佐藤泰志著「そこのみにて光輝く」

これ(↓)は長姉から。なぜこれを、というようなことはさっぱりわからないのですが、姉には姉なりの理由があって、読む必要(価値)のない本など、ゆずってくれるわけもないので、ありがたく読ませてもらいました。

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芥川賞候補に5回あげられて、落選を続けた北海道出身の作家で、90年、41歳で「自ら死を選ぶ」と、本のカバーの内側に書かれていました。1949年生まれ。生きることと書くことを重ね合わせて、身を削るようにして書き続け、疲労困憊してしまわれた感じ。最近(死後20年以上経って)再評価され、映画やテレビ番組などに取り扱われているとのこと。そんな話題性から、この本を(姉が)選んでくれたのかもしれない。

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第一部 そこのみにて光輝く
第二部 滴る陽のしずくにも

タイトルが希望や救いを暗示してくれているのに、作品の中にはあまり希望や救いが見えない。重く、暗く、ともすればどんどん深い暗闇に巻き込まれてしまいそうな印象。大きな悲劇には到らず、日常が壊されそうで壊されていないまま作品が終わる。やっぱり、このあやうさを抱えこんで創作活動(執筆)を続けることが、息切れ(生き急ぎ)と結びついたのではなかったか。
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by agsmatters05 | 2016-11-07 07:36 | 本を読んで | Trackback | Comments(0)