の伝記です。
岩波科学ライブラリー、米沢冨美子著

裏表紙にはこう書いてありました。
戦前戦後の女性が理系の道を選ぶことも困難な時代に、海水の放射能汚染や炭酸物質の研究で世界的な業績をあげた地球化学者ー猿橋勝子。さらに後進を育てようと女性科学者を顕彰する「猿橋賞」を創設。女性科学者を励まし続けた。科学者として人間として自らの哲学とそれを貫く強い意志をもって、まっすぐに生きた猿橋勝子の初の評伝。

とてもよくまとめて書いてあります。伝記には、業績の説明が片手落ちで内面の軌道ばかりを強調して物語のように生涯を語るタイプと、客観的な事実の整理をまとめて語るタイプと、2種類あって、その両方のバランスをうまくとることは、よほど本人をよく知っている人でなければむずかしいことでしょう。米沢氏の猿橋伝はどちらかというと後者。科学的な業績の説明が要領よくまとめてあって、ありがたい本でした。

勝子さんの内面にはあまり入っていないのですが、それだけに、逆にかかれたことに信頼がおけるような気がしました。こういう伝記(本)の読後感をこのブログに書くときはいつも、いちばん印象に残った箇所を引用したいとおもうのですが、今回はどこといって、それをする場所がみつからない。それだけに著者、米沢氏の堅固な執筆姿勢が功を奏している本だということなのでしょう。それでも一応、あえて、引用を。
「自分へのまわりからの処遇や研究環境が望ましいものでなくても、それで落ち込んだり、それに対して抗議したり、という反応をするのではなく、研究成果を上げ、実績を積むことで、自分のことを皆に議論の余地なく認めさせる。
「女性を差別するのは、怪しからん」「女も男も能力は同じはず」と自分のほうから声高に主張するのではなく、成果を見せることで、こちらが黙っていても相手が納得し、女性を差別する根拠が全くないことに気付かせる。
それが猿橋自身の貫いてきた生き方であり、「猿橋賞」の受賞者たちや女性科学者たちに猿橋が求める生き方である。
受賞者は、それぞれの研究場所で成果を上げなさい。それが受賞者の最大の使命」と猿橋は口癖のように言った。(P.110)


という上の本の著者の米沢冨美子さんの自伝(↓)です。(岩波ジュニア新書。「まず歩き出そうー女性物理学者として生きる」)

e0010856_1212646.jpg


猿橋勝子さんも、女性初の日本学術会議会員となった方。米沢さんは女性初の日本物理学界の会長になったという方。IQ(知能指数)175という頭脳の持ち主。二人とも、数々の研究業績、発見、をされた方たち。眼の覚めるような、輝かしい実績を残された女性たちの伝記でした。

米沢さんの本を読んでいて、いちばん心を動かされたのは、1980年9月8日に京都でサマーインスティテュートという国際会議を開催したところ。何もかも一人でとりしきって、成功させた国際会議の記述でした。

「閉会の辞は松原先生にお願いした。先生は、「世界中、日本中から、たくさん集まり、活発な議論をしてくださったことに対して、組織委員会を代表して感謝したい」と述べられた後、「会議が成功であったことに異を唱える人はいないだろう。組織委員会といっても、実質的な企画・運営は、ほとんどプロフェッサー・ヨネザワ一人の手で行われたのであり、彼女の献身的な努力なしには、会議の成功はあり得なかった。ここで拍手を持って彼女の努力をたたえたい」と言ってくださった。満場の拍手が鳴り響いた。

予想していなかったことで、身に余る言葉だ。目頭が熱くなったと思ったら、涙がツーと頬を伝った。隣に座っていた友人が、そっとハンカチを差し出してくれた。

拍手が終わっても誰も立ち上がらない。私が何か言うのを待っているのだ。あわてて涙を拭いて皆の前に立ったが、声がでない。何かしゃべるとどっと涙があふれ出しそうで、「ありがとう」と「また、次の会議で会いましょう」だけを、やっとの思いで言って席に戻った。

涙は断りなしに出てくる。別れの挨拶に来てくれる人。「成功おめでとう」と言ってくれる人たち。皆に、涙の顔で応えた。参加者一人ひとりに、「来てくれて、ほんとうにありがとう」と言いたい気持ちだった。(125ページ。)


そういえば山梨の長姉がずっと前から「二人で紡いだ物語」と言う本があるから読むように、と勧めてくれていたのでした。同じ作者の本。アマゾンの古本でこの本をぜひとも入手して読みたい。読まなければ・・・。

米沢冨美子さんのウエブサイトは こちら ⇒ http://ja.wikipedia.org/wiki/米沢富美子
[PR]
by agsmatters05 | 2012-12-13 11:57 | 本を読んで | Trackback | Comments(0)
多田さや子著 『小菊の悲願』 という本を読みました。
e0010856_313648.jpg

非売品のようです。グーグルやアマゾンで検索しても、発売していない、と出てきます。

実はこの本は、ロンドンのJFで日本語教師の講習会があったとき、ある方がお手持ちの日本語関連の本を整理なさりたいから、ということで、どうぞ自由にお持ち帰りください、といって会場の机の上におかれたたくさんの本の中の一冊でした。これが私の手にふれて、私が読ませていただくことになったのも何かの縁かもしれません。

毎晩寝る前に少しずつ、疲れていたら1ページも読まずに眠くなる時と、夜も更けても眠くならず何ページも本を読み続けてしまうときがありますが、この本も幾晩かかかって、どうやら、今回読み終わりました。ていねいに読みましたから、時間がかかりました。

これは、多田さや子さんという方の伝記でもあり、熱心な信仰の証の書なのですが、同時に性の商品化に反対する、売春防止運動を進めたいという強い願いをもって書かれた本でした。

それには、深いわけがあって、・・・
作者の生い立ちから、ご家族、教育、環境、農業、子育てと一代記になっているわけですが・・・。

実は、この本を読み終わるころ、ちょうど私はある友人との意見の衝突、早く言えば、ケンカのようなことがおこっていて、とっても気分が冴えない時期でした。この出来事は本当に不愉快で、C村の散歩に行ってのどかな景色をみても、全然気持がが安らげないのでした。口惜しくて、口惜しくて、ああもこうも言い返したい、東京に住むこの友人と思っていた人に、反論、攻撃、弁解、釈明のメールを書きたくて、書きたくて、という毎日でした。そういうメールを書けば、倍も3倍もまた私の悪口が返ってくるのが分かっていても、意地をはって、自己主張をし続けたかったときでした。

そのとき、この謙虚な、真摯な、信仰の書に出あって、最後にふっと、ああそうだ、と思った一文がこれでした。

「自伝は自らの過去を公表することです。だれにも知られたくない、そっとしておきたい、それらのことをいつわりなく書いてこそ自伝だと思います。私はそれをあえてしました。そういう点では、これもまた一種の 献体 のような気がいたします。 性の正しい研究のために、いささかでも役立ってほしい、ただそれだけの願いがこの本をかかせたのです。どのように料理されるのか、どのように用いられるのか、まな板の上の魚自身にはわかりません。すべてはお読みくださるみなさまにおまかせするだけです。

ただ、これははなはだ大それた思い上がりかもしれませんが、神さまはきっと、わたしのような者をも用いて、小さいなりに一つの思想の種子を播かせてくださると信じます。何のとりえもないものをも、あわれみ、いつくしみ、ゆるして、こんにちまで生かして下さった神さまの聖名をたたえます。」(271ページ、あとがき、より)


この、「何のとりえもないものをも」というところにピンときたのでした。負けて口惜しい花いちもんめ、じゃないけど、ああいえばこういうという口論をやめた時点でまるで自分の負けが決まったみたいで、情けなかったわけですが、そういう自分のことを「なんのとりえもないもの」としてとらえ、それでもこの世に生きる時と時間が与えられている限り、なんらかの救いはある、価値はある、意義はある、といわれているような気がして、ふっと、ああこれこれ、これだ、という気持がしたのでした。

本来のこの本の趣旨とは違う方向で解釈してしまっていると思います。
この世の中に、自分の生きる権利が制限されて、自由に生きられず、体が商品としての労働をしいられることは、奴隷と同じで、社会的に防がなければいけないこと、自分で守れない人を助けてあげなければいけないのだと思うのですが、とりあえず、私はこの本で、ひとつの慰めをあたえられたのでした。とるに足らない自分のようなものでも、生きている値打ちがどこかにあるんだって、これは、何教であれ、やさしい教えだとおもったことでした。


e0010856_927082.jpg


アハハ。上の写真、まるで私がケンカの相手を刺したかった毒蜂みたいに見えませんか。人を傷つけることのできないミチさんですよ。(もっともけんかの相手は私が加害者と思っていらっしゃるわけですが・・・。)

別の記事にして載せてもよかったんですが、おととい、私、このWASPに刺されました。とっても痛かったです。泣きっ面に蜂、でした。

トイレに2-3日前からいるのは分かってました。紅茶国のトイレはお風呂と同じ部屋にあって、大きいですからね。一度スリッパで叩こうとしたのですが、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』のせいで、できませんでした。その翌日トイレに入っていたとき、背中でなにかやわらかいものがむずむず動いていると思って、左手を背中に回してみました。そしてイタッ!
左手の親指の真ん中を思いっきり刺されてしまいました。一日中痛かったです。

どのくらい毒が強いのか、心配でした。しばらくしたら左手が腕(ひじ)までズキズキしてきました。

どうやら、蜂(Bee)と ウォスプ(Wasp)とは毒の種類が違うらしいです。片方は酸で中和し、もう一方は重炭酸ソーダで中和せよ、とか。どこで見分けるのか、これからグーグルしてみようとおもっています・・。あ、もう遅いか(笑)。

[PR]
by agsmatters05 | 2010-04-13 03:18 | 本を読んで | Trackback | Comments(2)
昨日の土曜学校で、年2回の校内行事、古本市がありました。
体育館いっぱいに広げられたたくさんのダンボール箱。2回の休み時間に生徒たちはいっぱい買い込んでいました。おおきな紙袋に三つも四つも。

父兄の方たちの協力で、帰国する家庭からの寄付もいっぱいあって、相当大きな規模の古本セールです。セールといっても1冊10ペンス=25円、とか30円とか。ミチも休み時間を利用して、一部をのぞかせてもらいました。本当にほしい本を探すなんていう時間はないし、相当な混雑状態なので、とにかく目に入ったもの、役に立ちそうなものをそそくさと選んでみました。体育館の入り口近くには無料コーナーもあり、古いビデオテープや古い雑誌や子供の本など。

漢字の成り立ちのビデオテープとか、アンパンマンのひらがな学習本とか、文芸春秋の昔の特集本とか、1ポンド(250円)にも満たない値段で全部で10点ほど、買わせていただきました。

そのなかの一冊、表題の本、昭和41年第9冊発行とありますから、今からかれこれ40年以上前の本でした。黄ばんではいましたけど、箱入りで、帯には「国際アンデルセン賞優良賞受賞」、第11回サンケイ児童出版文化賞受賞、とありました。明治37年長崎県生まれの作者は執筆当時立教大学の教授だと、著者紹介欄に書いてありました。

雨模様、風模様の師走最初の日曜日、ストーブにかじりつくようにして、久しぶりの読書をしました。主人公の草夫少年の生まれから、旧制中学入学までを描いた生い立ちの記ともいえる物語でした。九州の山村、漁村が舞台で、明治、大正ごろの子供の目からみた話。

その中の一節(191ページ)
2,3日して、ふとお杉(主人公のお母さん)が繁左衛門じいさんに、きいてみよといった診察室の大きながくのことを、草夫はたずねて見ました。
「おじいさん、あの額に書いてある字はなんとよみますか。」
「うん、寿而康(じゅにしてこう)・・・・寿というのは長生きすること、康は健康の康だよ。人は長生きをしても弱くちゃいかん、健康でなくてはならん。長生きし、健康であれということばだ。横に松香山人と書いてあるのは、あの大きな字を書いた専斎先生の雅号だ。」続く

[PR]
by agsmatters05 | 2007-12-03 06:10 | 本を読んで | Trackback | Comments(4)

紅茶国で日本語教師。でも、身の回りのいろんなことを気ままにつづっていきます。日本語教育のほかに、イギリス風景、たまには映画や料理や本やニュースや旅のことなど。


by dekobokoミチ