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紅茶国C村の日々

ジャパントリップ物語(続編) 歯ぎしりジャパ・トり マイ・プロ

歯ぎしり ジャパ・トり マイ・プロ・・・

「ジャパ・トり マイ・プロ」というのは、ジャパン・トリップ マイ・プロジェクト のことです(笑)。

先が見えてきた私の紅茶国での日本語教師職。私は、なにをかくそう、団塊の世代ですから、日本では多くの同世代の方々が、いったん職場を離れてまた再就職というお話もうかがっています。私にとっては、紅茶国の日本語教師職が再就職のようなものでしたから、この仕事をやめたら、おそらく再々就職というようなことは、この先考えられない。そろそろ引き際を用意しなければと思い始めて、それでも1-2年は経過しちゃったかな。じわじわと、グッドバイ・スクール・デイ が近づいています。まだ決めてないけど(笑)。

これまで11年間の日本語教師 在職中、何度も生徒たちから日本へ行きたいといわれてきました。そして個々にお引き受けくださった方々のおかげで、日本でのホームステイを今までに4人の生徒が「敢行・実現」してきました。J君が松山で、T君が小倉で、G君が宮崎で、そしてN君が京都+新潟で、それぞれのご家庭にお邪魔して、お世話になりました。(感謝しています。ぺこり) そのほかに、日本を旅行した二人の元生徒らが京都のセガ&アコちゃんとこで焼き肉を食べさせてもらったりもしましたね。

というわけで、在職中にせめて一度だけでも、生徒らを日本へ連れていってあげたいという思いが少しずつ私の胸の中に(癌細胞のように!?)たまってきて、やるなら今しかないという段階にきたことを感じていました。去年の夏休み前に 旅行関係のとりまとめ係りのG先生に会ったのが、学内で公けに動き始めた私の最初のアクションでした。それから、あちらこちらの旅行会社などにメールして、旅行の見積もりを出してもらいました。10人の生徒が10日間日本へ旅行するとして、二人の引率教師がいる場合、生徒が引率教師の費用も頭割りで出すことになるので、どうしても一人2200ポンド(38万ぐらい)というような大金が計上されてしまいます。

JTB(日本交通公社)の方にも何度か見積もりを出してもらいました。お返事をもらうのにも2-3週間はかかりますから、うっかりすると、夏の旅行の季節は通り越して、翌年の春の旅行プランの見積もりに換えてもらわなければならないほど。

見積もりが出ても、学内的に処理しないといけないのは、引率教師の問題。男子校ですから、たとえ5-6人の旅行でも、海外ともなれば2人はどうしても引率が必要だと。それも男性の教師でないとだめって。

結局、去年の秋と、今年の春、2度にわたって、学校に対して旅行プランを出してみたのですが、2度とも高額の旅行プランを半年ぐらいの短期間で発表すると保護者は費用を用意することができないので、だめという理由で日本旅行プランは却下されてしまいました。この間、引率してくれる男性の先生は、まったく偶然のことでしたが、見つかっていました。A先生。独身で男性で英語の教師。日本の茨城県で英語教師(ALT)をしたことがある、また日本へぜひ行きたい、と言うではありませんか。学内で、ただ一人、私を見れば、「コンニチハ、センセイー、オゲンキデスカ?」と日本語で声をかけてくれる先生。

でもって、この日4月24日(木)、朝10時50分。まえもってイーメールで予約してあった EVC(旅行調整係り)の G 先生に会いに行きました。
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予定の時間よりちょっと早くついてしまったので、隣の空き教室でまっていました。写真はその空いていた地理の教室の壁に貼ってあったポスターや地図の写真です。世界地図(↑)。日本はどこだ?小さいよ。端っこだよ。
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拡大すれば こう(↑)なる。うーん、沖縄は台湾のほうに近いのか・・・。などと、G先生との面会待ちの、私のひとりごと。 
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これ(↑)は、教室の「決まり」=ルール。なかなか守られないのが決まり(ルール)というもの。
みんながこの通りにしていたら、このポスターはいらなくなるはず。
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これ(↑)は役に立つ。こういうことを子供の時にならった覚えはないなあ。まずは物事を理解して、知識として確保する。そうして、分析して応用する。最後は価値評価をして、綜合する=シンセサイズする。というのは、自分のものとして生かしていく、ということか・・・。

というところで、G 先生が隣室から迎えにきて、部屋を移動しました。(以下の写真は、当日のG先生との面談とは全く関係ないものです。)
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結論はこうでした。(ともったいぶってる。写真はC村の十字路クロスロードの今ごろ)。
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学校のトリップとしては、問題外。アウト・オブ・クエスチョン。時間的に余裕がなさすぎる。ノーウエイ。したがって却下。(写真はC村のシルバー・ストリートの今ごろ。)
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ただし、生徒に情報を与えることで、生徒が自主的に旅行をする分には、OK. たとえば 学校の休暇中に英国内の大学で中、高生向けの数学とか、理科の合宿プログラムが組まれているのを教師が生徒に紹介してあげることが許されるように、このスタディー・トリップ、いえホームステイ・ビジットの情報を生徒に教えることは、OK. 同行することは可。ただし、あくまでも生徒の自主的な旅行としてであって、オーガナイザーであってはならないと。
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すべては、万が一のことが起こった時、だれが責任をとるか。ここに始まり、ここに帰結する問題なのでした。

保護者の判断で、保護者の責任で、この旅行をするならよい、と。

最初にエル先生(注)からこの話を却下されたときは、なんとも悔しくて、(リケジョのOさんのように) 眠れない夜もありました。それから、方針を変えて、旅行社のホリデー観光旅行プランではなく、個人のホームステイという方法があると知ったのは、3月25日の同窓会のときでした。春休みに東京の同窓会の方にメールを送ったら、あっさりと引き受けOKのお返事をいただいて、私はほとんど舞い上がってしまいました。しかもロンドンの旅行社に同窓の友が勤めてる! なんというTSUDA パワー! 本当に アメイジング! と何度も思ってしまいました。
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それで、費用も2200ポンドの半分に近い金額に下げることができて、イースター休暇中に新しいプランを作りました。それがイースターの休み明けに(十字架の首飾りを服の中に隠して身につけ) EVCのG先生に面会してもらったときの プランでした。これこそ3度目の正直というのでしょうか。

まだまだこれから いくつもの山や峠を越えていかねばなりません。
「保護者の責任で生徒が自分で実行するホームステイ・プランです」と言ったところで、「それなら行かない」という生徒もでてくることでしょう。それより前に、「1000ポンド(17万)なんていうお金があるわけない」という保護者もいることでしょう。子供は一人じゃないし、子供の学校のスクール・トリップだって、日本語だけじゃない。歴史も、地理も、フランス語も、ドイツ語も、スペイン語も、数学も、英語も、スクール・トリップのプランはしょっちゅう発表されていますから、日本語の科目にそんなに高いお金は払えない、という保護者もいて当然です。そのほか、いろんな理由で、現在10人いる私の日本語の生徒たちの、はたして何人が、「日本へ行きます」と返事をくれるでしょうか?

そのためには、どんな手紙(メール)を保護者に出さねばならないか。

とにかく、ゴーサインは出ました。 でもまだまだ歯ぎしりしながら、保護者に出すメール(手紙)を慎重に、慎重に、用心深く書かなければなりません。








エル先生は小柄な女性で、この歴史ある男子校の副校長です。とても厳しい。そして、だからこそ、とても人気がある、評価が高い先生です。私もとても尊敬しているのです・・・・・。












がしかし、ここは、そう簡単に引き下がれない。私があきらめるのは簡単です。そのほうが、危ない橋を渡らなくて済む。でも、これは私のためじゃなくて、生徒らのため。日本語教育のため、なんです。ここであきらめたら、今の勤め先で生徒の日本旅行(グループでの)は、学校の歴史に残らないことになる。いえ、結局、学校の歴史に残るグループ旅行ではなく、個人の勝手な私的な学外研修プログラムという形になってしまったのですが。

でも、一応のゴーサインと受け止めて、公私の微妙なすきま(これをG先生は ファイン ライン= fine line という言葉で同感してくれました。 ファイン Fine という英語の言葉には、微妙な、という意味もあるんですよね。
以下、英辞郎 on the WEB からの引用です。

fine
《fines》微粒子、微粉、細粒

【1形】 
素晴らしい、すてきな、洗練された、立派な
良い、結構な、構わない
・I'm fine (with it) if you feel that is fair. : あなたがそれが適正だと思われるなら私は構いません。
・That'll be fine. : 結構ですよ。
・That's fine with me. : 私はそれで結構[いい]です。/かまいませんよ。◆相手の依頼・申し出などに応じるとき
・This is a fine time to tell me she can't come. : 今頃になって来られないって言うなんて全くしょうがないんだから。
・This will be fine. : これでいいよ[大丈夫だ]。
晴天の、晴れた
元気な
品質の優れた、上質の、最高級の、絶品の
純度の高い
〔粒子などが〕細かい、微細な
〔模様などが〕細かい
〔繊維・肌などが〕きめ細かい
〔糸・線・針金・ペン先などが〕細い
・The line between genius and madness is very fine. : 天才と気違い〔差別語〕は紙一重です。
〔感覚などが〕鋭い、繊細な
〔差異などが〕微妙な
〔分割・分類などが〕細かい◆【対】coarse
〔運動選手などが〕鍛え抜かれた

罰金 ・Fines are __ dollars per day per item, up to __ dollars per fine. : 罰金は一品目一日につき_ドルで、一品目の最高罰金額は_ドルです。

【2他動】 ~に罰金を科する、~を科料にする


は、そうだ、罰金という意味もあるのだよ、この言葉には…。
by agsmatters05 | 2014-04-29 06:55 | Comments(0)

紅茶国で(元)日本語教師(今もちょっとだけ)。身の回りのいろんなことを気ままにつづっていきます。日本語教育のほかに、イギリス風景、たまには映画や料理や本やニュースや旅や、家族のことなど。

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