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紅茶国C村の日々

4月30日(土) KIZUNA JAPAN (その一、準備編)

ロンドンのジャパンファウンデーションが管理してくれる、主に日本語教師からなっていると思われるメールリストがあります。JLE-UK と呼ばれるもの。実際は誰でも、登録すれば入れると思うのですが。

このメールリストを通じて、津波救援のためのチャリティーイベントにボランティアを募集する、という情報(記事)が流れたのは、4月12日、あの東日本大震災が起こった1ヶ月と一日後のことでした。

4月の月末は、29日のロイヤルウエディングのあと、土、日、そして、5月1日のメーデーのあとの月曜日のバンクホリデーと、4連休になることが分かっていたので、この催しに参加できそうだと、直感的に乗ることに決めました。とはいうものの、実際の30日になるまでの期間はほんとうに、不確かなことばかりで、ずうっとあやふやでした。

子どもにカタカナや折り紙を教える人、食べ物を売る人、会場準備をする人、後片付けをする人、ラッフルと呼ばれるクジを担当する人、そのほか数種類の手伝いメニュー(MOREにはりつけました)があって、そのどれでも手伝ってくれる人はいませんか、というメールでした。

そしてこれも直感的に、おにぎりセールをしたい、と思いこんでしまった私、にわかボランティア・ミチでした。
紅茶の国でいつかクイッパグレたら、ライムリージスかどっかの南の海岸へいって、おにぎり売りをして生き延びてみたい、という変な考え(奇想)をずっと持ち続けてきた私。今回はその準備の一歩になるか。(笑)。とにかく、当日は、電気釜を会場に持ち込んで、おにぎりをたくさん作って売り歩こう、売り歩きたい、というのが、私の思いつき=イメージ、絵に描いたもち、ま、要するに 「プラン」 なのでした。

ロンドンの西のはずれ、アクトンという町の教会で行われるとのこと。この場所なら、2007年夏から1年間、週一回車で通ったところ。電気釜とお米さえ持っていけば、教会の電気と水を借りて、たくさんおにぎりを作って売ろう、売れるかも。一ついくらで売ろうかしら。お米10キログラムで、おにぎりが何個作れるか、それを一ついくらで売れば、どれだけの義援金を作り出すことができるか、準備期間中には、思いはチヂに乱れたことでした。

全然考えがまとまらないうちに、まとまらないどころか、おにぎりだけじゃあナンだから、白飯に合わせて、あれも作ろうか、これも作ろうか、と考えが広がりはじめ、あの店、この店、テスコ、モリソンズ、アズダ、行く先々で作れそうな、作って売れそうな、材料をあれもこれもと買いこんでしまいました。そして、何よりお米が必要だったので、どこでどうやってお米を調達しようかと、これも迷いました。C村にはお店は一軒もないし、学校のあるA市には、テスコやセンズベリーがあるけど、中華食材店も一軒もないし。ロンドンと、オックスフォードとミルトンキーンズと、3箇所のどこへ行くのも半日仕事。でもまあ、結局、お天気のいい、仕事のない水曜日にオックスフォードの中国食材店へ行くことにしました。

そのときの写真(↓)。
4月30日(土) KIZUNA JAPAN (その一、準備編)_e0010856_7592947.jpg

このイベントの中味(実体)がわからないという不確定要素を暗示しているかのような上の写真(ハハハ)。

お米は10キロが30ポンド、4000円ぐらいしたかしら。もう忘れてしまったけど、とにかく3袋買い、ミツカン穀物酢だの、寿司酢だの、そしてうどんもそばも、大根も、と膨れ上がる野望、止まるを知らずとは大げさですが、あっちこっちで買い集めた材料費は合計200ポンド(約、27000円)。何人もの人に笑われました。その分のお金を寄付したほうがよっぽどましだって。

材料費が200ポンド=2万7000円なら、それを使って調理したものをいくらで売ってどれだけのお金を集めたら、義援金として最大の効果をあげることができるか、それがねらいでした。100億円を寄付した孫さん(やっぱり尊敬してしまう。すごいと思う。その理由、(1)逆立ちしたって、身売りしたって、何をどうころばしたって、私が一生かけても動かせるお金じゃない。(2)ほかにももっと寄付のできそうな金持ちはいっぱい(日本にも、世界にも)いるはずなのに、そうする人はいない。(3)売名行為だなんて、批判的なことを言う人は、自分にもそれができるけれど、あえてやらない、というのでなければ、単なるひがみにしか、聞こえてこない。)でもって、孫さんと自分を較べるわけじゃありませんが、庶民として何ができるか、じっと考え続けてきた私でした。台湾の方たちが、多額の義援金を出してくださったニュースを聞いて、私は自分の1か月分の給料(薄給)を義援金にまわせるだろうか、まわしてみようか、ともチラッと考えてみました。そうすることですぐ路頭に迷うようなこともないかもしれない。1ヶ月ぐらいは給料がなくても、次の月まで雨露しのぐことはできるかもしれない。地震、津波であっという間に家、財産、おろか命まですっかり消されてしまった人たちのことを考えたら、1ヶ月の給料なんてたかが知れてる・・・

などと迷いはしましたが、まだそこまでは実行できていません。ただし、この4月30日の「キズナジャパン」のチャリティーイベントは、本当にタイミングといい、条件といい私の思いに叶ったものでした。

イベントにボランティアとして参加するという返事を出してから、当日教会に電気釜を持ち込んでおにぎりを作って売るという私の企画への返事、許可、はなかなかもらえませんでした。やきもきしながら、そろそろ材料の買出しを始めてもいいころとなってきていました。

あれは、火曜日26日のこと。ちょうどイースターホリデーが終わり、スタッフ研修日でした。特に行事もなく、あれこれ授業の準備をしたり、教材をコピーしたりしたあとの夕方、たしかテスコの駐車場に車を停めて、呼びかけ人の一人にメールとテキストをしてみました。いまから材料買出しをしたいんだけど、私の提案どおり実行してもいいんでしょうか?教会には、電気、水道はあるんですよね?云々。

そうしてメッセージを残したり、別の人に電話したり、携帯メールをしているうちに、なんと分かってきたこと。
当日はイーリング(という街)の日本人のママさんグループがお弁当を200食分ぐらい作る予定があるとか。

だいたい、ボランティアの数は何人?会場の大きさは?目標集金金額は?場所の広さは?

なにもかも分からないづくめのまま、とにかくテスコにはいり、まずは最初の買い物。スーパーを回っているうちに、ああコロッケも作りたい、から揚げもいいなあ、サラダも作ろうか・・・これが私の悪い癖。整理整頓ができない。すぐエスカレートさせてしまう。あれもこれもと手を広げてしまう。

とにかく、いちばん肝心なのはお米。水曜日は一日オフの日でしたから、結局オックスフォードまで行ってお米を買ってきたのは、上で書いたとおり。

イベント前日、29日の金曜日は、台所とテレビのある部屋を行ったり来たりすることに、かるい苛立ちをおぼえながら、ひとりでぼそぼそと準備を進めました。

ジャガイモは丸ごと大なべで2回ゆでました。ポークとビーフとチキン(丸ごと)も、それぞれ2キロぐらいずつの大きさのものを、ポークは焼き豚にして、ビーフとチキンはオーブンで丸焼き。あとは、野菜をたっぷりローストし、おにぎりに合うかも、とおもって小夏さんの大根漬け。それから大きなヤム芋を、大きく切って、炒め煮して砂糖と味噌で味付けしました。焼き豚の残りの汁でゆで卵を煮付けました。丸ごとチキンのほかにも胸肉の固まりチキンを一口大に切って、しょうがとにんにく酒、しょうゆで味付けし、これは唐揚げ用。

とにかく、材料はいっぱいあっても、一人で台所で仕込める食品の量と数にはかぎりがあるものです。

夜中の2時ごろにコロッケを丸めるところまではできたけど、コロモをつけて揚げるのは、当日、会場ですることにしました。

でもって、写真に撮りわすれたものが、コロッケとから揚げ。

それ以外は、一応カメラに納めましたので、次の記事で載せます。



- showing children how to write their names in katakana
- showing children how to make origami
- encouraging kids to play 'kamizumo'
- running cake stalls
- running other food and drink stalls
- helping run the raffle
- helping set up at the start of the day
- helping pack things away at the end of the event
- .... and any other Japanese activities that you would like to suggest!
Commented by konatum at 2011-05-20 22:04
売名行為だろうがなんだろうが、お金を出せる人は出してくれれば、それで okだと思いまするよ。

何合炊きの電気釜なんでしょ、計算してみました、1キロが約7合、10キロx3、210合、炊きあがるまで、何時間かかったのでしょう、それを考えただけでも すごい!と思います。

遠く離れているミチさんなのに、ありがとう・です。
Commented by agsmatters05 at 2011-05-21 08:16
小夏さん、どうもどうも、計算ありがとうございまっす。1キロが約7合なんですか。(知らなかった。)私の電気釜は5合炊きなんです。そして、何時間かかったか、そこがポイント。5合を一回炊くのに、かかる時間の、長いこと長いこと。お昼から始まって延々とご飯を炊き続けるつもりでした。でも、計算違いはこの所要時間でした。結局10キロのお米を、一袋分なんてとても炊ききれなかった。半分も消費し切れなかった。アハハ、でした。だいたい作ったものはほぼ完売で、これはいいニュースでしたけど、お米に関しては、予定の6分の一ぐらいしか炊けなかった。前もって炊いておくべきでした。もっと早く炊けるかと思ってたのに。前炊きとか、蒸らしとかが自動設定になっていて、どうしても1回3-40分かかってしまい、午後中かけて、4-5回しか炊けなかったんです。
by agsmatters05 | 2011-05-20 10:06 | Comments(2)

紅茶国で(元)日本語教師(今もちょっとだけ)。身の回りのいろんなことを気ままにつづっていきます。日本語教育のほかに、イギリス風景、たまには映画や料理や本やニュースや旅や、家族のことなど。

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