2017年 03月 18日 ( 1 )

宮下奈都「羊と鋼の森」

一週間があっという間。毎週金曜日に会うキムさんと、「早いですねえ、一週間が。」という挨拶をいつも交わす。ったく、昨日のことのように先週の金曜日を思い出し、この一週間は本当に一週間だったのか、などと感じてしまう。よって、読書予報の記事 ⇐ここ を載せてから、かれこれ3週間もたってしまった。その時載せた写真の本の中の今は3冊目を読んでいるけれど、読んですぐ記事がかけなくて、こちらも溜まり気味。読んですぐ書かなければ、感想文もきっと賞味期限の過ぎたものになってしまうのではないか。

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1967年生まれの著者、宮下奈都(なつ)さん。今年50歳にならはる。上智大学文学部哲学科卒、と本のカバーの裏の内側に記してある。上の表紙の帯には、「ピアノの調律に魅せられた一人の青年。彼が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。」と。

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ピアノは、ピアノ線(鋼、はがね)と、それを叩くハンマーをおおうフェルトを作っているいい羊毛からできているのだそうで、そこからタイトルの「羊と鋼の森」という言葉がきているのだとか。つまり「森」はピアノであり、ピアノから流れ出る音楽のこと、といってもいいか。

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作者が女性で、主人公が若い青年ということに、やはり終始距離感(作者と主人公との)を感じないわけにはいかなかった。読み終わったら、作者の創作の用意周到性に、脱帽したと認めざるをえない感じ。本の最後に、著者の「謝辞」というページがあって、

「この物語の執筆にあたり、快くお話を聞かせてくださった調律師の方々に心から感謝いたします。中でも、若い情熱と明晰な語りで調律への戸口を開いてくださった阿部都さん。素晴らしい技術と知見、名立たるピアニストたちとの数々のエピソードで、豊かな調律の世界を垣間見せてくださった狩野真さん。そして私のピアノを四十五年に渡って見守り続けてくださった上田喜久雄さんに、この場を借りてお礼申し上げます。また、作曲家の笠松泰洋さんには、あふれる音楽への愛情と深い洞察を惜しみなく分けていただきました。ほんとうにありがとうございました。」


この「謝辞」があって、はじめてこの作品全体が納得できたような気がしたといったら、私の読み方ははたして「まっとうな」読み方だったのかな?

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by agsmatters05 | 2017-03-18 07:40 | 本を読んで | Trackback | Comments(2)

紅茶国で日本語教師。でも、身の回りのいろんなことを気ままにつづっていきます。日本語教育のほかに、イギリス風景、たまには映画や料理や本やニュースや旅のことなど。


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