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紅茶国C村の日々

口頭試験とスクール・リーバーズ・デイ

5月11日(月曜日)今年もなんとか無事 GCSE日本語のスピーキング・テストを終えました。全部で8人。

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今年はボード・ルーム、つまり会議室を使いました。ここは歴代の校長の額や、過去の全校生徒の集合写真(一枚に1500人ぐらいが一挙におさまっている横長の大きい写真で、数年に一度撮影されて、これまでの分がすべて10数枚、壁いっぱいにかかげられている。)や、数々のトロフィーやカップが飾ってある棚もある部屋。そんなに大きい部屋ではないのですが、普段は鍵がかけられていて、試験のために使うといっても、前もって予約しておかないといけない部屋。なにしろGCSE試験というのは、一生ついてまわる資格試験なので、たびたび書いてきましたけど、水戸黄門様の印籠のようなもの。

最初の6人は11年生。このうちの3人は去年の10月に東京へ一週間ホームステイに行ったメンバーですから、かなり日本語は達者です。後の3人は達者と言うほどではないけれど、2(+アルファ)年間勉強してきた成果をここで発揮しなければならない場面にたたされているので、いってみれば彼らにとっても勝負の時。

毎年書いてきたことですが、GCSE日本語スピーキング・テストというのは、一人約10分間ぐらいのスピーチと会話を録音するものです。生徒は前もって2分間ぐらいのスピーチを各自用意しています。それは丸覚えしてなくても、B5の用紙に単語は30語、絵ならいくらでも書いていいというメモの持参が許されています。10分間の録音時間のうち半分のタスク1 では、この2分程度のスピーチとそれについての質疑応答。 残りの4,5分は
タスク2 として、一般的な会話(ジェネラル・カンバーセイション)ということになっています。

大きなディザスター(惨劇)はなかったと思われる今年の口頭試験でしたが、あの子、この子、ああ言えばよかった、ここが間違えたというのは、いくつかありました。完璧な会話ができるようなら、ネイティブスピーカー並みと思われるわけですから、中等教育段階(GCSEレベル)では、そこまで要求してないような気がします。

いつ、だれと、どこで、なにを、どうして?というような基本的な質問を中心に、旅行のこと、音楽のこと、食べ物のこと、スポーツのこと、趣味のことなどを話し合うわけです。録音は今年も AUDACITY (オーダシティー)というソフトを使いました。これを一人一人MP3ファイルに保存して、最後はCDに焼いて、試験本部に送ります。GCSE日本語試験は、一人4技能(話し、聞き、読み、書く)にわたって受けることになっていて、スピーキングテストは終わったのですが、聞き、読み、書くという試験は6月に予定されています。

ところがこの日は、この学校の最上級生(13年生)の学校最後の日でもありました。卒業式のようなものはなくて、この学年の全体集会が2時間ぐらい、校長や学年主任と一緒に、過去の動画などをたくさん見ながら、階段教室で開かれました。今年は私はこの行事には全然参加できなくて残念。だって、11年生の口頭試験と重なってしまったから。 13年生は、お祝い気分とちょっぴりお別れ気分をミックスした、特別なイベントを楽しむ一日となっているわけです。というわけで、まさかこの日に試験をするのは酷でしょうから、13年生の二人の口頭試験は日にちをずらして行いました。

ある生徒の録音中、窓の外がうるさくて困りました。窓の外では、
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13年生が思い思いの衣装を凝らして、仮装大会を楽しんでいました。
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今年のテーマは、テレビ番組の登場人物ということだったそうです。
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あんまりひどいコスチュームは一、二、副校長のエル先生が却下したとも言われてましたが、これ(↑)なんかすごい!男の子なんですよ。
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こういうところが、さすがユーモアの本場の国という気がします。みんな上手ですよね。
大金をかけずに、工夫を凝らして、仮装を楽しむという風習が浸透してるというか。
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これ(↑)とこれ(↓)が、わが日本語の生徒二人。2年間、いろんな困難もありましたが、真面目によく努力してくれました。卒業といってもまだ完全に試験が終わったわけではないので、微妙な祝賀会ですが、
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上の二人には、一応最後の授業の日には、「日本語を選択してくれてありがとう」と伝えることができました。ホンネは、もうちょっと伸びてほしかったという気持ちもあるのですが、途中放棄した生徒のことを考えると、この二人の生徒はよくがんばったとほめてやりたいです。二人ともAレベルの試験の結果次第で大学進学が決まるし、すでに内定はもらっているので、GCSE日本語試験が大学進学に影響することはないです。

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教員も、この日恒例のBBQランチのためには5ポンド(900円ぐらい)で前もってティケットを買っておかねばなりません。
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サラダと大きな肉のハンバーグをお皿に入れてもらう行列のあいまに、おかしな衣装を後ろから撮らせてもらいました。

そうして、デザート。スイーツ。これが半端じゃない。おそらく前もってこの卒業学年の生徒の親たちにメールが送られて、デザートの寄付大歓迎ということが伝わっているのでしょう。毎年すごい量のデザートが集まってきます。どれもこれも、ホームメードのご自慢のケーキ、デザート、スイーツの、オンパレードです。
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去年はこのスイーツを配る役をボランティアでやったのですが、今年はあいにく口頭試験と重なってしまい、何もお手伝いができませんでした。


とにかく、7年間すごしたこの学校をまた180人の生徒らが出ていったのでした。








去年のこのリーバーズ・デイの記事。非公開になっていたけど、いつの日か公開記事に変更できるかもしれないので、覚書のために、ここ へ飛ぶ。
by agsmatters05 | 2015-05-19 10:14 | Comments(0)

紅茶国で(元)日本語教師(今もちょっとだけ)。身の回りのいろんなことを気ままにつづっていきます。日本語教育のほかに、イギリス風景、たまには映画や料理や本やニュースや旅や、家族のことなど。

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