カテゴリ:本を読んで( 28 )

この本のことををはじめて知ったのは、フェイスブック友でスイスのジュネーブにお住まいのYoshiko Kurisaki (栗崎由子)さんの November 19, 2016  の記事でした。

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幻冬舎のこの本についての記事は こちらでお読みいただけます。。

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メグに頼んで待つことしばし。今年になって本が届き、最近読み終わりました。ありがとう⇒めぐへ。

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とてもいい本でした。みなさんに読んでもらいたい本です。おすすめ。

イギリス在住のかたでこの本を読んでみたいけど、簡単に入手できないという方は郵送で貸し出すことができますよ。この記事の下にある Comments という言葉をクリックすると、画面に「コメントする」という横に細長いボックスが現れます。そこをもう一度クリックするとコメントボックスが出てきます。お名前や連絡先、できたらメアドなどを書いた後、コメント欄(ボックス)の下に「非公開コメント」という言葉がでてきてその横に小さなボックスがついているので、そこをクリックしてください。誰にもほかの人に見られないで私だけ宛ての連絡が可能です。

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人はみんな生まれて死ぬ。当たり前と言えばそうかもしれませんが、ふだんの日常ではあまり頻繁に出くわすことのない出来事ですよね。だれでもみんな人は生まれるときと死ぬときは大きなドラマを伴っているものだと思っています。私自身も、いつどうやって死ぬのかは大きなミステリー(=謎)でもあり、ドラマ(誰にとって?多分、身内にとって)でしょう。

現役の医師のかたが幾人かの登場人物(フィクションだそうですが)の終焉について、書かれた本です。

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今なにが自分にできるか、なにをしておくべきか、いろいろと考えさせられる本です。やっぱり、願わくば、だれだって安らかな死を望みたいですよね。眠ったように、または眠ったまま、さようならが理想的な死に方ではないでしょうか?
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by agsmatters05 | 2017-02-12 11:25 | 本を読んで | Trackback | Comments(0)
を 読みました、よ。

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メグ、送ってくれてありがとう。

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緑茶国、うどん県のMasahiko Iwasaki様、そのご友人の方(間接的に)、情報をありがとうございました。

多くの方々が「感動した」とおっしゃっている通りに、とてもいいお話でした。最後の最後まで作者のかた、こうの史代さんという方を、浦野すずさん、北条すずさんと重ねながら読んでしまいました。時限爆弾で利き腕をなくされたところを読んでも、その後努力して左手で絵を書き始められたのではないかとさえ・・・。物語全体がとってもリアルに、写実的に描かれていました。歴史的な考証も添えられていました。漫画というジャンルの表現領域を深めている、とも思いました。絵と言葉のつながり方も、考えさせられるものがあって、おもしろかったです。最近のほかの漫画本を全然読んでなくて生意気なことを言わせてもらってますが。

主人公がただ虐げられたり、つらい目にあったりするだけじゃなくて、ただ負けっぱなしじゃなくて、ちゃんとお返し(仕返し?)みたいなことができる場面もあって、よかった。

戦前のことを、戦後生まれの方がこれほどリアルに描けるって、すごい!
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by agsmatters05 | 2017-01-29 04:17 | 本を読んで | Trackback | Comments(0)
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を読みました。といっても、一度全体を読み流したというだけで、何度も読まなければ全部わかったとは言えないのが詩というものではないかとおもいながら読み進みました。

資生堂は、第34回現代詩花椿賞の選考会を9月8日(木)に開催し、本年度の受賞作を伊藤悠子氏の『まだ空はじゅうぶん明るいのに』(思潮社刊)に決定しました。
(今回の選考委員は佐々木幹郎、小池昌代、池井昌樹、杉本真維子の4氏)
現代詩花椿賞は、年度内(2015年9月1日~2016年8月31日)に刊行された詩集を対象に、4人の選考委員によって選ばれた最も優れた一冊に贈られます(過去の受賞作は別紙のとおりです)。
受賞者の伊藤悠子氏には、資生堂より「特製香水入れ」ならびに100万円が贈られます。


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ところどころの行、言葉、言い回しに「ああいいなあ」とおもったり、ところどころの行、言葉、言い回しに「」と思ったりでした。

それが「詩」というモノだと思いながら、それでも一冊の詩集が身近に感じられるか、疎ましく感じられるかの違いがあって、この同窓の、同年齢の女性詩人にすっかり脱帽。若いころ2度詩集を自費出版をしたことのあるデコボコ・ミチ。若い頃の私がよみがえってくるかもしれないというほのかな予兆さえ覚えてしまったではないか(笑)。

では一編、引用させていただきますね。


返信

問いを抱えながら
カーテンを開けると
枝のあいだに
星が一つまたたいて目が合った
これが問いへの返信と星は言う
今みつめているひとは君だけではないとしても
とおく問うたのは
君なのだから
まっすぐ受けとればよい
胸底ふかく受けよ


この最後の一行がグッときました。
受けよ、という命令口調が、なぜかとてもグッド。
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by agsmatters05 | 2017-01-29 04:01 | 本を読んで | Trackback | Comments(0)

宮部みゆき「理由」

今更なにゆえに?と我ながら思うふしさえあるのですが、読み終わりました。やっぱり大作でしたし、平日は仕事もあり、夜はブリッジもありで、さっさと読み終わるというわけにはいきませんでした。

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C村にメグ(娘ちゃん)が住んでいた頃(2001年から2005年)、彼女がせっせと宮部みゆきの本を読んでました。それで今でもたっぷりC村のステイ先の本棚に宮部が残されています。いつか読もう、いつか読もうと思いながら、なかなか手に取ることができなかった宮部。スエーデン発のミステリー、特にカミラ・ラッカベリを2冊読んで、翻訳本ミステリーの読みにくさを味わったので、ちょっと比較してみたいと思ったのがきっかけでした。

2002年9月に朝日文庫で初刷発行。手元のは2003年2月で、第6刷となっています。文庫本でも619ページの厚み。飛ばし読みなどしたくなかったので、何日もかかりました。

ウイキ様によると、

『理由』(りゆう)は、宮部みゆきの長編推理小説。「朝日新聞」夕刊に連載された。高級マンションで起きた殺人事件を、数十人もの人物を登場させ、ドキュメンタリー的手法で追う。第120回直木三十五賞受賞作。

直木賞には、『龍は眠る』(1991年上期)、『返事はいらない』(1991年下期)、『火車』(1992年下期)、『人質カノン』(1996年上期)、『蒲生邸事件』(1996年下期)と5度候補になり、6度目の候補で受賞となったが、どちらかというと宮部の実績を重視しての授賞であり、「直木賞のあげ遅れ」という批判が多くなされた。


この本が出されて、賞をもらったころ、評判を聞いていただけで、めぐりあいそこなってました。10数年後の今読んで、全然古いと思わせられる節などなかった。ドキュメンタリー的手法、というのがいかにもユニーク。作中人物のとりわけ誰に共感させられるということはないのだけれど、一人一人誰もが憎めなくて、誰もが等距離で描かれている。あえていえば、室井綾子の兄、康隆が一番嫌みのない冴えた人物として書かれていたような気がする。そのほか、小糸孝弘も嫌みがなく描かれている。ほかに片倉信子とか、比較的年齢の幼い(若い)登場人物には、悪さやクセがくっついていない、と思われた。宮部の人間観察が甘くなる部分なのではないか、などと素人考えで勘ぐってしまったりした。

とにかく、出てくる人あの人、この人、みな一癖も二癖もあって、世話物、人情物を語らせたら宮部の本領ここにあり、という思いがした。

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結論。もちろん翻訳文とは比較にならない読みやすさだった。文章の流れはさすが日本人の日本語。まちがいなく読みやすく読めて、「これが本来の日本語だ」という安心感すら覚えた。そのうえ、裁判所の競売物件の買受人と占有屋の問題、ごたごたを含めてよくもまあこれだけのスケールのフィクションを組み立てたものよ、と(素人ながら)舌を巻かずにはいられなかった。宮部、すごい!
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by agsmatters05 | 2017-01-28 10:32 | 本を読んで | Trackback | Comments(0)
暮れから正月にかけてずっとこういう(↓)本を読んでました。
スエーデン発のミステリー。
大学時代の友人に「読め!」と言われて、「ミレニアム」に続いて、メグから送ってもらった文庫本。3冊送ってもらったうちの2冊。あとの一冊を読む前に、ちょっと別のミステリーに横滑りしているところです。

こおりひめ
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何しろ、翻訳本なので、読みにくかったよ、YOSHIKOさん。それに2-3ページでどんどん別の話に移るの。場面と登場人物が、誰のことを言ってるのか、わかるまでにとっても時間がかかるの。面白くなった!と思ったら、また別の話に移ってしまう。それに翻訳文の堅さ、え?この段落は誰のことを言ってるの?と思ったことが何度も。だって、主語がなかなか出てこないんだもの。

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そうはいっても、完読したよ。ミステリーだから、最後はちゃんと事件の解決をしてくれて、読み終えた時は一応納得。感動するというのではなくて、よくもこれだけ上手に複雑に、登場人物と筋書きをからませて、つじつまの合うお話を書いたものよ、と思った。その点では合格。

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だけどあえてもう一言。「ミレニアム」は違うのよね。あれは、涙が出てくるほど、悪いやつを憎らしく思い、被害者を助けたく思い、弱くても悪に立ち向かう罪のない者を(本から離れていても)応援している気持ちになってしまった本だった。ミレニアムを読んでいた間はもう、ああミカエル!ああリスベット!と心の中で叫び続けていた私でした。ほんとよ、YOSHIKOさん。

でも、このあと、日本のミステリーを読んでから、またレックバリの三冊目に戻るからね。なにしろ日本から送ってもらった本は片っ端からていねいに読了したいと思っているものですから。
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by agsmatters05 | 2017-01-09 11:45 | 本を読んで | Trackback | Comments(4)

ミレニアム4(上・下)

11月25日に読み終わった本。印象が強すぎて、少し間(ま)をおいてから書くつもりでした。

そもそも最初にこの本(ミレニアム)について聞いたのは、2010年10月10日のことでした。

ここにちょっと書いたことによると、今から6年前のこの日、母校の同窓会(卒業後40年記念)に出て、国分寺で2次会をしたあと、お茶の水まで帰る中央線の電車の中で、隣に座ったよっこさんが「必ず読むように」と命令(指示)してくれた本がこれでした。スティーグ・ラーソンによる「ミレニアム」3巻6冊(それぞれ上下ある)。

このブログの記事管理画面で「ミレニアム」と検索したら、その翌年(2011年10月2,5,16日)に3回にわたって、この記事を書いていたことがわかりました。(もうすっかり忘れてましたけど、、笑)

1、2011年 10月 02日  9月のまとめ、その四 「ミレニアム」その一発端
2、2011年 10月 05日  9月のまとめ、「ミレニアム」その二
3、2011年 10月 16日 9月のまとめ、「ミレニアム」その三

そうして、ミレニアムのこともガブリエルソンのことも、かなり記憶に薄れ掛けてきた5年後、四女のよっちゃんからの贈り物の中にこれ(↓)が入っていたのでした。
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作者は亡くなってるのに、なんで続編が出るの?と思ったまま、すぐに読み始められなかったんです。そして、今年、今回、(やっぱり教職を公式にはリタイアしたことが直接の影響だとおもう)、サンディエゴ以来、読む本にはまる生活がなぜかリセットされて、その勢いでこの本がついにここに登場できることになりました。(よっちゃん、ありがとうね。)

「蜘蛛の巣を払う女」ダヴィッド・ラーゲルクランツ
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結論、よく書けてる! 同じ作者が書いたかのように楽しめる。もしくは、別の作者(ダヴィッド・ラーゲルクランツ)が書いたって、全然大丈夫。とにかく同じように楽しめる。そして、受け入れられる!

「楽しめる」というのは、ちょっと誤解があるかもしれません。この本、ミステリーで、サスペンスもたっぷり。

ずいぶん怖い思いもしましたし、はらはらドキドキ、苦しみさえ味わいました。楽しむというよりは、金縛りにあったような気分に襲われて、普通だったら本から目を離せなくて止められない、というところをあまりの衝撃力でもう読み進められないよ、と何度思ったことか。そういう本でした。

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映画化も進んでいるらしく、評判も上々とのこと。

あまりネタバレしないように書かなければとおもいますが、なんでこの本が好きかというとやっぱり「勧善懲悪」のところ。巨悪と戦うところ。そして弱者、虐げられた人への救いがあるところです。悪い人を小気味よくやっつけてくれるところ。とはいってもそんなにおとぎ話のように単純ではないので、簡単には喜べない話なのですが。

とにかく、読み終わりました。一か所、引用しておきますね。とてもうまく書かれているとおもったところ。

こんなに若くて、目がくらむほど美しいのだから、仕事に疲れて汗ばんだ中年ジャーナリストを追いまわすよりも、ほかにすることがあるだろうに。それだけではない。彼女のまなざし、恥じらったり大胆になったりする態度、偶然を装って手に触れてきたこと。はじめは抗いがたいほど魅力的に見えたすべてが、だんだん計算ずくに思えてきた。(P.140,4 下)


この女性、リスベットの妹は、前三部作には大きく描かれていなかった人物。この女性、ある名をサノス、またの名をカミラ、リスベットと対照的な、あまりにも対照的な人物。

最後の章(第三十章)、

次こそは、姉さん、次こそは!
 という携帯電話のメッセージが三度届いているが、単なるミスなのか、わざと強調しようというくだらない試みなのかは判断がつかない。いずれにせよ、それはどうでもいいことだ。


リスベットとカミラの対決は、次号に持ち越されました。
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by agsmatters05 | 2016-12-05 10:45 | 本を読んで | Trackback | Comments(0)

HBS と言えば?

知る人ぞ知る、という呼び名なのでしょうね。
ハーバード・ビジネス・スクールの略語だそうです。

IOE と言っても、 AGS と言っても、関係する人達以外は何の略語なのかさっぱり?ということはよくありますものね。

山崎繭加著「ハーバードはなぜ日本の東北で学ぶのか」(ダイヤモンド社)
ー世界トップのビジネススクールが伝えたいビジネスの本質ーという副題がついています。

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どうしてこの本を?

これはサンディエゴまでメグが持ってきてくれたものでした。メグのこともちょっと載ってるって。通訳のお手伝いをしたときのことが実名で書かれていました。

ビジネス (business)
グーグル辞書ではこんな風に出てきました。 ⇒ MOREに載せておきます。

世界のトップをゆくビジネス・スクールが、東北での現地学習のプログラムを5年も6年も続けてきたのだそうです。その「おぜん立て」をすべてこなされた著者が、このプログラムの意義、価値、記録をていねいに書いておられる本です。

ビジネスって、私の辞書にはない言葉で、私は自慢じゃないけど、お金に縁のないニンゲンだと頭から決めてかかってるキライがあります。こまったもんです。

だけど、なんだかこの本を読んでいたら、むらむらと紅茶国の南の海岸でおにぎりや(←ここで書いた)を始めてみようか、という気がつのってしまいました。お米10キロ買ってきて、5合炊きの炊飯器で炊いた白ごはんでおにぎりが何個作れるか。ただの白米のおむすびよりも、すし飯にしたほうが売れるかしらん?いくつ作っていくらで売れば赤字にならないでやっていけるのかしらん?手初めに、一度作って街中で売ってみようかしらん?

もの思う秋ですねえ。(笑)

ビジネス(business) の意味
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by agsmatters05 | 2016-11-17 10:41 | 本を読んで | Trackback | Comments(6)
これ(↓)は長姉から。なぜこれを、というようなことはさっぱりわからないのですが、姉には姉なりの理由があって、読む必要(価値)のない本など、ゆずってくれるわけもないので、ありがたく読ませてもらいました。

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芥川賞候補に5回あげられて、落選を続けた北海道出身の作家で、90年、41歳で「自ら死を選ぶ」と、本のカバーの内側に書かれていました。1949年生まれ。生きることと書くことを重ね合わせて、身を削るようにして書き続け、疲労困憊してしまわれた感じ。最近(死後20年以上経って)再評価され、映画やテレビ番組などに取り扱われているとのこと。そんな話題性から、この本を(姉が)選んでくれたのかもしれない。

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第一部 そこのみにて光輝く
第二部 滴る陽のしずくにも

タイトルが希望や救いを暗示してくれているのに、作品の中にはあまり希望や救いが見えない。重く、暗く、ともすればどんどん深い暗闇に巻き込まれてしまいそうな印象。大きな悲劇には到らず、日常が壊されそうで壊されていないまま作品が終わる。やっぱり、このあやうさを抱えこんで創作活動(執筆)を続けることが、息切れ(生き急ぎ)と結びついたのではなかったか。
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by agsmatters05 | 2016-11-07 07:36 | 本を読んで | Trackback | Comments(0)
これは姉からじゃなくて、メグ(娘、仮名)に頼んで、サンディエゴまで持ってきてもらいました。いつも芥川賞が発表になるたびに、ニュースなどでほんのすこし作品について知ることしかできず、実際の作品を読むためにはやっぱりどうしてもこれ(↓)ですよね。

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とても面白く読めました。上手に書いてるなあとも思いました。「虚実皮膜」という言葉について考えさせられました。作者の実話のような、そうでないような、上手にそれが練りこんであるという感じでした。そして何度も「吹き出し笑い、クスクス笑い」をさせられた作品でした。

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あえて、一か所、印象に残っているところを引用させてもらおうとおもいます。作品のはじめのほうで、主人公の私はちょっと変わった(奇妙がられる)子供だった、そうです。

小学校に入ったばかりの時、体育の時間、男子が取っ組み合いのけんかをして騒ぎになったことがあった。
『誰か先生呼んできて!』
『誰か止めて!』
悲鳴があがり、そうか、止めるのか、と思った私は、そばにあった用具入れをあけ、中にあったスコップを取り出して暴れる男子のところに走って行き、その頭を殴った。
周囲は絶叫に包まれ、男子は頭を押さえてその場にすっ転んだ。頭を押さえたまま動きが止ったのを見て、もう一人の男子の活動も止めようと思い、そちらにもスコップを振り上げると、
『恵子ちゃん、やめて!やめて!』
と女の子たちが泣きながら叫んだ。
走ってきて、惨状を見た先生たちは仰天し、私に説明を求めた。
『止めろと言われたから、一番早そうな方法で止めました』
先生は戸惑った様子で、暴力は駄目だとしどろもどろになった。
『でも、止めろって皆が言ってたんです。私はああすれば山崎くんと青木くんの動きが止まると思っただけです』
先生が何を怒っているのかわからなかった私はそう丁寧に説明し、職員会議になって母が呼ばれた。
なぜだか深刻な表情で、『すみません、すみません……』と先生に頭をさげている母を見て、自分のしたことはどうやらいけないことだったらしいと思ったが、それが何故なのかは、理解できなかった。


上を読んでいた時、「親譲りの無鉄砲で子供の時から損ばかりしている。」とそっくりじゃないか、と思わずにはいられませんでした。

主人公はかなりの部分が作者の分身らしく思われるけれど、どこまで事実で、どこからがフィクションなのでしょう?おそらく100%の写実でないとしても、かなりリアルな感じの描写が続き、とても楽しませてもらいました。誇張も大ありで、喜劇として大成功。
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by agsmatters05 | 2016-11-06 09:43 | 本を読んで | Trackback | Comments(2)
これも読書好きの姉からの差し入れでした。

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これが本人の直接の執筆ということは、読んでいてすぐわかる。芸能人が誰かに代書してもらった本とはちょっと違って、しっかり書かれていると思った。けれども、楽しい話を面白おかしく書いた本ではないので、やはり読んでいて重苦しい雰囲気が終始漂う。安倍公房という有名な作家、(前衛)脚本家,演出家との隠された愛についての本。長いこと世の中に知られないように守り通してきた二人の関係についての話。

この本について、または山口果林についてグーグルすると、いっぱい出てくる写真やコメント。たとえば、
http://laughy.jp/1416890353672157158
http://d.hatena.ne.jp/mmpolo/20131219/1387411969   (はてな)
http://ameblo.jp/takama0714/entry-11655090305.html  (アメブロ)
https://www.youtube.com/watch?v=7YirrwPEJwM   (ユーチューブ)
http://heiseiinnyokujiten.blog.fc2.com/blog-entry-305.html
などなど、延々と続くのですが、ここでちょっと思いついてしまいました。

なにやらもらったものに返事をしないことを「ボブディランする」という若い人の言葉使いがあるらしいのですが、
これ式でいくと、長いこと隠してきた秘め事をオープンにすることを「山口果林する」と言える。

ご本人は、愚痴にならないように、自慢話にならないように気をつけて書いたとおっしゃってましたが、やっぱり、苦しみと楽しみの両方を(たぶんたっぷりと)味わわれた20年前のお二人とその家族たち:片方に偏る見方は第三者である限り、控えておくべきなのかも。

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読後感はとにかく一口で言うとしたら、「重い課題について書かれた本だ」というようなこと、でした。

姉が差し入れてくれる本はどれも読みごたえはあるのですが、あれこれバラバラなテーマなので、前に読んだ本と今度読む本とのつながりが全くない。あとまだ数冊手元にあって、読書続行中だけど、学校も始まってしまい、同じペースで読み続けるのはちょっと無理かもです。夜な夜なゲームをしなければもっと読書のための時間がとれるんだけど・・・(苦笑)。
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by agsmatters05 | 2016-11-03 10:20 | 本を読んで | Trackback | Comments(3)

紅茶国で日本語教師。でも、身の回りのいろんなことを気ままにつづっていきます。日本語教育のほかに、イギリス風景、たまには映画や料理や本やニュースや旅のことなど。


by dekobokoミチ
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