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紅茶国C村の日々

3(日) 福田清人「春の目玉」講談社

昨日の土曜学校で、年2回の校内行事、古本市がありました。
体育館いっぱいに広げられたたくさんのダンボール箱。2回の休み時間に生徒たちはいっぱい買い込んでいました。おおきな紙袋に三つも四つも。

父兄の方たちの協力で、帰国する家庭からの寄付もいっぱいあって、相当大きな規模の古本セールです。セールといっても1冊10ペンス=25円、とか30円とか。ミチも休み時間を利用して、一部をのぞかせてもらいました。本当にほしい本を探すなんていう時間はないし、相当な混雑状態なので、とにかく目に入ったもの、役に立ちそうなものをそそくさと選んでみました。体育館の入り口近くには無料コーナーもあり、古いビデオテープや古い雑誌や子供の本など。

漢字の成り立ちのビデオテープとか、アンパンマンのひらがな学習本とか、文芸春秋の昔の特集本とか、1ポンド(250円)にも満たない値段で全部で10点ほど、買わせていただきました。

そのなかの一冊、表題の本、昭和41年第9冊発行とありますから、今からかれこれ40年以上前の本でした。黄ばんではいましたけど、箱入りで、帯には「国際アンデルセン賞優良賞受賞」、第11回サンケイ児童出版文化賞受賞、とありました。明治37年長崎県生まれの作者は執筆当時立教大学の教授だと、著者紹介欄に書いてありました。

雨模様、風模様の師走最初の日曜日、ストーブにかじりつくようにして、久しぶりの読書をしました。主人公の草夫少年の生まれから、旧制中学入学までを描いた生い立ちの記ともいえる物語でした。九州の山村、漁村が舞台で、明治、大正ごろの子供の目からみた話。

その中の一節(191ページ)
2,3日して、ふとお杉(主人公のお母さん)が繁左衛門じいさんに、きいてみよといった診察室の大きながくのことを、草夫はたずねて見ました。
「おじいさん、あの額に書いてある字はなんとよみますか。」
「うん、寿而康(じゅにしてこう)・・・・寿というのは長生きすること、康は健康の康だよ。人は長生きをしても弱くちゃいかん、健康でなくてはならん。長生きし、健康であれということばだ。横に松香山人と書いてあるのは、あの大きな字を書いた専斎先生の雅号だ。」続く

Commented by marri at 2007-12-03 08:13 x
そんなにたくさんの本の中から引っ張り出した本。アンデルセンって文字が教育者の目を惹いたのかな?
さて・・・ここまでの内容からして。どの様な発展を?っていう問題じゃなくって^^;;
寿而康(じゅにしてこう この言葉はまさに私に宛てての発信と受け止めました。今膝と言う黄信号の前に立って、日頃から人々に口を酸っぱくしていっている「健康に歳を重ねる」という事から遠ざかりつつある我が身を憂えます。
だから・・・貴女ってとっても良い本を紐解いてくれたってことです。
続きを知りたいです。他人の褌でって。このことですかね^^;;
Commented by マデレン at 2007-12-04 06:01 x
Mariiさん、あのね、引用箇所はほんの一部で、物語全体とはあまり関係ないともいえるんです。草夫の父親が医者で、その父は士族の出。母親お杉は農民の出なので、おじいさんからことあるごとに貶められているのです。でもお杉は草夫の父を助けてよく働き、静脈注射の練習のモルモットになったりして夫と家族のために身をささげている、という状況で、上のような一文が出てくるのです。そして、これは物語のほんの一こまで、本全体に深く関わるわけでもないのです。というか、こういう状況で、草夫は将来医者にはならないことを決心するのでした。
Commented by マデレン(2) at 2007-12-04 07:11 x
それはともかく、引用の一文は、Marriさんにもなにかメッセージ(訴えるもの)があったら、さいわいでした。私自身にもこの一文は、フムフムと思わせるものがありましたの。今は健康を空気のようにあたりまえのものと思ってますのに、これはいつまでも続くものではないですからね。健康で長生きが叶わぬとしてだれがそれを責められましょう。いつの日か、かならず今の健康には限りがあることを肝に銘じて、毎日健康に生きていられることの価値を感謝し、ありがたくエンジョイしなくては、と自分に訴えてきた文章でした。
(なんだかちょっと硬くなっちゃった。)
Commented by marri at 2007-12-04 13:16 x
いいえ。決して硬くは無いです。
今のワタクスにはズンと染み入るお言葉の数々です。
されど・・・このままではない。きっとシャッキリしてみせるぞの心意気なんです^^;;
by agsmatters05 | 2007-12-03 06:10 | 本を読んで | Comments(4)

紅茶国で(元)日本語教師(今もちょっとだけ)。身の回りのいろんなことを気ままにつづっていきます。日本語教育のほかに、イギリス風景、たまには映画や料理や本やニュースや旅や、家族のことなど。

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