宮下奈都「羊と鋼の森」

一週間があっという間。毎週金曜日に会うキムさんと、「早いですねえ、一週間が。」という挨拶をいつも交わす。ったく、昨日のことのように先週の金曜日を思い出し、この一週間は本当に一週間だったのか、などと感じてしまう。よって、読書予報の記事 ⇐ここ を載せてから、かれこれ3週間もたってしまった。その時載せた写真の本の中の今は3冊目を読んでいるけれど、読んですぐ記事がかけなくて、こちらも溜まり気味。読んですぐ書かなければ、感想文もきっと賞味期限の過ぎたものになってしまうのではないか。

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1967年生まれの著者、宮下奈都(なつ)さん。今年50歳にならはる。上智大学文学部哲学科卒、と本のカバーの裏の内側に記してある。上の表紙の帯には、「ピアノの調律に魅せられた一人の青年。彼が調律師として、人として成長する姿を温かく静謐な筆致で綴った、祝福に満ちた長編小説。」と。

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ピアノは、ピアノ線(鋼、はがね)と、それを叩くハンマーをおおうフェルトを作っているいい羊毛からできているのだそうで、そこからタイトルの「羊と鋼の森」という言葉がきているのだとか。つまり「森」はピアノであり、ピアノから流れ出る音楽のこと、といってもいいか。

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作者が女性で、主人公が若い青年ということに、やはり終始距離感(作者と主人公との)を感じないわけにはいかなかった。読み終わったら、作者の創作の用意周到性に、脱帽したと認めざるをえない感じ。本の最後に、著者の「謝辞」というページがあって、

「この物語の執筆にあたり、快くお話を聞かせてくださった調律師の方々に心から感謝いたします。中でも、若い情熱と明晰な語りで調律への戸口を開いてくださった阿部都さん。素晴らしい技術と知見、名立たるピアニストたちとの数々のエピソードで、豊かな調律の世界を垣間見せてくださった狩野真さん。そして私のピアノを四十五年に渡って見守り続けてくださった上田喜久雄さんに、この場を借りてお礼申し上げます。また、作曲家の笠松泰洋さんには、あふれる音楽への愛情と深い洞察を惜しみなく分けていただきました。ほんとうにありがとうございました。」


この「謝辞」があって、はじめてこの作品全体が納得できたような気がしたといったら、私の読み方ははたして「まっとうな」読み方だったのかな?

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Commented by Marri at 2017-03-19 20:13 x
賞味期間まで考えての読書って。
やっぱり、みんな時間を作って思いを達成するのですね。
何が辛いって視力の衰えです。クルマの運転も不自由になりつつあります。
単行本なんてもう、何年も読んでないなぁ~!先日もカープの黒田投手の本を持ってきてくれましたが。結局読まずに返したよ。
又吉の芥川賞受賞作の「火花」も知らないのよ。貴女は立派です。恥ずかしい私です。
Commented by agsmatters05 at 2017-03-20 04:57
なにをおっしゃいますか、Marri姉さん。昔(笑)、ブログを書き始めたころ、Marriさんがいろいろ読まれた本のことを記事に書いていたのを覚えていますよ。何を隠そう、私もMarriさんのすぐ後を追う身(3年、かな)。なるべく明るいところでしか読めません。そして、部屋の天井にあるライトのほかに、卓上ランプも使います。退職してから、時間つぶしに、読書の楽しみがリセットされました。いい本を日本から送ってもらって、一度読んだきりでもったいない。この後どうしましょう。どなたか読みたい人に分けてあげたいな、とおもっています。又吉の「火花」ですか、読みたいなあ・・・。
by agsmatters05 | 2017-03-18 07:40 | 本を読んで | Trackback | Comments(2)