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紅茶国C村の日々

7月6日(日) JLPT監督をキャンセルした件。

昨夜3時間ぐらいかけて書いたこのタイトルの記事を、ふとしたことで失ってしまいました。
残念無念だ。気を取り直して、再挑戦します。

M25 (Mというのは Motar Way のM. つまり高速道路。大都会ロンドンをぐるっと遠回りに囲んでいる環状線。C村からロンドンへ行くときは このM25の ジャンクション20からジャンクション13までを走ります。)
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この記事に載せた写真は後日撮った写真ばかり。でも、話はトリング・レザヴォア(貯水池)を後にして道子さんと二人でM25を通って、アールズコートのホテル・アイビスまで移動中のところからはじまります。実際はもうちょっと車の台数が多く、夜8時過ぎでした(まだ明るかったけど)。

運転者(私)の心臓が異様な主張!を始めたのでした。「異様な主張」? ものは言いようですね。要するに、ドッキンドッキンと妙に鼓動が大きくなって、頭の周りがちょっと締め付けられるような感じがありました。決して痛みではなかったのです。ただ、ふつう、ふだん、人は自分の心臓の存在などを意識することはあまりないですよね。でも、私はどういうわけか、
この頃=6月13日の記事(←をクリックしてください)

から、午後から夕方、夜にかけて、このハートの「いやに気になる鼓動」「ドッキンドッキン」と「頭のまわりを締め付けられるような感じ」の自覚がありました。医者にも行き、検査もしてもらい、薬も飲み始めていました。コレステロールがかなり高い!という血液検査の結果でした。いろんな人にいろいろな話を聞いたり、ネットで読んだりして、動脈硬化?、血管壁にプラーク!? 等々の兆候ではないかとうすうす感じ始めていた時でした。

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道子さんにもわけを話して、ゆっくり静かに運転しながらホテルに着いて、とにかく彼女の部屋のベッドに横たわらせてもらいました。休むのが一番だと思いました。ベッドに横になってもまだ長いこと心臓がうるさいくらいに脈打っていました。道子さんは私の脈をとって、「不整脈がある。10回に一回は止まってる。」というではありませんか。この前の日に受けていた静止状態での心電図は、まったくきれいな正常グラフだと言われていました。休めば治る、とは思いましたが、いつこの「心悸亢進」が静まるのか、不安でした。

ここでもう一つ、不安をつのらせることがありました。ちょっと長くなりますが、まあお付き合いください。

道子さんには2008年、今から6年前に生徒の一人をホームステイで預かってもらったことがありました。GCSE日本語 という全国試験に100点満点をとったほどの優秀な生徒でした。G君。彼の受け入れについて、道子さんもそれはそれはいろいろとご苦労、ご面倒を計らってくれたのですが、その時、同時にOさんという方がいっしょにいろいろお世話をしてくださったのでした。Oさんから最初にメールをもらったとき「私は道子の悪友です。」と自己紹介されて、びっくりしましたが、二人してG君の行動全般に関わってくださり、それはそれはお世話になったのでした。その後、G君が紅茶国に戻ってから、お礼に何か送りましょうか?とメールすると、O女史、「夫がどうしても手に入らなくて困っている本がある。」とのことでした。Oさんの旦那様はフランク・シナトラの大ファンでシナトラの本を訳されたこともあるとか。それで、ご注文通りアマゾンで探して、ゲットできました。知らずに注文した先はアメリカで、そこからイギリスへ、そして日本へと、この分厚いシナトラの本は長旅をすることになったのでした。ところが、この本がついたのか、つかないのか、返事がない。送ったとは知らせたので、着かなかったらなにか連絡があるはずと思って私も忘れてしまうことにしました。

それで、車の中で道子さんにふと「Oさん、どうしてる?シナトラの本、送ったのよ。」と私はいいました。なにしろ6年前のことです。 すると道子さんが「彼女、亡くなったよ。そのちょっと前から心臓がバクバクすると言ってったんだけど。夕方6時半ごろ、ちょっと旦那さんが家から出られて戻ってこられたときにはもう亡くなっていたんだって。Oさんのお父様もそういう亡くなり方をされたんだって。」

バクバク! そういえば、私の ドッキン、ドッキンというのは、言葉を換えれば バクバク と同じじゃないか! ・・・

私の身内には心臓が原因で亡くなったという人はいないと思うのですが、コレステロールが高いということは、血管壁に脂肪の塊(プラーク?)がこってりとたまった状態になっていると考えられないこともないわけだし、そうなればいつ血管が破裂するか、または脂肪の塊がひゅっと動いて動脈もしくは脳の血管をストップしてしまうことが起こらないとも限らないではないか。

(ちなみに、日本では年間5万人以上がこの心臓突然死をおこしているそうです。 このサイト  はとても心臓の病気(動脈硬化、狭心症)について、いい説明をしてくれています。さそさん、ありがとう。)  「心臓が発する危険信号を見逃さない|総合南東北病院 広報誌健康倶楽部 」 というサイトです。http://www.minamitohoku.or.jp/kenkokanri/201109/sinzo.html


M25
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ベッドに横たわり、10分、20分、30分、じっと心臓が静かになるのを待ちました。ここで考えたことは、
(1)救急車、病院、それほど シリアスかどうか?
(2)大丈夫とはおもうけど、メグ、セガ と連絡とってみようか。
(3)明日のJLPT監督、どうしよう?

でした。(1)と(2)は、とにかく安静にしていればおさまるという気がしていたので、すぐに却下。でも(3)は重大問題です。 困りました。


夜の電話
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JLPTというのは、日本語能力試験。毎年世界中で70万人前後が受けている試験。年に2回あって、この7月6日にはイギリスでもロンドンとエジンバラで試験が行われ、ロンドンでは、SOAS(ロンドン大学アジア・アフリカ研究所)が会場となり、約500人がおよそ20ぐらいの教室に分かれて行われまるものでした。この日監督にあたっていた人の数は28人、補助員が16人。相当大きなイベントです。

この監督(アルバイト)役を引き受けたわけは ここ で書きました。総責任者の J 先生が 大使館のスピコン当日、キャンセルが出て困っておられて、私は喜んで引き受けたのでした。用意する書類もいろいろあって、私は ナショナル・インシュアランス・ナンバーと呼ばれるカード、イギリスで働く人にはすべてに与えられる労働許可証のようなカードのコピーも裏表しっかりとカラー印刷して、準備してありました。

どなたかほかの方のキャンセルの後釜として入った私。事前説明会(私だけの)の日には、J 先生は、よかったわ、たすかりました、と安心しておられたのが、今もなお記憶にありありと・・・。 

心臓か、試験監督か、どっちをとるかの判断をするのに、たいして時間はかけられませんでした。前日の夜10時と言えば、ドタキャンもいいとこですよね。歯ぎしりする思いでキャンセルを申し出なければなりませんでした。痛恨の極み、面目丸つぶれ、そして J 先生が、あらら、それは困りましたわね、まあどうしましょう、と焦って眉を曇らせるお顔が目に浮かびました。でも、キャンセルするなら 夜のうちにしておかねばなりませんでした。朝になったら、私の心臓は静まっていることはほぼ8割わかっていました。(いつも朝は調子が良かった。)だけど、そのためには今夜中にC村に帰っていなければいけない。C村とホテルの距離は80キロ。もうこの日すでに1往復半しているわけで、どうやって今夜中にC村に無事帰れるか。タクシー?それも考えましたが到底採算が合わない。お金の問題じゃない、信義の問題だとしても、やっぱりここはお詫びを入れるしかない、という結論に至りました。

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電話で監督役をキャンセルさせてもらってからは、とにかく安静にして身体を休めることに徹して過ごした一夜でした。後日、J 先生は、私のお詫びイーメールのお返事に、無事人員の配置を入れ替えてなんとか試験は終了できました、と書いてくださいました。

一夜開けて 
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何しろ翌朝になったらケロッとしていたわが「シンゾーくん」、 

といっしょに、早々にホテルを引き上げて、片道80キロのC村へ戻りました。この記事のトップに載せた3枚の写真のような、日曜日の朝の、閑散とした幹線道路でした。夕べの「心臓バクバク」がまるで「嘘」のような朝でした。

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その夜、ロンドン見物を終えた道子さんにC村から電話しました。「ありがとう、おかげさまで昨夜はよく眠れたよ。もうすっかり落ち着いたから、これから気を付けるから、心配いらないよ。あなたも気を付けて日本に帰ってね。健康診断受けてほしいな・・・。」

彼女は日頃ニトログリセリンを医者から処方されている人で、私にも一粒分けてくれました。「ちゃんとネットで調べて(ニトログリセリンのこと)、使うのよ。いい?わかった?」 「うんわかった。またすぐイギリスに来てね。待ってるよ。」

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「喉もと過ぎれば熱さわすれる」とはこのことでしょうか。
電話しながら、前の夜二人で慌てたときの思い出がよみがえってきました。ベッドに横たわる私の腕をとって、脈拍をはかっていた道子さん。そのうちに私がじっと休んでいるのを見届けた彼女、「あなた、死なないでね。すぐ戻ってくるから。」
私:「えっ? 大丈夫よ私。でも、あなた、どこ行くの?」 
道子さん:「ちょっと外でタバコ吸ってくるから。」

人生ってドラマ。こんな会話を書ける脚本家がいるでしょうか。
思い出しては、おかしくて、おかしくて・・・。

なにしろ私は大事な10月の日本行きを控えているのに、こんなところでひっくり返ってなんかいられません。

くれぐれも気を付けたいとおもっています。よって次の記事は、この予告によれば、

3)病院へ行った件 - 心臓の話


となっています。これまでの医者と検査と薬の話をまとめて書いてみるつもりです。

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「そして人生は続く」(「中原ラボ」の言葉) のであります。
Commented by konatum at 2014-07-24 16:47
ミチさん、心配ですよ。
心臓のエコー検査とか、されては?

わがやのおっちゃん、心筋梗塞したのは、一昨年の11月、やっぱり、コレストロールが高かったですね。
その二年前には、狭心症。

大変でしたよ。

Commented by agsmatters05 at 2014-07-24 23:19
小夏さん、
「わがやのおっちゃん」どのは、何か自覚症状があったのでしょうか?
コレステロールの数値はどのくらいだったんでしょうか?
なんて聞きたくなってしまいます。小夏さんの一昨年の11月の記事にすっとびましたけど、おしとやかな奥方は言葉少なに多くを語らず、さりげなく「大変でしたよ」でおしまいけ。
それにしても「わがやのおっちゃん」どのは無事現場復帰!すごい快挙ですね。病院も、お医者様も、奥方も(!)、全員のティームワークの勝利ですね。あらためておめでとうございました。「エコー検査」ってこの国にあるのかどうか。心電図は2回、静止状態と、トレッドミルという足踏み器に乗って心臓をチェックするのと、受けたんです。心臓はOKらしいです。問題は血管なんでしょうね。
by agsmatters05 | 2014-07-24 09:09 | Comments(2)

紅茶国で(元)日本語教師(今もちょっとだけ)。身の回りのいろんなことを気ままにつづっていきます。日本語教育のほかに、イギリス風景、たまには映画や料理や本やニュースや旅や、家族のことなど。

by dekobokoミチ