オックス・ブリッジ受験生

日本では大学入試センター試験が、1月14,15の二日間行われましたね。雪で大変な受験地もありました。今年の受験生は約56万人とか。

イギリスには、127の大学があり、一つを除いて全部国立となっています。ここにその127の大学の一覧表が、のっています。http://www.thecompleteuniversityguide.co.uk/league-tables/rankings 入試成績、学生の満足度、研究の質の高さ、大学院の将来性 、全体評価(トップが1000点、最下位は322点)=Standards、Student Satisfaction、Research Quality、Graduate Prospects、Overall Scoreとなっていて、この順位表は リーグ・テーブルと呼ばれています。イギリス全国の中学、高校(セカンダリー)も、プライマリー(小学校)もこういう順位(リーグテーブル)にはりつけられることからまぬがれることはできません。その意味では本当にシビアです。

そしてイギリスの大学入試は、日本のように一度の試験で合否が決まるようなことはありません。そういう意味での大学入学試験というのは、ないです。高校時代の成績、学業態度全般(出欠も含む)、行動、本人の意志、特技といったいろいろな面を総合的に考慮されるのですが、受験生は一人5つの大学まで志望校をきめて、願書をUCAS(ユーカス、センター)というところへ送ります。

UCAS(University & College Admissions Service)とは、イギリスの大学へ入学するための総合出願機関です。イギリスの学士課程に入学するためには、この機関を通じて出願することが必要です。

.出願フォームに入力しなければならないことは、

Personal details 個人情報(国籍、資金状況など)
Choices 出願するプログラムと学校コード
Education 学歴、取得学位と成績
Employment 職歴
Personal statement 志望動機書*3 47行(または4000語)まで (⇐)これはとても大事!
Reference 推薦状 47行(または4000語)まで


一人5つまで大学を選んで、UCASセンターが各受験生の書類をそれぞれの志望の大学へ送ってくれます。大学側では収容人数と志願者数をにらみ合わせながら、志願者の成績をみて合格見込みを判定します。ある大学である受験生を合格にするかどうか、卒業の年(願書提出の翌年)8月に発表されるAレベルという3科目の資格試験の結果を予測して、それが全部A(成績として優のこと)なら合格とか、ABBなら合格とかいうような条件を付けて見込み判定をします。(これをオファーといいます。)場合によってはどんな成績をAレベルでとろうとも、不合格である、という判定を決める場合もあります。実際は翌年8月(つまり去年願書を出した生徒らにとっては今年の8月ですが)そのオファーの条件を満たすAレベルの成績がとれれば合格が確定し、そうでなければ別の大学へ行くか、一年浪人するかというようなことを決めなければなりません。実際は5校選択するなかで、レベルがある程度わかっているので、たとえばBBBでも合格できるとか、無条件合格(アンコンディショナル・オファー)がもらえるというような大学を5校のなかに入れておけば、浪人の心配はないわけです。大部分の受験生がこうして志望校を決めていくのですが、中には、どうしてもこの大学のこの学部でないといやだという人は、翌年再受験をすることもできるわけです。

インタビュー(面接試験):オックス・ブリッジと呼ばれる二つの大学、オックスフォード大学とケンブリッジ大学は、他の大学とは別枠として扱われ、この二つは同時に受験することはできない、どちらか一つを選ばなければならない、ことになっています。そしてどちらの大学もUCASフォーム(ユーカス願書)を受け付けた後、受験生に面接試験を課します。11月ごろにはオックス・ブリッジの受験生はそれぞれ大学から呼び出されて個別に面接試験を受けに大学へ行きます。(場合によっては、面接試験の前に不合格になる場合もある。)

そうして年が明けて1月の十日過ぎ、(今年は11日水曜日でしたが)ほぼ一斉にオックスフォード大学とケンブリッジ大学のそれぞれの学部、カレッジへの合格発表が届いたのでした。


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とまあ、長い説明。読みにくかったでしょうか? 上の写真は去年の10月にケンブリッジ大学への受験生を一人連れて、ケンブリッジ、クイーンズカレッジの卒業生リユニオン・講演、食事会(アカデミック・サタデーと呼ばれるイベント)に行った時、カレッジ内の食堂の壁に貼ってあったポスターでした。

キープ・カーム=落ち着け!というのは、いい言葉ですよね。みんなカッカと来てる人が多いから、とにかくカーム・ダウン(気持ちを静める)して、勉強せい!とか、下の写真は、とにかく卒業せいとか。(笑)

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実はこんな記事を書いているのは、今年私は二人の13年生(ということは高校3年生、つまり大学受験生)を抱えていて、この二人(アッ君、オッ君)がなんとなんとなんとこの名門校にそれぞれ志願していたからでした。

もう去年の面接試験の頃は二人とも日本語の授業など気もそぞろでした。インタビュー(面接試験)といっても、複数の試験官が一人一人、その適正、表現力、知識、意欲、態度、とにかく直接会って得られる情報をすべて総合して、受験生の合否判定に役立てる、というものです。オックスフォード(Nカレッジ)を受験したオッ君はフランス語とロシア語を専攻することを前からきめていたのですが、面接試験では、どんなフランス文学、ロシア文学の本を読んだか、それについて意見を述べよ、みたいなことも聞かれたようでした。ケンブリッジ(Hカレッジ)を受験したアッ君は、自然科学専攻だったのですが難しい科学の専門知識を聞かれたみたいでした。

オックスフォード、ケンブリッジ両校は、たいへん似通った制度を持っている大学だけど、どことなくカラーがあって、これはちょうど日本の東大、京大がよく比較されるような、カラーの違いに似ている気がします。決してケンブリッジが東大とか、オックスフォードが京大に近い、などというつもりはないです。ただ、これまでどんな生徒がオックスフォードに受かり、どんな生徒がケンブリッジに受かったかを経験的に感覚的に思い起こして、とにかくケンブリッジという大学はすべてに優秀で優等生タイプの秀才型、オックスフォードのほうはどちらかというと、個性的で、一芸に秀でている学生(つまりオールラウンドではないけれど、相当優秀な学生)も認めてもらえる大学、というようなイメージを(個人的に、私見ですが)持っていました。

この意味では、オッ君はケンブリッジ型、アッ君はオックスフォード型なので、実は志望校を逆にしたほうがいいのではないかしら、などと私はひそかに余計な心配をしていたのでした。

でもって結論。聞いてください、二人とも合格だったんです!

直接私が何をしたということは全くなくて、ただ日本語を数年間放課後ずっと教えてきた生徒たちというだけなんですが(二人とも、2014年に東京へホームステイ日本語研修旅行に参加した生徒たちです。)とにかく、やったー!バンザーイ!おめでとう!おめでとう!おめでとう! 

なのでした。

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オッ君アッ君は今年の5月には、学校を離れていきます。卒業です。Aレベルの日本語試験を受けるまでは週一回のペースで学校で会い続けると思いますが、そのあとはもうAレベルの受験科目を受ける勉強に各自の家で専念するだけでしょう。8月のAレベル試験の結果が発表になったら、なかば恒例になっているC村での日本語卒業生食事会にご招待しようとおもっています。その時はこの二人に、トランプのブリッジ・ゲームを教えこむ予定です。もう今からその日が待ち遠しくてたまらない。(爆笑)
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Commented by konatum at 2017-01-15 21:11
おめでとうございます♫
おっくんは、結構ミチさんの文の中に出てきましたよね。
ホント、良かったですね。

日本は、大学に入れば、勉強しなくなるって、よく聞きますね。。。

まぁ、私は入る前も入った後もあんまりしませんでしたけど。。。あはは
Commented by agsmatters05 at 2017-01-16 05:28
小夏さん、
そう言えばオッ君という名前はたくさんあって、初代、二代目、三代目とつづきます。初代オッ君は今東京にいます。ときどきスポーツ観戦の写真をFBにアップしてくれる。上の記事のオッ君は二代目で、2年前にスピコンでトップになった生徒です。http://agsmatters.exblog.jp/23300057/       かれこれ6年間ぐらい放課後のクラスで日本語を勉強してくれました。彼は本当に真面目でやらなければならないことを先にやるというタイプです。そしてやるべきことを進んでやるというタイプです。彼に出会えたことも教師冥利でした。
Commented by marri at 2017-01-21 19:31 x
お二人さん、おめでとうございます。
オックスフォード、ケンブリッチ。どちらも日本の東大ですか!
貴女の生徒さんの優秀なこと。難関を突破ですね!
日本の大学と違って、他国の大学は入る時より出る方が難しいとか?
卒業は狭き門と聞いたことが有りますがこれは間違っているかしら?
Commented by agsmatters05 at 2017-01-22 12:03
marriさん、
コメントありがとうございます。

オックスフォード大学、ケンブリッジ大学と言えば、世界でもトップレベルの名門大学ですよね。入るのも出るのも簡単なことじゃないとおもいます。上で書いた二人は、もともと優秀、プラスまじめ、プラス努力ができる力がある。というわけで、私とは直接関係ないのに、あやかり組の一人として喜ばせてもらってるわけです。日本語は二人の合格理由に必須な科目ではありませんでしたのでね。日本語を勉強してなくても、おそらく二人は受かっていたとおもいますし。
by agsmatters05 | 2017-01-15 10:08 | Trackback | Comments(4)