紅茶国C村の日々


『小菊の悲願』多田さや子著 & ウォスプに刺されました。

多田さや子著 『小菊の悲願』 という本を読みました。
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非売品のようです。グーグルやアマゾンで検索しても、発売していない、と出てきます。

実はこの本は、ロンドンのJFで日本語教師の講習会があったとき、ある方がお手持ちの日本語関連の本を整理なさりたいから、ということで、どうぞ自由にお持ち帰りください、といって会場の机の上におかれたたくさんの本の中の一冊でした。これが私の手にふれて、私が読ませていただくことになったのも何かの縁かもしれません。

毎晩寝る前に少しずつ、疲れていたら1ページも読まずに眠くなる時と、夜も更けても眠くならず何ページも本を読み続けてしまうときがありますが、この本も幾晩かかかって、どうやら、今回読み終わりました。ていねいに読みましたから、時間がかかりました。

これは、多田さや子さんという方の伝記でもあり、熱心な信仰の証の書なのですが、同時に性の商品化に反対する、売春防止運動を進めたいという強い願いをもって書かれた本でした。

それには、深いわけがあって、・・・
作者の生い立ちから、ご家族、教育、環境、農業、子育てと一代記になっているわけですが・・・。

実は、この本を読み終わるころ、ちょうど私はある友人との意見の衝突、早く言えば、ケンカのようなことがおこっていて、とっても気分が冴えない時期でした。この出来事は本当に不愉快で、C村の散歩に行ってのどかな景色をみても、全然気持がが安らげないのでした。口惜しくて、口惜しくて、ああもこうも言い返したい、東京に住むこの友人と思っていた人に、反論、攻撃、弁解、釈明のメールを書きたくて、書きたくて、という毎日でした。そういうメールを書けば、倍も3倍もまた私の悪口が返ってくるのが分かっていても、意地をはって、自己主張をし続けたかったときでした。

そのとき、この謙虚な、真摯な、信仰の書に出あって、最後にふっと、ああそうだ、と思った一文がこれでした。

「自伝は自らの過去を公表することです。だれにも知られたくない、そっとしておきたい、それらのことをいつわりなく書いてこそ自伝だと思います。私はそれをあえてしました。そういう点では、これもまた一種の 献体 のような気がいたします。 性の正しい研究のために、いささかでも役立ってほしい、ただそれだけの願いがこの本をかかせたのです。どのように料理されるのか、どのように用いられるのか、まな板の上の魚自身にはわかりません。すべてはお読みくださるみなさまにおまかせするだけです。

ただ、これははなはだ大それた思い上がりかもしれませんが、神さまはきっと、わたしのような者をも用いて、小さいなりに一つの思想の種子を播かせてくださると信じます。何のとりえもないものをも、あわれみ、いつくしみ、ゆるして、こんにちまで生かして下さった神さまの聖名をたたえます。」(271ページ、あとがき、より)


この、「何のとりえもないものをも」というところにピンときたのでした。負けて口惜しい花いちもんめ、じゃないけど、ああいえばこういうという口論をやめた時点でまるで自分の負けが決まったみたいで、情けなかったわけですが、そういう自分のことを「なんのとりえもないもの」としてとらえ、それでもこの世に生きる時と時間が与えられている限り、なんらかの救いはある、価値はある、意義はある、といわれているような気がして、ふっと、ああこれこれ、これだ、という気持がしたのでした。

本来のこの本の趣旨とは違う方向で解釈してしまっていると思います。
この世の中に、自分の生きる権利が制限されて、自由に生きられず、体が商品としての労働をしいられることは、奴隷と同じで、社会的に防がなければいけないこと、自分で守れない人を助けてあげなければいけないのだと思うのですが、とりあえず、私はこの本で、ひとつの慰めをあたえられたのでした。とるに足らない自分のようなものでも、生きている値打ちがどこかにあるんだって、これは、何教であれ、やさしい教えだとおもったことでした。


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アハハ。上の写真、まるで私がケンカの相手を刺したかった毒蜂みたいに見えませんか。人を傷つけることのできないミチさんですよ。(もっともけんかの相手は私が加害者と思っていらっしゃるわけですが・・・。)

別の記事にして載せてもよかったんですが、おととい、私、このWASPに刺されました。とっても痛かったです。泣きっ面に蜂、でした。

トイレに2-3日前からいるのは分かってました。紅茶国のトイレはお風呂と同じ部屋にあって、大きいですからね。一度スリッパで叩こうとしたのですが、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』のせいで、できませんでした。その翌日トイレに入っていたとき、背中でなにかやわらかいものがむずむず動いていると思って、左手を背中に回してみました。そしてイタッ!
左手の親指の真ん中を思いっきり刺されてしまいました。一日中痛かったです。

どのくらい毒が強いのか、心配でした。しばらくしたら左手が腕(ひじ)までズキズキしてきました。

どうやら、蜂(Bee)と ウォスプ(Wasp)とは毒の種類が違うらしいです。片方は酸で中和し、もう一方は重炭酸ソーダで中和せよ、とか。どこで見分けるのか、これからグーグルしてみようとおもっています・・。あ、もう遅いか(笑)。

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by agsmatters05 | 2010-04-13 03:18 | 本を読んで | Trackback | Comments(2)
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Commented by Yoshi at 2010-04-13 21:40 x
ミチさんの文章を読んでいると、個性とエネルギーに満ちている方だと感じます。そういう方は、他人と深く関わり、意気投合することもあれば、逆にそれが災いして激しく傷つけあうこともあると思います。それは、ミチさんの生きるエネルギーが豊かな故でしょう。争うのは悲しいですが、それだけ相手の方とは深い縁で結ばれた時期もあったのでしょうね。時間が経てば、やがて人生の一コマとして静かに眺めて、お互いに許し合え、今の気持ちも水に流せる時が来ることをお祈りします。 Yoshi
Commented by agsmatters05 at 2010-04-14 10:02
Yoshiさん、私はあまり争い事には巻き込まれないようにするほう(臆病)なので、激しく傷つけあうなんてこと、これまであまり経験してないです。このイサカイの相手の方は、全共闘世代の女性で、これまでにいくつも裁判沙汰を経験していて、職場でも敵が多い方なのでした。私のことをいつも『あなたは鷹揚で、おおらかだ』と、誉められてるのか、けなされてるのか分からないようなコメントをしてくれていたのですが、ちょっとストレートにものを言ったら、即、毒がこちらに向けられてしまいました。ヴァイヴァの前の緊張期間中のお付き合いでしたから、わたしもあまり、おおらかになれなかったです。今は、お互いに「ごめん」という必要のないところにいますから、単に尾を引いているというだけのことなのです。Forget か Forgiveかと聞かれたら、Forget のほうが得意な今の私です(笑)。それから、年齢が同じではないので、年上の彼女は下出に出たくないのでしょう。・・・・・これから体得したことは、やっぱり、『争いごとは早めに手を引くべし』。そして結論。Yoshiさん、お心のこもったコメントありがとうございました、です。

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